寝つきは相変わらず悪いものの、昼間の通勤が始まったことも相まって、
比較的、規則正しい生活リズムを心がけることができている。
大きな理由の一つは、
風呂入れ爺さんが出るから。
年を取るにつれ心配性になるというが、夫もそれにたがわず、
私が夜10時までにお風呂に入らないと、
それはそれは心配していた。
晩年は、夜更かしを楽しもうとしている私のところへ来て、
風呂に入ってくれないと僕はもう…と
悲痛な顔をして、拝むように頼まれていた。
なぜそこがそんなに気になったのかはわからないが、
彼は毎晩、私をお風呂に入れることに必死になっていた。
いつもお風呂を沸かしては、お風呂できたよーと呼びに来てくれていた。
専業主夫の、一日の最後の仕事だったのかもしれない。
懐かしい。
今でも、10時を過ぎると、
非常に罪悪感を持つ。
彼の命を守れなかったことに対する自責の念とは違い、
この罪悪感はすぐにぬぐえる。
言われなくても風呂に入ることは、できる。もう大人やし。
だから、10時になると、
あかん、あかん、風呂入れ爺さんが出る。
入ってあげないと心配する。
これくらいは、彼のためにしてあげられる唯一といってもいい、
私にできること。
彼は朝シャワーの人で、私は夜風呂の人だった。
彼は、朝、シャワーを浴びないで仕事へ行く私を、
汚い、信じられない、とからかった。
先に言ったのは彼だ。
私にしてみたら、夜お風呂に入らないでベッドに入れるのが信じられない。
彼は、大変心外だったようだ。
お互い、笑いながら、
相手を汚い、自分はきれい、と言って、
文化の違いを楽しんだものだった。
そこが違うおかげで、彼も私も、
お風呂タイムは自分一人で、悠々と独占できた。
私があまり長風呂だと、溺れていないか心配して、
見に来てくれていたな・・・
