日本の世界への経済的な影響力が下がり続けている。むかしは、日本のASEANへの投資や援助は世界トップ水準と習った気がする。今や米中との差は歴然と成りつつある。う~~ん。仕方ないことなのか…


なんとか日本の良さをアピールして、世界に売り込みをかけて行きたいところですね✨脱炭素、教育、文化…きっと探せばまだまだ日本の良さを売り込む手段はある筈。


東南ア貿易、日本のシェア20年で半減 米中に劣後

ASEAN外相会議 脱炭素で関係再構築

日本経済新聞 朝刊 政治・外交(4ページ)

 【ビエンチャン=藤田祐樹、馬場加奈】東南アジア諸国連合(ASEAN)は25日、ラオスの首都ビエンチャンで外相会議を開いた。日中韓米も加わる関連会議を27日まで開く。日本は政府開発援助(ODA)などを通じてASEANと信頼を築いてきたものの、20年で貿易シェアは半減し経済的な影響力の低下に直面している。

 上川陽子外相は26日、日ASEAN外相会議に出席する。23日の記者会見では「共に地域や世界の平和と安定のために貢献する将来を目指す」と述べた。

 南シナ海や東シナ海で海洋進出を強める中国を念頭に、公海における航行の自由など国連海洋法条約の順守を呼びかける。ミャンマー問題といった地域情勢を議論する。

 日ASEANは2023年、正式な協力関係を結んでから50年の節目を迎えた。同年12月に東京で特別首脳会議を開き、対等な立場で地域の経済と社会を共に作り上げる「共創」を新たな目標に掲げた。

 日本は戦後続けてきたODAを通じて、交通やエネルギーなど質の高いインフラの建設、提供で各国の信頼を得てきた。

 シンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所がまとめた24年のASEANの有識者への意識調査によると、日本を「信頼できる」と回答した人は58.9%と主要国・地域で最も高かった。米国、欧州連合(EU)の4割台や中国の24.8%を大きく上回った。

 一方経済面で最も大きな影響力を持つ国・地域を尋ねた質問では、中国が6割と最多だった。米国は14.3%、日本はわずか3.7%だった。

 ASEANの貿易額に占める日本のシェアは03年の13.6%から23年は6.7%と20年で半減。中国は7.3%から19.7%と3倍近くに増えた。

 ASEAN事務局が7月にまとめた23年の域内への直接投資額は暫定値で前年比0.3%増の2998億ドル(およそ45兆円)と過去最高となった。このうち日本からの投資は前年から4割減の145億ドルと国別では米中に次ぐ3位にとどまった。

 長年の蓄積で築いてきた優位性も脅かされている。例えば東南アジアはトヨタ自動車をはじめとする日本車が高いシェアを誇ってきたが、最近は中国の電気自動車(EV)の普及が進む。タイでは中国の比亜迪(BYD)などが参入し、中国車は全体の1割ほどになった。

 タイのセター首相は「日本企業は新分野への投資に積極的ではない」と指摘し、更なる投資を呼びかける。タイ政府はEVや脱炭素技術を育てるため、税制優遇措置などを講じて日本に投資を促す。

 高い経済成長が続くASEANでは電力需要が急増する一方、各国が環境対策に悩む。脱炭素技術の導入や気候変動対策は今後の日ASEAN協力の柱になり得る。マレーシアのアンワル首相は「教育、研究、技術交流で協力を拡大したい」と話す。

 日本は経済支援だけでなく、23年度からは同志国に防衛装備品などを無償で提供する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を創設した。

 中国による威圧的な行動に直面するフィリピンのように日米との安保協力を深める国がある一方、加盟国の間では「米中対立に巻き込まれたくない」との意見は根強い。安保を前面に出した支援だけでなく、日本自身が経済力を高める努力も欠かせない。