銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です
まずは、ステージ4のホルモン陽性乳がん治療のガイドラインから
ホルモン陽性乳がんはホルモン療法がよく効くので、肺や肝臓に転移があってもまずはホルモン療法を行い、抗がん剤治療は後回しにされます
現在のガイドラインで推奨されているのは
<閉経前>
一次ホルモン療法
LH-RHアゴニスト(リュープリンなど)
+
アロマターゼ阻害薬(アリミデックス、フェマーラ)
+
CDK4/6阻害薬(イブランス or ベージニオ)
二次ホルモン療法
LH-RHアゴニスト(リュープリンなど)
+
フルベストラント(フェソロデックス)
+
CDK4/6阻害薬(一次治療で使用していないもの)
三次ホルモン療法
MPA(ヒスロンH)
エストロゲン受容体作動薬(プロセキソール)
<閉経後>
一次ホルモン療法
アロマターゼ阻害薬(アリミデックス、フェマーラなど)
+
CDK4/6阻害薬(イブランス or ベージニオ)
二次ホルモン療法
フルベストラント(フェソロデックス)
+
CDK4/6阻害薬(一次治療で使用していないもの)
三次ホルモン療法
エキセメスタン(アロマシン)
+
エベロリムス(アフィニトール)
四次ホルモン療法
MPA(ヒスロンH)
エストロゲン受容体作動薬(プロセキソール)
閉経前と後の違いは
・LH-RHアゴニストの有無
・エキセメスタン+エベロリムスの有無
です
そんな中に新薬が登場しました
AKT阻害薬 カピバセルチブ(トルカプ)
元となった臨床試験はこちら
CDK4/6阻害薬を使用していても使えます
適応は
特定の遺伝子変異(PIK3CA、AKT1またはPTEN)を有する進行再発乳がん
となっています
*PIK3CAやAKTについては2年前に記事にしています
ホルモン陽性乳がん患者の半数にこれらの遺伝子異常がみられるようなので、結構多くの人が使えるかと思ったら、、、
FoundationOne(ファウンデーションワン)検査をしないと診断ができないという、、、
FoundationOneは本来はパネル検査で用いられますが、今回の場合はPIK3CA、AKT1、PTENの3つを調べるためだけに使われます
いろいろ書いて頭が混乱すると思いますが、
最終的な抗がん剤に至るまでの過程に一つ選択肢が増えたというのは、素晴らしいですね
副作用を抜きにすればですが、、、
カピバセルチブ(トルカプ)の副作用は
下痢 67%