Dさんは、アメリカ東海岸在住のアメリカ人で、大変インテリである。
夫とは、本当に長い間、一緒に働いた後輩であり、親友であった。
私はこれまでに数回会い、結婚式にも呼んでもらったことがある。
さて、ICUからメールを送った私に、Dさんは葬儀の前日、国際電話をくれた。
1週間後にまた電話する、と言われた。
その後、アメリカでの手続きを買って出てくれ 、Bくんと手早く役割分担をしてくれて、3人で、メールやZoomでの業務連絡が始まった。
だが、私には、時々メールが別に来て、今度二人で、Zoomで話そうと言われていた。
実のところ、インテリのDさんの使う英単語は難しめで、直後の頃の私は特に、人と話していても、集中力も理解力もなく、
日本語でもややこしい手続きについて、英語でやる自信がなかった。
でも、Dさんの前で、ちゃんとして、いい格好していたい気持ちもあり、頑張らないといけないと感じていた。
一体、二人だけで、何を話したいんだろう。
少し逃げていたが、葬儀から3週間ほど経ったある日、Dさんに日程調整をしてほしいと言われ、2人でZoomで話すことになった。
ドキドキ。
日本語でも、実際、人の話は聞いても上の空なのに、英語嫌だなー。
そう思いながら、PCの前に座った。
懐かしいDさんと、Zoom越しに笑顔で会った。
少し話してから、本題に入るかのように、一瞬、Dさんが真顔になった。
「生活費は、足りているのか」
私はガツンと後頭部を殴られたような気になった。
頭で日本語に転換したので、元の英語を忘れたが、こんなニュアンスだった。
足りてます、大丈夫です、と返事しながら、
これか!
これがDさんが、2人だけで顔見て確かめたかったことか!
と、やっと理解した。
カッコいいねーー、Dさん!
私の夫もカッコいいよ、こんな後輩がいて。
もし足りないと言ったら、Dさんはどうするつもりだったのだろう。
先輩の残した妻のこと、しばらく面倒見る覚悟でも、あったというのか?
(解説しますと、アメリカの銀行口座は政府によって半年間閉じられ、裁判を経て妻に渡されます。なので、通常は、生活費に困っていたとしても、最長半年間の援助で、返ってくるだろうとの算段だったと思います。目下、コロナの影響で、長引いています。アメリカに住んでいてうっかりしていたら、今頃本当に大変だったかもしれません。)
Zoomを終えて、興奮気味に、夫に話しかけた覚えがある。
今日ね、Dさんが、こんなこと聞いてくれたよ!
カッコいいね!
いい友だちいて、良かったね!
それから、D さんは、
You can lean on me.
(「僕を頼っていいんだよ」の最上級)
とも言っていた。
こんなにベタに、インテリがleanを使うとは。
leanは、寄りかかる、もたれかかる、すがる、頼りにする、といった意味で、高校で習うレベルの単語だが、これまでの日常生活で、誰かから言われた記憶はない。ドアに寄りかからないでください、など物理的な意味で使う方が多かった。
全く、夫もDさんも、大したものだ、と、泣きながらも、感心したものだ。
あれから、2か月。
2年くらい経ったような気がする。
長い間だと思ったけど、まだ、あれから2か月なんだなあ。
私は一体、どこまで強くなるんだろう。
元々強くて、それでも強くならざるを得なくて、今回、まだまだ強くなりそうな予感。
強さに上限はないのかね。
一通り行ったら、か弱い乙女に戻るとか、なんかそういうの、あったらいいな。
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これを書いてから、3か月経っているが、
せっかく書いたのでアップすることにした。
今はこの時より、余裕がある。
もう強さの度合いはこんなもんかな(笑)
見ててね、あなた。
私はこれからもしっかりと生きていく。