銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

こちらの続きです

 

 

今回はHER2陽性乳がんの術前術後治療について

 

 

 

HER2陽性乳がんの治療には、ハーセプチンという薬剤が欠かせません

 

そして、ハーセプチンとセットでよく使われるのが、パージェタという薬剤です

 

ハーセプチンだけでもがん細胞の手の動きを止めることができますが、がん細胞はまだ少し栄養を取り込めます。パージェタとハーセプチンを併用することで、パージェタとハーセプチンで別のところをおさえて効果的に手の動きを止めるため、より効果を高めることが期待できます。

 

 

 

手術後の治療では、再発リスクが低い場合に、パージェタを加えてもあまり予後は変わらないのでハーセプチン+抗がん剤となります

 

再発リスクが低い

→ハーセプチン+抗がん剤

 

再発リスクが高い

→ハーセプチン+パージェタ+抗がん剤

 

パージェタを加えた方がわずかですが良い結果となります

 

 

 

手術前にがっつり治療する場合は、ハーセプチン+パージェタは必須です

①ハーセプチン+抗がん剤

②パージェタ+抗がん剤

③ハーセプチン+パージェタ

④ハーセプチン+パージェタ+抗がん剤

を比べた場合、④の方が圧倒的に完全奏効率が高いのが分かります

 

 

5年無再発生存率も同様です

 

 

昨年承認されたハーセプチンとパージェタが一つになった皮下注射薬フェスゴを使っても治療成績は変わらないという結果でした

ハーセプチン+パージェタで2時間半かかっていた点滴治療が、フェスゴの皮下注射になると8分で終了することになり、大幅な時間軽減になります

 

 

 

術前にハーセプチン+パージェタ+抗がん剤治療を行い、完全奏功して手術となったば場合には、ハーセプチン+パージェタだけでよいのですが、完全奏功でなかった(がんの遺残がある)場合には、カドサイラの方が予後が良いという結果になっています

 

 

ただ、将来的には、様々な臨床試験でカドサイラを凌駕しているエンハーツにとって代わるかもしれません

 

こちらの直接対決の結果は2027年となっています

 

 

ホルモン療法の時ほどの複雑さはなく、HER2の場合の術前術後は結構すっきりしています

 

 

 

 

 

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