「話すことを諦めています」 | 元岐阜場面緘黙症親の会代表☆場面緘黙、不登校、LD

元岐阜場面緘黙症親の会代表☆場面緘黙、不登校、LD

三姉妹の母です。
小学校入学直後から4年まで続いた不登校、登校拒否を克服、高校でパワー全開、成人した今は夢に向かって爆進中!
活動してきた場面緘黙親の会は閉じましたが、今もマイペースに動いてます。
日々の気付きを大切にしていくためにブログに綴っています(^ー^)

あなたは心のなかに

すごい力を持ってるよ!

今はうまく出せなくても

必ず出せるようになるからね!

しかもね、今うまく出せない分

むしろ、みんなよりすっごいパワーを

持ってるんだからね!!!


これは私が子供に伝え続けてきたメッセージです


以前、小学生のお子さんをもつ

あるお母さんがこんなことを言いました

「私はもう話すことは諦めてるので」


私はこう伝えました


お母さんが諦めてしまうと

そのお子さんはこの先話すことや

成長することは難しくなりますよ。

だって、諦めの心を持っていたら

そういう言葉しか子供に言えなくなりますよね

「この先もう話すことが無理」

ということを前提にしたメッセージしか

子供に送れなくなるからです


子供には(人には)

無限の可能性があります

いろんなことに挑戦して

いろんなことができるようになるんです


「今は話すことは苦手かもしれないけど、これから先あなたには、いろんなことができるようになるんだよ。いろんなことに挑戦して、自分にできることをたくさん探していこうね」

と前向きな言葉をたくさん与えて欲しいのです


こういう言葉を掛けることが

はばかられると感じている人のなかには

「余計な希望を与えちゃいけない」

と思っている人がいるかもしれませんが


子供の可能性を否定することはできません

それは親にだってできないし

親だからこそやってはいけないと思います


子供の成長に大切なのは…子供が

自分には何でもできる!

いろんな可能性が自分にはある!

だから失敗してもいいから

なんでもやってみよう!


という強い気持ちを持つことです

子供がそう自分の事を信じていることです

そこには障害なんて全く関係ありません

まさに、自信と自己肯定感です


これは場面緘黙の改善に

とても大きな影響を与えるものです


「もうこの子は話すことは無理」

「この先もずっとまともに生活することができないという思いを持ちながら

子供に前向きなメッセージを送ることはできません


ただ、今の子供のありのままを受け入れる

ということは必要です。

なので、やみくもに「話せるよ!」ということを伝えるだけでは今話せない子供にプレッシャーを与えるだけなので、それには注意が必要です。

なので伝えるときには「話せるようになる」というストレートなメッセージよりも、「話すことが苦手でも」と言う表現で、いろんなことができるようになるんだよ、というメッセージのほうが柔らかいかもしれません

私は子供に伝える上で、言葉の細かなところにもいろいろ注意を払ってきました。

「今は話せないけど…」というと「話せない自分」を子供のなかにイメージして植え付けてしまいそうだったので「今は話すことが少し苦手かもしれないけど」とか「今は力(気持ち)を外に出すことがなかなかできないかもしれないけど…」と表現を工夫して伝えてました。


とにかく「○○できない」と言う否定的なメッセージは絶対に伝えたくないと思って接してきました。


その結果、娘に芽生えたのは

とてつもなく大きな「自信」です

しかも「根拠のない自信」なのです


後で知ったのですが

この「根拠のない自信」が

実はとっても大事なんだそう…


「やってみる!なんか分からんけど

できる気がするもん!」


てやつです。

これ、自分がこれまでやったことのないことに挑戦することきに、とっても大事な気持ちなんです。


まさに緘黙の子にもってもらいたいのはこの気持ちです!


いろんなことができるようになるよ。

何でもできるようになるよ。

というメッセージは嘘ではありません

でたらめでもないです


お母さんが信じて

子供がそれを信じて自信を持てば

それは本当になります

なんか分からんけどできる気がするでやってみる!失敗してもまたやればいいもんね!

