『私だけの東京2020に語り継ぐ』「銀座に感じる『粋』の美学」六年前インタビュー記事振り返り思う | 銀座由美ママの心意気

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働く女の心意気を、銀座という世界を通して、様々な観点から表現したくブログを始めました。 そんな銀座ママの日常です。どうかご笑覧下さいませ。

 

「銀座に感じる『粋』の美学」

 

 

 

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六年前…

2015年8月12日は、

毎日新聞の夕刊水曜日の連載特集『私だけの東京 2020に語り継ぐ』

にインタビュー登場しました!

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*銀座に感じる「粋」の美学!毎日新聞夕刊8月12日号『私だけの東京2020に語り継ぐ』由美ママ登場 (2015年8月13日号)

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―私が名古屋から初めて銀座に出て来たのは、18歳、高校3年の夏休みでした。 

美容室で何気なく開いた女性週刊誌に、銀座のクラブで働く女性の特集記事が載っていたのです。

 さらにその数日後、父の書斎で偶然、銀座のクラブのマッチ箱を見つけ、すぐに電話したんです。 

「そちらで働きたい」と。 

 

 東京に行きたい理由があったんです。 好きだった男性が東京の美大に進学希望で、追いかけたかった。 さらに、作家の林芙美子さんの「放浪記」を読み、主人公が銀座で「カフエーの女給」としてたくましく生きる姿に魅せられていたこともありました。 

 

 親に黙って家出同然で銀座のクラブで働き始めましたが、1週間ほどで連れ戻されました。 

でも、その後は私の決意の固さにあきらめたようで、高校卒業と同時に銀座のクラブで働くことになりました。 

怖いもの知らずというか、楽観的というか、とにかく人生の旅立ちでした。 

 

 

 銀座に来て心を動かされたのが、銀座4丁目の交差点にある商業施設「和光本館」です。 

明治時代から銀座のシンボルとして有名ですが、時計塔から流れてくる時報のチャイムを耳にするたび、「銀座の女として生き抜きたい」と決意を新たにしました。 

「和光」の中へ一歩入ると、時計やバッグ、装飾品などが並んでいます。

ひとつひとつが決して華美ではなく、気品にあふれている。 

まだ10代でしたが、「いつか上品な大人の女性になりたい」という気持ちになりました。 

今も時計塔を見上げると、「今日も頑張らなくちゃ!」と奮い立たされます。 

 

 

 

 銀座のクラブは、歴史に大きな足跡を残された方々が、夜のひとときを過ごした場所です。 

政界、財界、芸能界の方々も多く、文化的交流をするサロンでもあります。 

高校を卒業したばかりの私には、接客は「学びの場」でした。 

お客様のお話に少しでもついていけるよう、日々新聞に目を通し、歴史や文学の本を読みあさりました。 礼儀作法や立ち居振る舞いも身につけました。 

そのかいあって、お店のナンバーワンになりました。 

 

 その後、有名店にスカウトされて「雇われママ」になりました。 

ところが、「好事魔多し」で人生初の大ピンチが待っていました。 

オーナーがある事件で逮捕されてしまい、出資者から急に1500万円の返済を迫られたのです。 

あちこちに必死に頭を下げ、売掛金を早めに回収することで何とか乗り切りましたが、「人に振り回されるのはもう嫌」と思い、23歳で小さいながらも「クラブ由美」を開店しました。 

 

 バブル崩壊やリーマン・ショック、東日本大震災などの不況や自粛ムードが世間に広がるたび、売り上げ半減といった危機がありましたが、2013年に30周年を迎えることができました。 

感慨ひとしおでした。 

 

 

 銀座には「気品」「伝統」といったイメージがあると思いますが、私は「粋」という美学を感じます。 

「粋」は辞書には「服装や所作が洗練されている」 「人情の機微に通じている」などと書かれていますが、私は「大事なものを守る心意気」だと考えています。 

 

 百貨店からブティック、すし屋、ステーキ店までさまざまなお店がありますが、「銀座を守る心意気」を持っている人々が数多くいます。 

例えばすし屋でお客さんから納豆巻きを注文されたら、「うちは江戸前の店だからありません」と断るお店もあるそうです。

たとえお客様のリクエストでも、ここで店を構えている以上、方針は曲げられない、という心意気が大事だと思うのです。 

 

 この数年で銀座の様子は大きく変わりつつあります。

洋服などの量販店が増え、海外からの観光客が多く訪れています。 

それに残念なことですが、以前はほとんどなかった悪質な客引き、いわゆる「ぼったくり」が散見されるようになりました。 そこでこれまでに2回、クラブのママたち約100人で「客引きを許すな」と練り歩きました。 

 

 20年開催の東京五輪が近づくにつれ、海外からのお客様がより多く銀座に訪れるでしょう。

 銀座の魅力と文化が少しでも多くの外国のお客様に伝わるよう、何かお手伝いをしたいと思っています。 

―【聞き手・江畑佳明、写真・猪飼健史】 

 

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六年前のこのインタービュー記事『私だけの東京 2020に語り継ぐ』にて、

由美ママは“銀座”への熱い想いを語らせていただきましたが、

2020年~2021年は、想定外のコロナ禍に見舞われ、六年前以上に、

「大事なものを守る心意気」が試されているように思います! 

 

【クラブ由美】は、2022年春「開店四十周年目」を迎えます。 

まだまだ続きそうなコロナ禍ですが、

「いかなる困難があろうとも“銀座の灯は消さない”」心意気でこれからも頑張ります!

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上記

簪は『銀座かなめ屋』製http://www.ginza.jp/kanameya/

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