銀魂夢小説 君の手を引く夏祭り[リクエスト] |  ★...銀の侍 銀魂夢小説...★ 

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愛を込めて夢小説書いてます! 

駄文です。更新率も低めです。リクエスト夢小説がほとんどです。

拙い文章ですがお付き合いくださいませ!


みなさんこんにちは!
私は元気です。

最近は宣伝のコメントが多くて少し迷惑しているのですが、なんとかなりませんかね。

さて、今日はもあさんのリクエスト!沖田くんの夢小説です(*´▽`*)

夏っぽく!夏祭りで!3Zです!わっしょい!

主人公は もあ ちゃんです。読んで下さる方だけどうぞ~!







夏祭りが近い。自分は柄にもなく少しだけ焦っていた。
夏休みは二日後に迫り、晴れ渡るような空が教室の窓いっぱいに広がっている。

どうしたものか。

今の俺は胸の鼓動を体感するほどに緊張が走っている。
夏休みに入って直後の夏祭り、俺はそれに誘いたい女がいた。

授業中、そいつを盗み見ては誘い文句を頭で反芻し、そのたびに心臓は高鳴る。

――もあを、彼女に。

それが今年の夏、いや夏祭りの目標である。

――初めて好きな人ができた。

もあ。別に普通の女子であることは変わりないが、あいつはいつも笑ってた。

面白半分で近づいた俺は、見事に心臓を撃ち抜かれるほどに、その笑顔にやられていた。

溌剌とした笑顔というよりは、花が開くような笑顔だった。

俺に優しく微笑んだ。目じりを下げて、小さく声を漏らしながら笑う。

何をするにも、変わらないその笑顔。

とび抜けて美しい顔をしているわけでもない。されど、見ていたくなるような無邪気さ。

傍に居たい、守ってやりたい。そう思うには十分すぎるほどに、可愛らしいと思った。



*



「……な、なぁ」

帰り。教室から次々と人が出ていく中、俺はもあの肩を叩いて、彼女を引き留めていた。

心臓が締め付けられる。動悸がどんどん早くなり、呼吸は薄い。

顔は見れなかったが、もあが俺の顔を見ているのは分かった。

「どうしたの?」

「あ、……な……夏祭り、一緒にいきやせんかィ」

「えっ?」

「べ、別に強制じゃねーし、嫌ならいいですけど、」

「ええっ……! えっと、二人で?」

「お……おう」

「え、えっと……? ……お、沖田くんがいいなら、いいよ……?」

俺はその言葉にぱっと、もあの顔を見た。

遠慮がちに目を伏せながら少しだけ頬を染めて、そしてふわりと笑っていた。

俺はその表情にもやられた訳だが、嬉しさににやりとしそうな顔をかみ殺す。

これは、……俺に脈ありなんじゃねーか?

