銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。
残念なニュースが…
約1年前に、胃がんの脳転移が見つかったバレーボール日本代表の藤井直伸選手
残念ながらお亡くなりになったようです
31歳という若さを考えるとスキルス胃がんだと思いますが、やはり標準治療だけでは難しいと思います
藤井選手について
順天堂大学時代にご実家が東日本大震災の被害にあわれました
ところで、藤井選手と言えば、胃がんの公表直後に自費治療も見据えて募金を募っていました
ネット上で叩かれたので、すぐに中止となりましたが…
海外での治療を考えての5,000万円という設定だったと思うのですが、ネット上では
・費用が必要なのは分かる。寄付の額も大きいだけに、募るなら病状を明かすだけでなく、どんな治療法を試したいのか、それにはいくらかかるのかという費用も説明して、透明性を確保しておくべき
・5000万円という金額がどこから出てきたものか、疑問です。不安な気持ちに乗じた、怪しい治療をすすめる方々の意見に惑わされていないか心配になりました
・お金を出せばいい治療があって治るというような情報になる気がします
などの、透明性や代替療法への不安などが散見されました
大混乱の中での急な募金活動だったので準備不足は否めませんでしたが、もうちょっと上手くやれたらなぁと思いました
額が額なのでね、ネットの反応はすごかったです
さて、本題に戻ります
胃がんのステージ4での5年生存率を見てみると
8%前後となっています
膵臓がんや胆管がん並みに低いです
胃がんの転移先で多いのは
・リンパ節
・肝臓
・腹膜
の3つで、脳転移は稀です
そんな稀な脳転移ですが、予後は極めて悪いです
文献を調べても、
胃がん+脳転移で1年以上生存
というのは数えるほどしかなく、5年生存率だと1%以下でしょう
保険診療だけだとそんな感じなので、他の治療を探したくなりますよね
それを標準治療主義の医者たちは「標準治療以外は絶対ダメ」と止めるんですよね
で、結局治らない
何だかなぁって感じです
だからと言って、自由診療の治療を併用しても治すのは難しいです
(スキルス胃がんを治せると宣伝している都内のクリニックもありますが…)
スキルス胃がんの根治について以前書きました
胃がん治療のまとめ記事
胃がんの一番の予防はピロリ菌の除去です
それだけで胃がんを99%減らすことができます
中学生のうちに発見してピロリの除菌し、将来胃がんにならないようにしようと働きかけている自治体もあります
当院でも血液でピロリ菌検査を行っています
胃がんは予防につきます
抗がん剤で髪が抜けた藤井選手を励ますために、仲間たちまで丸刈りにしたインスタグラム
活躍する姿をもっと見たかったなぁ…合掌
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