銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です
こちらの腫瘍マーカーネタの続きではないですが、膵臓がんに新しい腫瘍マーカーが登場しました
アポリポ蛋白A2
というマーカーです
脂質異常症や動脈硬化でも異常が見られますが、膵臓がんとも関連するようです
これまで、膵臓がんで見られる腫瘍マーカーと言えば
・CA19-9
・CEA
・DUPAN-2(デュパン ツー)
・SPAN-1(スパン ワン)
があります
CA19-9は7割近くの膵臓がん患者さんで上昇しますが、体質的にCA19-9に反応しない/ しにくい人がいます
その場合でも、DUPAN-2は上昇するので、膵臓がんの治療経過を見るのに役立ちます
例えばこの膵臓がん肝転移の患者さん
CA19-9は正常の3倍ほどしか上昇していないのに対して、CEAとDUPAN-2は約100倍になっています
これら以外に、新しく登場するマーカーについての情報
たぶん、これを読んでも、なんのこっちゃいなという感じだと思います
詳細は省きますが、
膵臓がんでアポリポ蛋白A2(APOA2)が低いと、膵臓がんである確率は63%となっています
APOA2とCA19-9が陽性なら、膵臓がんである確率が87.7%と高いという結果でした
CA19-9が陰性の膵臓がんでも、約60%の人が陽性を示すということで、当分はCA19-9陰性例で調べることになりそうです
3年前の消化器系の学会での発表
5120人がAPOA2を調べたところ
陽性者 84人
陽性者84人中、54人が二次検査を受けた結果
・膵臓がん 1人
・膵神経内分泌腫瘍 1人
膵臓がんの高リスク疾患
・IPMN 9人
・膵嚢胞性疾患 5人
・慢性膵炎 3人
・自己免疫性膵炎 1人
その他
膵疾患 6人
検出率は
膵臓がん 0.02%
膵臓がんの高リスク疾患 0.4%
とかなりよい確率でした
ちなみに、現在行われているがん検診の陽性率はこんな感じです
肺がん検診の肺がん検出率 0.03%
胃がん検診の検出率 0.12%
将来的に、膵臓がんのスクリーニング検査になるかもしれませんね
あと、当院でももう少ししたら検査できるようになりそうです
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