そんなこんなで、今現在、ワイルド先生は大変困っています。
え、なんで先生かって?
それはほら、キースが今朝ベッドの中で「もし先生だったらワイルド君は体育の先生、私は理科の先生って言われたよ」なんて言い出したから先生ごっこを…って、そんなことはどうでもいいんだけど。
「ワイルド先生を誘うのに必死だからね。」
「え、必死なの?俺なんかちょちょっとひっかけたら、すぐころっといっちゃうのに。」
ベッドの上で足を絡めて、じゃれ合って。
他愛のない話にゴロゴロとシーツの上で絡まり合う。
「そんなことはないよ。飽きられない様にしなくてはいけないんだ。」
「ばーか。そりゃ、俺の台詞だ。飽きられない様にしなきゃ。」
あぁ、まずいな。この流れは、
「それこそありえないね!そしてありえない!」
「はいはい。皆そう言うんだよ、はじめのうちは。」
ヒラヒラと手を振り、軽く笑って誤魔化す。
こればかりは、いまだに受け取ることが出来ないでいる。
キースの愛ギフト。
「しかしワイルド君、我々は「はじめのうち」には少し長いと思わないかい?」
うぅ、痛いところを突いて来るなぁ。
天然のくせにこういうところ抜け目ないっていうか、鋭いっていうか。
前にも、こんな話何度かしたけど、結局俺うまく逃げれたような、どうだったかな。
「ええっとぉ?8ヶ月かな、出会ったのを含めれば9ヶ月?い、いやほらまだ1年経ってないし?っていうか、半年祝いしようと思ってたらとうに過ぎて…」
「…そうかい。つまりワイルド君は私とそこまで深い仲ではないと言いたいんだね?私だけがそう思っていたと…とても悲しいね、とても」
話、変えなきゃ…と思ったのに、キースがんなこと言い出すもんだからつい声を荒げてしまった。そういう意味じゃない!
「ではどういう意味なんだい?もう8ヶ月もいるのに君はずっと「はじめのうち」と言って受け取ってくれない。私が、怒らないとでも思うのかい?」
あぁまずい。この目は本気だ。
どうか怒らないで。そして見逃してくれよ。
この年になるとなぁ、恋なんて、卑怯で臆病で慎重になっちまうの。
信じてない訳じゃない。これからもずっと愛してる。
けど、失うのが怖いんだ…。
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