銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。


 

 

こちらの続きです

 

 

がんの自由診療というと

・遺伝子治療

・免疫療法

が選択肢に入ると思います

超怪しい光免疫療法もありますが…

 

 

スキルス胃がんに

「スキルス胃がん 遺伝子治療」

「スキルス胃がん 免疫療法」

で検索すると

限られた施設がヒットします

 

 

なぜその施設ばかりなのか

詳細は触れませんが

 

遺伝子治療の場合には

内視鏡による胃壁への遺伝子注入が

できる施設ですね

 

うちの遺伝子治療グループも

昔は内視鏡での注入をやっていて

原発巣の制御は結構できていました

 

ただ、

スキルス胃がんが致命的になるのは

原発巣ではなく腹膜播種や転移なので

個人的には内視鏡治療に使う分の費用を

全身療法や腹腔内治療に回した方が

良いと考えています

 

スキルス胃がんはp53変異が多く

遺伝子治療との相性は悪くない上に

腹腔内投与できるメリットがあります

 

 

ちなみに、免疫療法を行う場合

点滴で免疫細胞を投与しても

腹腔内にはほとんど届きません

 

なので腹膜播種がある場合には

免疫療法はオススメしません

(腹腔内投与を行っている施設もあります)

 

 

 

話を戻します

実際、スキルス胃がんに対しては

遺伝子や免疫だけで根治を目指すのは

かなり難しいと思います

 

標準治療を行わなくても根治可能

と宣伝しているところもありますが

 

抗がん剤を併用していない場合には

まず無理だと思った方が良いです

 

スキルス胃がんはそんなに甘くないです

 

 

当院でも裏メニューとして

腹膜播種がある患者さんには

腹腔内パクリタキセル+遺伝子投与

を行います(HPには載せていません)

 

全身的な副作用は少ないのですが

(特に腹水が少ないひとは)

パクリの刺激による腹痛がかなり強く

結構大変なのです…激痛です(汗)

 

 

今新しく導入したマイクロ波温熱は

腹膜播種にまだ試したことがないので

効果のほどは不明ですが

マイクロ波で腹水の温度が上がるので

温熱化学遺伝子療法になるでしょうか

 

原発巣や肝転移にも照射できるので

合わせ技としてもよいと思います

 

 

私だったらスキルス胃がんに対しては

抗がん剤+遺伝子治療+マイクロ波

(腹膜播種があれば)

+パクリタキセル・遺伝子腹腔内投与

こちらを提案します

 

それでも(延命は十分可能ですが)

根治する確率はかなり低いと思います

かつ、腹膜播種があるとさらに低い

 

 

 

難治性の膵臓がんの時に

こんなまとめをしました

 

スキルス胃がんも

膵臓がん並みに超難敵です

 

 

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