の気持ちと、行動を産み出します



「五体不満足」の乙武洋匡さんのお母さんが、

生まれた手足の無い我が子を見た瞬間に

「何てかわいい子なの!」と言ったのは有名な話

ですが、このお母さんが、乙武さんに小さな頃から伝え続けた言葉があります。


「あなたはなんでもできる子なのよ」


という言葉です

手足の無い子供に対してこの言葉を言える母親って本当にすごいと私は思いました。


でもこのお母さんは、我が子が

障害に関係なく「素晴らしい子だ」と

心から信じていたんです。


そう信じてたから

子供に希望のメッセージを心から

与え続けることができて

乙武さんはそれを信じて自信をたくさん心のなかに抱いて、様々なことに挑戦しいろんなことができるようになりました


たくさんのことに挑戦して

今は装具を着けて二足歩行までしてますよね!


悲しいけれど、我が子が

何かしらの障害をもって生まれた瞬間

絶望して、人に見せることもできず

この子はなにもできない子

私が一生面倒を見ないといけない子

として介護をしながら

一生を終えてしまう人もいます



同じ境遇を持ちながら

「何て素敵な子!この子には何でもできる!」

と親が思って育てるのか

「この子には一生なにもできないわ」

思って育てるのか


大きな違いだと思いませんか?


場面緘黙の子と四肢欠損のある子

そもそも違うやん?

と思われるかたもいるかもしれませんが


場面緘黙の子でも

四肢欠損のある子でも

目の見えない子も

耳が聞こえない子も

そして、健常児でも


これはみんな同じだと私は思っています。


ただ、場面緘黙児がこれらのその他の子達と大きく違うのは「不安が大きい」と言うことです。自己否定の気持ちも大きいです。

なので、ある意味その他の障害をもつ子よりも「自信や自己肯定感」を持たせることは難しいかもしれません。


でも、難しいだけで、

持てないことは絶対にありません。


だからこそ、お母さんの希望と

「何でもできる素晴らしい子」と

心から信じる気持ちが



何よりも、何よりも

重要なんです。


何よりも何よりも

その子の成長の糧に

なるんです



今一度、お子さんへの自分の気持ちを

振り返ってみてください


話せないから、動けないから

あれもこれも、なにもできない子

この先もできない事がたくさん出てきて

とても大変な想いをする


と思って接していませんか?


今は話すのは苦手だけど

たくさんのパワーが心のなかにあって

それが今はうまく出せないだけで

それがこれから少しずつうまく出せるようになっていって、そしたらいろんなことができるようになる、たくさんの可能性を持ってる子なんだ!




前者と後者

どちらの気持ちを私たちが

持っているかで

子供に発する言葉は大きく違います

子供に伝わるメッセージも

大きく変わります


明るく前向きな言葉と共に

明るく笑顔で隣にいてくれる

お母さんの存在が何より大切です。


例え大きくなっていても、本人に「話したい」と言う強い気持ちが芽生えたときには、適切な支援により話せるようにすることが可能であると、高木先生はおっしゃっています。逆に言えば、話したいと本人が思わない限り、それは難しいとも言えます。

本人に話したいと言う気持ちを芽生えさせるためにも私たちの声掛けはとても大切です。


少し、強いメッセージも含まれていますので、心が痛んだ方もいらっしゃるかもしれませんが、どうしても今皆さんに伝えたいことを私なりの言葉で伝えてみました。


【追記】

1つ思い出したことがあります。

皆さんご存じのヘレン・ケラー。

舞台でも「奇跡の人」と言う題名でお馴染みですが、恥ずかしながら少し前まで私は大きな勘違いをしていました。

「奇跡の人」って、「見えない・聞こえない・話せない」の三重苦を克服して人生を切り開いていったヘレン・ケラーのことではなく、そのヘレン・ケラーを育てた、サリヴァン先生の事だったんですね。深く深く納得させられました。

私はヘレン・ケラー本人の事だと思っていたのです。でも、育てる側のサリヴァン先生の事だったなんて…大きな感動を覚えました。

今回の私の話との繋がりを感じていただければ嬉しく思います。