季節の変わり目に伝統文化を考える | 銀座きものギャラリー泰三

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一度は袖を通したい着物がここにあります。きもの創作工房 (株)染の聚楽

今日は端午の節句ですが、これは古来からの暦の上での5節句の一つです。

また立夏ともほぼ重なりますし、季節の変わり目でもあります。


端午の節句は菖蒲の節句とも言われ、古来宮中でも色々なお祝事があったようです。


こういう季節の変わり目の色々な行事には中国から伝わったものもありますが、日本で色々な解釈が加えられ、独自の物となったものがたくさんあります。

これもまた伝統文化ですが、菖蒲は尚武(武術を尊ぶ)と読み替えできるので、男の子の成長を願うというまことに日本らしい解釈です。


柏餅は、柏の葉が新芽が出るまで散らないいから子孫繁栄の意味を持つお目出度いので、江戸時代からこの時期に食すようになったらしいのです。


ちなみに柏の葉は古代、神様に食物を備えるときに下に敷いたらしく、神に祈るときの柏手というのも、そうしたことから来ているようです。


ただ粽(ちまき)はまさに中国の故事来歴から来たことが、そのまま日本でも続いているようです。


中国戦国時代の高名な詩人屈原が、5月5日に川に投身自殺をして、魚が死体をつつかないように、餌として粽を投げ込んだということから、粽を備える習慣が残ったようです。


まあ色々調べていくとなるほどなるほどということが山ほどあります。


このように日本の伝統行事には、多くの故事来歴や謂れがあり、それが今に生きているということでしょう。


こうした節目の時に色々疑問を持って調べるという癖付けをすれば、知識が増え、その行事の意味がよく理解できるでしょう。


日本という国は非常に多種多様な文化を受け入れ、咀嚼して、新たな変質した文化を作り上げてきました。


その過程を知ることは大変に興味深いと思います。


日本人の愛国心は、つまらない主権回復の日などというような極めて薄っぺらいことをするのではなく、日々に日本と言う国を作り上げてきた先人のことを日本人がもっと知るよう学習することで自然に涵養されていくのだろうと私は信じます。