映画「福田村事件」 | 佐野みかげ ★ Girly life
October 10, 2023

映画「福田村事件」

テーマ:映画♪

「表現者なら観ておけ」と人に勧められる前から

観に行こうと思っていた映画。

このひと月忙しく、ようやく観に行こうと思ったら、

私の行こうと思ってる映画館は今週までだと言うので、
慌てて観に行った。

 

正直、ぶん殴られた。

観てる最中は、普通に集中して、ほぼ口を開けながら観てただけだった

んだが、エンドロールの黒字に白い文字を見てるうちに、

急に?泣けてきて、それがどんどん大きくなって、

エンドロールも終わって客席の灯が点く頃には、

私は自分で自分を抱きしめて、ぶるぶる震えながら泣いていた。
泣き止まなくて立てなかったんだけど、最後の1人になったので、
客席につかまりながらヨロヨロと立ち、既に閉められていた客席の扉を
開ける力もなく(渾身の力で開けたけども、扉は重かった。
力が入らなかった)ロビーには次の上映を待つ普通のテンションの人が

沢山居て、でも私はその人達の顔も見れない位に泣いていて、

人を避けられないくらい、立ってるのがやっとだったんだけど

トイレに行き個室で号泣して、それでも泣き止まないので、
トイレを出て、口もきけない位 震えながらパンフを買い

(今日サービスデーだったので、

1200円で映画観て1500円のパンフ買ったわ。苦笑)
泣きながら写真を撮り、

(すっぴんなのでupは悩みましたが、これはどうしても残すべきと)
まだ泣き止まないので、仕方なく、映画館の裏階段(裏でもないのか)
の踊り場に座り込んで、独りで泣きました。

(ひとりで観に行って、本当に良かった)
嗚咽が止まらなくて 声が出ちゃうんで、
タオルハンカチで口を抑えて泣いてたんですが、
誰もいない筈の階段から「うぅゔゔゔぉおおおおおっっっっ・・・」

みたいな声がして、聞こえた人はさぞ不気味だったでしょう💦
もうアンコントロール。自分が止まらない。
そこで 10-15分は泣いたかな。
泣き止んで、お水飲んで、まだ立てずに更に15分位ぼーっとしてました。

あんなにやられたの、いい大人になってから初めてと思う。

20代前半の多感な頃に、ロシアの戦争映画見て、やっぱり終映後に

頭おかしい位 客席で泣いてたら知り合いに会ってしまって、

めちゃくちゃ気まずかった、あの時以来だと思う。こんなに泣いたの。

そして、あの時より深く抉られた自信がある。

 

一体、この涙は何ですかね。

恥ずかしいのと、怒りと悲しみと・・・

恥ずかしいが1番だろうか。

これは決して遠い過去の話じゃない。たかだか3−4世代前の、

おじいさんおばあさんか、ひいお爺さんひいお婆さんか、
そんな時代の話で、私達はその人達の子孫なんだ。

殺す側の血も、殺される側の血も、引いてるんだ。
昔の話だからと、自分達に関係ない訳がなく、
100年経った今も、差別はなくならないし、
いつ集団心理が働いて、普通の人が暴徒と化すかわからない。
コロナがあって、戦争が始まって、世の中がキナ臭くなって、
本当にこれは、あってはならない未来の話に見えた。
私達は2度と繰り返してはいけない歴史を、

ちゃんと学ばずに 明日に踏み出してないか。
 

どうして私は、私達は、自国の歴史をこんなにも知らないんだろう。

家に帰って、馬鹿みたいにネットで俄勉強したけれども、
どうしてwikiに書いてある程度のことすら、

学校では教えてくれないんだろう。
私達が学ぶべきは、聖徳太子の時代の話じゃなくて、
明治以降の近代史なんじゃないか。
第一次大戦、第二次大戦で、自国が何をやってきたのか、
それを学ぶべきじゃないのか。
キッシーも投資の授業なんか必修にしなくていいから、
日本軍が亜細亜で何をしたのか、その時天皇は、国民は、
思想犯と言われた人達は、何を想ってどう行動したのか、
そういう過去に学ぶ授業を提案すべきじゃないか。
文化庁も、助成金とか出してる場合じゃなくて、
全面的にサポートして、全国の中学生の社会科の必修にして、
学校で上映すべきじゃないか。

NHKも「国営放送」名乗るなら、この映画の制作ドキュメントでも

作って、皆が観に行く後押しをしてほしい。

だって「大日本帝国の話」なんだから。
こんな作品が、クラファンでしか成り立たないなんておかしい。
 

パンフレットに作家の方が

「残念ながらこういう映画って届く人にしか届かないんですよ。
表現って、本来、そういう事に興味ない人の価値観を揺らす事じゃない

ですか。でもそれが難しい」と書いておられて、ホントにそうだと思った

今日はサービスデーなのでまぁまぁ混んでたんだけども、

それでも年齢層の高い客席だった。
私の後ろの、予告から喋ってて、あまり興味がなさそう(に感じた)な

人は、終わった瞬間に「おしゅまい!」って言ったんだけど、

あれは、終わってホッとしたのか、

興味なくて観るの辛かったのか・・・

でも、そんな人が「知る」事が何よりも大事で、

知ってどう思うかはその人の自由だけど、

無知は本当にただの罪だし、
その無知を学校教育が意図的に作り出してるなら許せないし、
子供も居ない私には、誰に何を伝えたら良いのか分からない。

SNSで右寄りの方と論争してても、ホントに何も始まらないと思う。

軽く絶望してしまった・・・

ヨロヨロと歩いて行った先の街の眩しかった事

この街の中で、こんなこと考えて絶望してるのは
私だけなんじゃないかと思ってしまったよ。
 

パンフレットを熟読したら、25年前から事件を究明して 慰霊碑立てる

お仕事なさってる方が「映画を観た人がこれが史実だと思ってしまっては困る」と仰ってて、確かに劇映画なりの脚色や、
ほんの小さな歴史的時間のズレ(知ってて意図してやってる事)は
あるけれど「これが史実」というより「これを機に知る」って

なったら良いのになぁと思います。
(だからって、とことん知りたくなって勉強する人は

かなり少数だと思うけど)

個人的には衣装(着物)が素敵でした✨

あれ、全部作ったんだろうと思われる野良着。

福田村の皆さんと、行商のみんなの、小汚い系の着物が、

ホントにセンスがよかった。細かいお仕事なさってました。

 

ユーロは13日(金)まで。

全国の皆さん、観るべしよ。観て欲しいぜよ🥺