(ごあいさつ)
忙しくしている間に、TREEツアーも始まってしまいました。
心配していたユノの足も、回復してくれたようで一安心ですね。
生で『Something』とか、『スリスリ』とか見れると思うと楽しみです。
あ~、でも、『Good-bye for Now』じゃ、泣いちゃうかもね。
執筆作業が滞ってまして、気を持たせたまま長らくお待たせしています。
私自身、どんなふうに話がなっていたかわからなくなって、
滞る度に、過去の掲載分を読み直すという作業をしています。
そのせいもあって書く作業がさらに遅くなってしまいます。
でも、遊ぶ計画も立てられなかったほど忙しかったおかげで、この連休中は、
書く時間が取れそうですよ。(姪っ子の襲来もないし。)
安寿子
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よろしく ダーリン。♥♥~
~Secret Romance in Palace~
ユンホが艶景殿に戻った時には21時を過ぎていた。
玄関ホールでチョン女官にコートを渡していると、ジェジュンが姿を現した。
まだ、寝る準備をしていないのか、普段着の上にユンホのカーディガンを着た格好だった。
「おかえりなさい。ユンホ。」
「ああ。 ・・・ただいま。」
ジェジュンに“ただいま”を言うなんて、
なんだか変な感じだと思いながらぎこちなく返事をする。
廊下を進み、ユンホの部屋に向かいながら、
ユンホの後ろを歩くジェジュンが話しかけてきた。
「夕食は済ませてきたんですよね。
何か飲みますか?
それとも、お風呂を先にします?」
「…そうだな…?
ああ、風呂はまだいい。
着替えてから、何か飲もうかな。
…っていうか、なんだ、この会話は…。
夫婦の会話みたいじゃないか。」
じわりと眉間にしわを寄せたユンホがゆっくりと振り返って、
ジェジュンを睨むと不機嫌な声で指摘した。
「えっ?
そ、そうですか?」
ジェジュンは、ユンホに睨まれているというのに、
思わずにやけてしまった頬を両手で挟んで照れ笑いを浮かべた。
すると、そのすぐ後ろでクスクスと笑う声がした。
2人が揃って後ろを振り返ると、笑う口元を手で押えたチョン女官が、
ユンホのコートや荷物を手にしたまま、恐縮したように肩をすぼめ、
「申し訳ございません。」と小さく頭を下げた。
ユンホの後にくっ付いたままジェジュンもユンホの部屋に入って行った。
「ユンホ様。お荷物は、どちらにお置きいたしましょうか?」
チョン女官が、コートを脱ぐときにユンホが預けた手提げ袋を持ち上げて言った。
「ああ、それは、こっちへ。」と、左手を伸ばしてユンホは受け取った。
表面をコーティングされたピカピカと光る黒い紙製の手提げ袋を机の上に置くと、
ユンホはスーツの上着を脱ぎ始めた。
チョン女官に、脱いだ上着を手渡しながら、視界の隅に映ったジェジュンに顔を向けた。
ソファーに座ることもなく、ユンホとチョン女官の近くに立って、
こちらを見ているジェジュンが気になり声をかける。
「なんだ? 俺の着替えが見たいのか、キム・ジェジュン。」
「ち、違いますけど…」
はにかんだジェジュンが恥ずかしそうに視線を落す。
着ているユンホのカーディガンの裾をもじもじと下に引っ張りながら
「…その~、
…出かける前には、ネクタイ結んだし、
帰ってからも、何かしたいなぁって思ったから…」
ジェジュンが白い頬をうっすらと赤くして、
小さな声で恥ずかしそうにつぶやいた。
思わず、見ているこちらまで恥ずかしくなった。
こちらの頬まで赤くなりそうな気がして、照れ隠しに、
“なにを男のくせに、もじもじと照れてるんだ、お前はー!”と、
突っ込みを入れそうになったユンホだったが、
恥じらうジェジュンの顔を間近でしっかりと見てしまい
逆に言葉に詰まった。
なぜなら…、
昼間、王妃が車の中で語った、“面接場面で顔を真っ赤にして
恥ずかしがっていた”というジェジュンの姿と重なったからだ。
一緒に暮らすようになって、何度も目にした表情なのに、
この瞬間に限って違って見えた。
ジェジュンが、長めの前髪の隙間から、
伏せていた視線を上げて、上目づかいにユンホの顔を見つめる。
はにかんで笑ったピンクの唇から白い歯がのぞく。
心臓が、バクンっと大きく打った。
今までにも、ジェジュンに抱き付かれたり、間近で目が合った時に、
何度もドキッとすることがあったが、それとは、違う胸の動悸だった。
いきなり、目の前のジェジュンの顔が
言いようもないほど“かわいく”見えてきた。
ユンホは焦った。
まさかこんなタイミングでドキリとさせられると思っていなかった。
いくら、キム・ジェジュンが男のくせにきれいな顔だとしても、
男にこんなふうに“ドキっとする”なんておかしいだろ!
目の錯覚だ!勘違いだ!
しっかりしろ、ユンホ!と、心の中で自分に突っ込んだ。
「っ…」
ジェジュンに言い返す言葉も出ないまま、
じっとジェジュンの顔を見つめてしまう。
そうなると、ジェジュンの方が、
不思議そうにユンホの顔をじっと見つめ返してきた。
2人が、黙って見つめ合っていると、
わずかにできた沈黙を破るように、
チョン女官が晴れやかな声で申し出てきた。
その声で、ユンホは一気に正気に返った。
つづく