あらためて、べっ甲基礎知識
【歴史】

べっ甲のかんざしに限らず、「和」の装飾品といえば、まず京都を思い浮かべる方が多いと思いますが、べっ甲製品においては長崎が発祥の地であり、その中でも和装小物の中心は東京(江戸)です。その昔、徳川の鎖国時代、長崎でべっ甲細工(置物等の工芸品が主)の技術が生まれ、その後、江戸幕府の大奥文化により江戸で櫛(くし)・笄(こうがい)・かんざし等の和装小物が花開き、その技術がさらに発達、洗練されて今日「東京の伝統工芸品・江戸べっ甲」となりました。

 

【種類】

べっ甲の種類は大きく3つに分類されます。全体的に黒色のものが「黒甲」、黒色と飴色が混ざったものを「茨布」(ばらふ)といい、全体が透き通った飴色は「白甲」といい、べっ甲の中でも大変希少で最も高価なものです。

 

【お取り扱い】

普段のお手入れは、眼鏡拭きのようなやわらかい布で優しく拭いて頂ければ結構です。多少目立つ汚れ等は、普通の固形石鹸を手で泡立て、優しく『ぬるま湯』で洗って頂くと綺麗になります。(べっ甲は熱に弱いため温度にはご注意下さい。)洗った後は、水気を取り、よく乾かしてからおしまいください。


おしまいになる場合は、必ず桐箱にお入れ下さい。べっ甲はお洋服等と一緒で、長期間そのまま放って置くと虫食いが起こります。桐箱自体に防虫効果がございますので、防虫剤を直接中に入れる必要はございません。ただ、長期間おしまいになる場合や心配なときは、桐箱の中ではなく、桐箱の近くにひとつ置いていただければそれで十分です。


また年に1、2度風通しをして頂ければ、なおさら宜しいかと思います。また、べっ甲は乾燥を嫌いますので、特に冬場など乾燥しがちな時期は、箪笥の中など適度な湿度があるところに保管して下さい。


べっ甲は保存さえしっかりとしておけば一生持ちます。また、誤って破損した場合でも、「水」と「熱」だけを使い「圧力」をかけて“圧着”し、ほぼ修理箇所も目立たず元通りに修復が可能です。ただし、破損した箇所が繊細な場所であったり、特殊な装飾、細工が施されている場合は“圧着”ではなく特殊な溶剤で“接着”修理をしたり、場合によっては、修理が出来ないことも御座います。

 

 

お手持ちのべっ甲製品で、汚れがひどくなった場合や、万が一破損してしまった場合は、当店にて仕上げ磨き、修理加工を承りますのでお気軽にお問合せ下さい。

 

 

 

 

 

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