よろしく ダーリン。♥♥~
~Secret Romance in Palace~
「では、こうされてはいかがでしょう。
女官はユンホ様の御体に安易に触れることはできませんが、
ジェジュン様なら当然のことですので、ネクタイを緩められたり、
ボタンを外すことを手伝っていただければ、その分早くお着替えができます。
さぁ、どうぞ、こちらに…。」
そう言って、ユンホと自分の間にさらに1人分のスペースを取るように
2歩ほど後ろに下がった。
ジェジュンが嬉しそうに笑いながら、
しかし遠慮がちにそろそろと近づいてくる様子を、
ユンホは呆れながら眺めた。
「…俺の着換えが2人がかりでするようなことか?
それに、なんで、ジェジュンだと当然なんだ…。
まったく…」
ユンホが、腰に手を当ててボソリとつぶやく。
チョン女官に、「遠慮なさらずに、さぁ、どうぞ」と
小声で後押しされたジェジュンがユンホの前に立つ。
ユンホの顔をちらりと見上げてから手を伸ばしてきた。
ユンホはハーッと息を吐くと、
諦めたように顔を上向け首を差し出した。
出かけに自分で結んだユンホのネクタイを今度は解く。
小剣を少し引いてネクタイの首元を弛めた。
ノットをゆるく解いてから小剣をシュッシュッと引きぬき解いていく。
「なんだか…、変な気分…。
あれだけ必死に結んだものを、自分で解いちゃうなんて…。
でも、なんだか…、これでやり遂げたというか、完結した気もします。
うふ。」
解き終えたネクタイを両手で握ったジェジュンが、
ネクタイについたシワを愛おしそうに一撫でしながら微笑む。
解いたネクタイをチョン女官に渡すジェジュンに、
ユンホも複雑な心境をつぶやく。
「俺だって、変な気分だ。
お前に脱がされていくんだぞ。」
「え~~、なんでですか~?
ただの着替えでしょ。
何もいやらしくないじゃないですか~。」
振り返ったジェジュンは、ユンホの言葉は気にせず、
今度はユンホのシャツの前合わせのボタンに手をかけ、
上から順に外していく。
腹のあたりに来た時、ジェジュンの手が止まった。
ズボンの中に入っている部分はどうしたらいいのだろう?
一瞬考えたものの、
すぐにジェジェンは、ユンホのベルトに手をかけて、
弛めようとバックル部分を両手で掴んだ。
しかし…、
我慢できなくなったユンホの方が、
ジェジュンの手を両手で上から押さえた。
不思議そうに見上げたジェジュンに、眉を顰めたユンホが言った。
「…やめろ。
ズボンまで脱がせる気か。
自分でやるから、お前はもういい。」
ベルトから手を引きはがされて、ジェジュンは不満げな声を上げた。
「え~~…。じゃ、他は?」
「他なんてない!」
「では、ジェジュン様、
お洋服を選んでくださいませ。
ユンホ様は、こう見えて、あまりセンスがよろしくないので…」
「チョン女官!
そんなことを考えていたのか!」
「あ…、申し訳ございません…」
チョン女官が肩をすぼめて頭を下げる。
が、その横で、ジェジュンが両手を胸の前で握りしめて、
くるりと小躍りしながら喜びの声を上げた。
「アッハ♡
わ~~!嬉しい!
僕、選びます! ユンホ様に似合う服!」
「待て!
もうこの後は、寝るだけだぞ。
外出するわけじゃなし、ただの部屋着だぞ。
わかっているのか、キム・ジェジュン。」
「分ってま~す!
それでも、嬉しいんです~ぅ♡」
そして、3回、選んだ服をユンホに却下された後、
やっと冷ややかに「OK…。」と言わせた。
つづく