銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です
今回はこちらの治療について
がんワクチン療法には様々な名前が付けられており、検索している患者さんは大混乱します
「がんワクチン」で調べるとこんなにも出てきます
DC(樹状細胞)療法
WT1がんワクチン療法
WT1ペプチド療法
樹状細胞ワクチン療法
WT1樹状細胞ワクチン療法
自家がんワクチン療法
ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法
HITV療法
DC-NKT細胞療法
このうちどれが良いかなんて分からないし、選べないですよね、、、
ただ、すべてに共通しているのは樹状細胞を介した治療だということです
まず以下の治療は
・DC(樹状細胞)療法
・WT1がんワクチン療法
・WT1ペプチド療法
・樹状細胞ワクチン療法
・WT1樹状細胞ワクチン療法
非常にややこしいです
基本的には人工的に作られた抗原(主にWT1ペプチド)を使うのですが
①皮下に注射して体内で抗原を樹状細胞に覚えさせる
②樹状細胞を体外で培養し抗原を覚えさせて体内に戻す
の2通りの方法があります
どちらも同じ名前を使っているので、よくよく読まないと①なのか②なのか分かりません
治療費は、①が100-150万、②が>250万と、体外で培養する分②の方が費用がかかります
①と②のどちらが効果があるかというと、どちらも同じような感じ、、、かな
体内の樹状細胞が元気であれば①でも十分ですし、そうでなければ②で樹状細胞を増やし、活性化した方が良いと思います
って言われても、そんなの分からないですよね
また、いくら樹状細胞を元気にしても、最終的にがんを攻撃するキラーT細胞(CTL)に情報が伝わらなかったり、CTLが元気じゃなかったりすると、がん細胞を攻撃する力は弱くなってしまいます
樹状細胞が活性化しているか、CTLに情報がうまく伝わるか、CTLが元気かという3つのハードルをクリアできて始めて、効果が高まります
ただ、そもそもの話、がん細胞がWT1を発現していないと、上記の流れが十分でもあまり意味がありません
その点、自身のがん細胞の抗原を利用する
・自家がんワクチン療法
もしくは、がん抗原のコピーを作り出す
・ネオアンチゲン(樹状細胞)療法
は理にかなっていると思うのですが、まだエビデンスとしては弱いです
・HITV療法
蓮見ワクチンを製造しているクリニックで行われている樹状細胞療法で、他の樹状細胞療法との違いは、”腫瘍内に直接樹状細胞を注入する”ことです
腫瘍内に直接樹状細胞を投与することが良いことなのかどうかは分かりかねますが、オリジナルの方法で、エビデンス等は不明です
・DC-NKT細胞療法
詳細な説明は省きますが、NKT細胞を活性化させる物質を樹状細胞によって認識させて、NKT細胞を働かせる治療法です
こちらも情報が少なすぎて、エビデンス等は不明です
がんワクチン療法も、NK細胞療法と同様に、抗がん剤のようなエビデンスはありません
唯一、脳腫瘍の神経膠腫(グリオーマ)では、手術切除後に治療薬とWT1がんワクチンを併用した治療で弱いエビデンスがあります
ただ”手術後”に限定されているので、がん細胞の量が少ないことがポイントなのかもしれません
がん免疫療法の臨床試験は、手術後の再発予防を狙っているものが多いので、がん細胞が少ない方が治療効果としては期待できるのだと思います
結論:がんワクチン療法は、一部の疾患(膠芽腫)以外ではまだ有効性が証明されていない
がん細胞の量が少ない方が効果は期待できる可能性がある
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