銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。
こちらの続きです
<ホルモン受容体陽性乳がん>
ホルモン受容体が陽性の場合は
進行が遅く手遅れになることが少なく
ほとんどが手術で取り切れます
(+再発予防にホルモン剤10年内服)
ただ、もし遠隔転移があった場合は
強力ホルモン療法 or 抗がん剤治療
がはじめから選択されます
そんなホルモン受容体陽性乳がんですが
PARP阻害薬やCDK4/6阻害薬など
5年ほど前に新たに承認されて以降
選択肢がたくさん増えました
進行・再発した乳がんでは
ホルモン療法+CDK4/6阻害薬が
必須のものとなっています
効果も高まった代わりに副作用も増えましたけどね…
だって、こんなに違うんだもの
さて、新薬について
①AKT阻害薬
トリプルネガティブでも出てきた
カピバセルチブという新薬です
AKTとかカピバセルチブとか覚えにくいですが
主治医に聞きたい場合には
AKB(エーケービー)何とか
と伝えると理解してくれるかも…知らんけど
二次治療以降で効果を発揮します
なかなかの効果です
現在、第3相試験が進んでいるので
数年後に承認になると思います
②PI3K阻害薬
PIK3CA遺伝子に異常がある時に
効果を発揮する新薬です
アルペリシブ(ピクレイ🄬)
PI3kとかPIK3CAとか名前が難しいですが
主治医に聞きたい場合には
ピカチュウ…みたいな
と伝えると理解してくれると思います!
まだ臨床試験中ですが
PIK3CA遺伝子変異の有無で
効果が全く異なります
現在、第3相試験が進んでいるので
数年後に承認になると思います
それ以外に
③エストロゲン受容体分解薬
現在は
フルベストラント(フェソロデックス®)
という注射薬が承認されています
~中頭病院HPより~
注射は大変なので内服薬が開発中で
・エラセストラント
・アムセネストラント
・ギレデストラント
・カミゼストラント
の4種類が候補にあがっています
このうち
・アムセネストラント
・ギレデストラント
は従来のフェソロデックスよりも
効果が期待できないということで
臨床試験が中止になりました
(カミゼストラントはまだ)
とりあえず、エラセストラントのみが
今後承認されそうです
無増悪生存期間の中央値は
それでもかなり低い…
ホルモン療法が効かなくなったら
次は抗がん剤治療一択
という流れでしたが
将来的には①‐③の新薬が
抗がん剤前の延命措置として
活躍するかもしれません
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