“銀次の会”ブログをお読み頂いている皆様、
今年もよろしくお願い申し上げます。
皆様にとっても、猫たちにとっても
佳い年になりますよう祈ります。
そして行動して行きます。
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年初に、過去に銀次の会から支援実績のある
(現在は中止)とある団体のブログを読みました。
たった一人で100匹近くもの猫の
お世話をしておられたのかということと共に、
その後のブログでの収支報告で、
私はその高額な医療費に驚きました。
それを支えて来た方々には敬意を表します。
しかし、飼育環境を公開しない方針は問題です。
閉ざされた空間で猫たちがどんな生活をしているのか、
支援者は知っていいはずです。
そこから別の手を差し伸べることもできると思うのです。
2014年以降、“銀次子分の会”前代表だった娘のIZUMIは
何度もシェルターに立ち入ることを要請して来ましたが
頑として受け入れられませんでした。
ずっとできていない収支報告も手伝いたい、
シェルターでの猫たちのお世話も手伝いたいと
ずっと申し入れ続けていましたが、
願いがかなう事はありませんでした。
保護猫たちは、人慣れして
里子に出て行く訓練をしなければなりません。
たった一人で100匹の面倒をみるということは、
24時間寝ないでお世話をしたとしても
1匹にかけられる時間は15分たらずです。
その中に重篤な猫がいればその看護に時間を要し、
病院に通ったり付き添ったりする時間も必要です。
だからといって保護主が睡眠を取らなければ
猫たちのお世話の前に自身の健康を害してしまいます。
実際に1匹あたりにかけられる時間は
もっと少ないはずです。
そして、たった一人で100匹もの猫たちの命を預かり
シェルターにボランティアも受け入れないということは
そのたった一人の保護主に何かあったとき
保護猫たちはどうなるのでしょうか?
もし急な病気や事故で入院にでもなったら?
お手伝いすらしたことのない誰が、猫全頭の状況を把握し
細やかなケアができるというのでしょう?
一人暮らしの里親さんには、何かあったときのために
1匹の猫の譲渡にも保証人や後見人を複数人要求するのに
100匹の命を預かるシェルターがたった一人でバックアップもない。
そんな状況はとても心配です。人も猫も大変です。
支援をする側も、その支援先で保護されている動物たちが
どのような飼育環境に置かれているのか、
現状を確認したり、想像すべきだと思います。
ブログをお読み下さる皆様、もう一度
福島の“どうぶつ”に目を向けて下さい。
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銀次の会では
「福島の原発事故による被災猫は確実に減って来ている」
という現状を見るために、昨年、代表である私も初めて
飯舘村での給餌活動に参加させて頂きました。
私は、活動の中心を担っておられる
日比輝雄さんの車に載せて頂き、
数カ所の給餌ポイントを廻りました。
人の気配にさっと逃げる猫、
だれかきたー!とうれしそうに尾を振って待つ犬、
どちらも何とも言えない切ない気持ちになりました。
日比さんご自身も年齢とともに体力の衰えを
強く意識しておられますし、実際病院にも通っているのです。
今年中に何とか被災猫を保護して
現在の活動に区切りをつけたいと考えておられます。
残された猫たちは50余匹とのことです。
すでに昨年から保護に乗り出し、
数頭は個人ボランティアさん宅で預かっています。
そこで今、もっとも必要とされているのが
保護猫の預かりボランティアさんです。
その先はもちろん里親さんです。
新しい家族のもとに送り出すまでの間、
お世話をして下さる方が必要です。
お願いします! 一人の人に負担を強いるのではなく、
多くの方が分担して成し遂げる、これまで銀次子分の会、
そして銀次の会が目標としてきたところです。
被災猫の保護活動に区切りをつけるための
今年の集中保護活動には、預かりボラの存在が欠かせません。
シェルターはどこもすでに大幅に
キャパを越えてお世話をしておられます。
新たに預かりボラが増えなければ、
今年中の集中保護はかないません。
どうか一人でも多くの方にこの事実を広めてください。
預かりボラの経験のある方はぜひご協力をお願いいたします。
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昨年は“ぶさねこ堂”手芸部の方々の強い想いが
様々な作品のご寄付になり、そのチャリティグッヅを
多くの方が購入して下さいました。
仁義箱へのご寄付、二度のチャリティーバザー、
石黒亜矢子さんのご協力による、すず団扇の販売等、
飯舘村の被災猫保護活動に大きな弾みを頂きました。
また、保護猫の譲渡会は
希望するすべての猫たちに開かれています。
銀次の会の支援条件に合わない団体・個人であっても、
譲渡会への参加は可能です。
銀次の会は今後も“たてむすびの会”主催の
『福島の猫の譲渡会』に協力して行きます。
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最後に私から、皆様にぜひ読んでいただきたい
コミックを紹介させていただきます。
『しっぽの声』(小学館・刊)
原作: 夏 緑 作画: ちくやまきよし 協力: 杉本 彩
https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091897039
現在、3巻までコミックスが発行されています。
紙の本でも電子書籍でも購入することができます。
繁殖業者、生体展示販売、引き取り屋、殺処分…等々
“ペット流通の闇”に取り組んだ作品で
犬や猫を取り巻く過酷な現実が描かれており
見るだけで和む犬や猫の写真集でもなければ
くすっと笑ってしまう楽しい漫画でもありません。
それでもおすすめしたいのは、一人でも多くの方に
ペットを取り巻く状況を知っていただき
ペットショップで命の売り買いをするのではなく
保護動物の里親になるという選択肢があることを
改めて心にとめていただきたいと思うからです。
里親になることができなくても、
預かりボラやシェルターのお手伝い等
できることはあります。
ボランティアも金銭的な支援もそのひとつですが、
どこへ、なぜ、支援するのか?
本当にどうぶつたちのために役立っているのか?
自身でリサーチし、考えることが重要ではないでしょうか。
長くなりましたが、銀次の会にお寄せいただいたご寄付は
主に今年中の飯舘村被災猫の保護活動を支えるために
使わせていただきたいと考えております。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
銀次の会
代表 村守 惠子