「あ、誘ってくれてありがとう……! じゃあ、またね!」

「おう」

そう言って去っていくあいつに手を振った。

気づいたら右手で軽くガッツポーズをした俺はすぐに我に返り、部活に向かった。


*


気づけば夏祭りの当日である。最寄りの駅で待ち合わせをしていた。もあの姿はまだ見えない。

せっかくの祭りというわけで、浴衣を着ようという約束を取り付けたわけだが、なかなか暑い。

俺は片手に持った団扇をぱたぱたと仰ぎながら、適当な壁に寄りかかっていた。

――早く来ねぇかな……。

心なしか周りの視線が痛いくらいに自分に刺さっていた。

駅だから人込みで溢れるのは分かるが、かなり居づらい。

なんだってんだ、この見られてる気持ち悪い感じ。

「おにーさん、暇してるんならあそぼ?」

うんざりしている俺の心情をさとれるはずもないのは分かっているが、近くに居たどこぞの女が話しかけてきた。

俺は今すこぶる機嫌が悪い。もあが早く来ないか目を張るだけで忙しいってのに。

要するにこの女のタイミングが悪かっただけだ。

「あー……俺?」

「そうそう! 待ってても来ないんでしょ? だったら」

「生憎てめーみたいなメス豚と遊ぶ時間はねェんで。あぁ、俺と遊びたいんでしたら全裸に四つん這いで靴でも舐めさせてやるぜィ? すまねーが、別の日で頼んまさァ」

俺はそう吐き捨てた。目の前の女は表情を固めて口元がひきつっている。

ため息を一つ、俺はその場で待つのを止め、別の場所へ移った。

別に俺は悪くねェ、この女が悪ィ。いや、言うなればこんなに俺を待たせている、もあ。

さて、あとでもあに詫びさせなきゃならねーなァ。

この女を火種に抑えていた俺のS心が目覚めてきた。

そんなところで後ろから下駄の足音が追いかけてきた。もしかして――

「お、沖田くん! ごめん! 浴衣の着付け一人じゃうまくできなくて時間がかかっちゃって」

桃色に花の花弁が散りばめられた浴衣に、結いあげられた髪。いつもと違う、この感じ。

「……可愛い」

「えっ」

Sっ気は一瞬で冷めた。


*


もあの手を引いて屋台が多く出ている広場に入る。

手を引いたら一瞬驚いていたようだが、大人しく繋がれている。

振り向いてもあの顔を見れば、また笑っていた。

少しだけ頬を染めて、照れたように首を傾げた。

柄にもなく俺は手を離したくなくて、わざと人込みの多い場所に彼女を引っ張る。

「あっ、待って沖田くん」

思惑通り彼女は離れないように握り返してきた。

小さい手のひらと細い指が、俺の手のうちにあると思うだけで幸福感に胸が詰まる。

「何か食いやすかィ?」

「えっと、そーだなぁ……かき氷?」

「へい、じゃ行きやしょう」

手を繋いでいるだけでこんなにも。俺にもこんなふうに思うことあるんだと、逆に驚いていた。

浴衣は袖同士がよく擦れ合ってしまうせいか、もあが近くにいることを強く意識させた。

にぎやかな祭りの中、目に映したいものは彼女だけだった。

――もあの目にも、俺だけが映ればい。

「もあ」

「んー?」

「好きな奴とか……いる?」

「え?」

「……いや、この際どーでもいいか」

「へ? え?」

「――ちょっと、来てくだせェ」

俺の言葉が祭りの賑やかさに打ち消されているらしく、上手く聞き取れないらしい。

必死に耳を傾ける仕草も愛しくて、俺はまた彼女を手を引いて人の少ない道に出た。

「どうしたの?」

もあは立ち止まって、俺を覗き込む。どうしたらいいんだ。

勢いで出てきちまったけど、今言っていいんだろうか。

分かんない、でもフラれたらここで彼女との祭りも終わりだろう。

だったらやっぱり最後に言った方が――――

「沖田くん、浴衣……すごくかっこいい」

え。

「え、あ、お……う」

思ってもなかったこと言われて、一瞬告白のことなんて吹っ飛んだ。

かっこいいって、おい、え、まじか。

嬉しさが胸んところまで込み上げてくるのをひた隠しに俺は視線を明後日の方向に向けた。

やべぇ、なんて返したらいいかわかねぇくらい、かなり嬉しい。

「あ、あのね、さっき女の人が沖田くんに話しかけてたでしょ?」

「あ、ああー……見てたんですかィイ」

さっきのメス豚。見られてたのか。会話聞き取られてねーかな。

聞かれてたら終わるんですけど。

「何話してるのかわかんなかったけど、沖田くんが私を置いて行っちゃうのかなって不安になったりなんかして、たんだ……けど、……、でも行かないでくれて安心したの」

ラッキーだ、聞かれてない。よし、まだ望みはありまさァ。

「いや、俺が待ってたのはもあでさァ。当たり前でィ」

「そ、それとね! 手も繋いでくれて、すごく優しいなって思って……」

「あ、あぁ」

「沖田くんの方から話振ってくれるから空気も重くならないし」

「そらーよかったねィ」

「ほかにも……――」


待ってくれ。

気づいたら俺どんどん恥ずかしくなってきたんだけど。

やばい、これは逆に言えねェ。

告白って感じじゃねェ。

もあの顔が見れねェ。

こんなに褒められまくられるとは思ってなかった。

本気でどうしたらいいか分からなくなったとき、また彼女は俺を困らせる。

「目を合わせてくれないときって、……照れてるから、かな?」

「っ」

その瞬間俺は思ったよりも驚いて、思わず彼女の顔を見てしまった。

きょとりとしていて「当たりかなー」なんて呟いて、もあはクスクスと笑い始めた。

本当にいつの間にかやられまくってる。

どうにも自分がコントロールできないくらい、惚れちまってるみたいで調子が悪くなる。

いつのまにか見透かされていた事実にも、浮かれちまって。

「お前、ほんと、……俺なんて反応したらいいんでさァ」

お前が可愛すぎて。

「え、ごめん、困らせちゃった?」

「い、いや……ちげー……いや、違くねェけど……急に褒め始めるし……」

どうにもこうにも、どうしたらいいかわかんねェんです。

「あ、そっか、えっと、なんかごめんね」

「好きでィ」

「……はい?」

「付き合わねーか、俺たち」

俺は精一杯の恥じらいを腕の力に代えて、もあの腰に手を回して引き寄せた。

鼻がくっつくほど顔と顔を合わせて、胸元にあたるもあの鼓動を感じながら、見つめた。

「お、沖田くん……っ?」

今、もあには俺しか映ってねぇはずだから。

「もあは、俺のことどう思ってんでィ」

聞かせてもらうしかない。

「ど、どうって……!」

「好き?」

「…………っ……」

真っ赤な顔がこくりと頷いた。


俺の口元が自然に緩んで、今まで照れるのを隠してきたことも忘れて強く抱きしめた。

ぎゅうっと抱きしめると、彼女の体の小ささと柔らかさが直に伝わって心地良い。

ていうか、これは、やばい。

「お、沖田くん、苦しい」

「キスしていいかィ」

「えっ、ええっ」

「拒否権ねーけど」

「ええっ――」

奪った唇。柔らかい感触。緊張で強張るもあの体。

本当に可愛い。あー可愛い離したくない愛しい。

俺はキスしたままもあの首や耳や頬に触れて、その度に少し身をよじる彼女。

くすぐったいらしくて声を漏らすのを堪えているのが分かって、ここに来て初めてS心をくすぐられた。

「ククっ、耳と首、弱いんですねィ」

「っ、……んぅ……や、やめ、っ~~!」

上手く逃げられないのは承知の上、もあの恥ずかしそうに嫌がる表情が堪らなかった。

「も、もう! 怒るよ!」

「へいへい」

そんなやり取りをして、またキスをして、夏祭りを終えた。

柄にもなく幸福感に満ちたわけで、俺は帰り道――思い出し笑いを噛み殺すのに必死だった。



end



最後の駆け抜け感に、微妙な終わり方。私の疲労感が伺えますでしょうね。

すいません、力尽きました(笑)

夏祭りに誘う過程を書いたから長く感じてしまったんですかね。

んん、優しい沖田くんを書きたかったんですけど、やっぱり意地悪なS感も欲しかった!

そんなわけでこんな仕上がりです。

推敲はしてません! 誤字脱字稚拙表現、見逃して!笑

もあさん、リクエストありがとうございました~(*´▽`*)

↓最後に一発よろしくお願いします!

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