銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。
こちらの続きですが、二次治療は、説明がめちゃくちゃ難しいんです…
大腸がん診療ガイドラインを見てみると、こんな図が書かれています
これ見て理解できる一般の人と消化器以外の医者はほとんどいないと思います
モットワカリヤスイカキカタナカッタノカヨ・・・
ものすごく簡単にまとめるとこんな感じ
サイラムザ(ラムシルマブ)とザルトラップ(アフリベルセプト)は、アバスチンと同じ血管新生阻害薬できょうだいみたいなものです
アバスチンが一次でも使用できるのに対して、サイラムザとザルトラップは二次治療、しかもFOLFIRIとしか併用できない上に、アバスチンより高価ということもあり、あまり使われることがありません…
以下がここ数年加わった、遺伝子異常による新しい二次治療です
MSI-Hの場合は、キイトルーダを一次治療で使用すると、二次治療では同じような免疫療法はできなくなるので
一次 キイトルーダ
二次以降 オプジーボ+ヤーボイ
のどちらかの選択となります
また、BRAF変異があると二次治療でビラフトピ(BRAF阻害剤)+アービタックス(EGFR阻害剤)±メクトビ(MEK阻害剤)を使用することができます
HER2陽性だとハーセプチン+パージェタが使え、NTRK変異があるとロズリートレクかヴァイトラックビが使用できます
って、こんがらかってきたでしょう?
大腸がんの個別化医療(プレシジョン・メディシン)が進んできていて、現在、肺がんの次に個別化が多いがんとなっています
抗HER2薬に関しては2022年3月に承認されたばかりです
NTRK遺伝子変異があれば、ロズリートレクやヴァイトラックビも使えます
これらの遺伝子変異は、手術で切除した組織があれば可能で、もしそれが無い場合には血液による遺伝子パネル検査を行います
最初の手術から数年経っている場合は、新たに遺伝子変異が起きている可能性があるので、改めて血液で行うことをオススメします(最初の手術でRAS変異無し→三次治療でパネル検査を行ったらRAS変異陽性化というケースもあります)
これらの遺伝子異常が見つかる確率は15%くらいですが、二次治療や三次治療に加えることで、抗がん剤を先延ばしにできる、つまりより延命が可能になるので、絶対にやって欲しいです
★当院「銀座みやこクリニック」のホームページ”もぜひご覧ください★