亀供養
べっ甲の元となる材料はタイマイ亀という亀の甲羅ですが、天然(生き物)の素材であることからその命に感謝し、また供養する為に、二年に一度べっ甲職人たちにより「亀供養」という行事を浅草の浅草寺にある五重塔で経を上げ行っています。
その後は浅草寺内の伝法院の廻遊式庭園にある亀供養の石碑をお参りしています。(この庭園は現在は非公開となっております。)
もともとべっ甲の材料となるタイマイ亀は日本近海に生息している数が少なく、ワシントン条約により輸出入禁止となる前は、主に東南アジアやカリブ海で食用などとして捕獲された後の亀の甲羅を再利用してきました(べっ甲豆知識その⑦参照)。
その外国の材料を利用して伝統的な装飾品を作っている日本人が、自ら石碑を立てて亀供養をするというのは、いかにも八百万の信仰を持つ日本的な発想のような気がします。
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