京大よお前もか~理系女子枠設定の是非【後編】 | 理系女子の難関大受験記&親父のつぶやき

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今回の理系女子枠設定、元はと言えば、諸外国に比べ日本の女子の理工系研究者が極端に少ないことに危機感をもったことに端を発しています。

 

事実、2021年時点で自然科学系、工学系の大卒・院卒の女性割合はOECD加盟国でともにビリッけつです。
 

 

 

この議論は、今に始まったものではなく数十年前からありますが、遅々として進まない理工系女子比率に業を煮やしての「女子枠設定」という荒療治だと私は理解しています。

 

まずは、高校3年生の文系・理系比率、どうなっているかご存知でしょうか。

 

【男性】理系42%:文系58%

【女性】理系23%:文系77%

 

 

 

 

この割合は文理の履修コース割合なので、受験時までに文転している理系もいる(逆はレア)ことを考えると理系比率はもっと少ないと思いますが、いずれにしても男性に比べて女性の理系割合は半分程度ということです。

 

さらに、女子の場合、理系は、医学系、薬学系、農学系を選択する方もかなり多く、ただでさえ少ない理系のうち理工系を選択する方はかなり少なくなります。

 

ということで、理工系女子を増やすには

 

◎従来文系選択をしていた層を理系選択に取り込む。

 

◎理系選択者のうち、従来医系、薬学系、農学系を選択していた層を理工系選択に取り込む。

 

といった施策が必要ということになります。

 

今回の女子枠設定に関して否定的な方の多くは、入試による優遇ではなく、理工系の魅力を伝えるだとか、理系女子のロールモデルを示すとか、長く働き易い環境を作るほうが先決。。。といった意見を述べています。

 

正論なんですが、重要な視点が抜けていると思っています。

 

それは、時間軸です。

 

そのような取り組みは今までもずっとやっていて時間がかかるんです。

 

地道な取り組みの結果、理工系女子の割合、確かに増えています。

 

 

 

 

5年間で理学系が0.55%、工学系が1.05%増えています滝汗

 

牛歩です。。。
 

このままでは、10年、いや私が生きている間にOECD加盟国平均になることはないでしょう。

 

中長期的には、研究職(理系修士)の給与モデルを欧米に近づける(端的に言えば、給与・報酬を激増させる)、女子の働きやすい環境作りをより一層高めるといった取り組みが必要とは思いますが、時間軸を早めるための施策として女子枠の設定はやむを得ないものではないか、と私は思っています。

 

また、あくまで一時的な施策であって、将来的には段階的に縮小・廃止すべきものとも思っています。

 

とにかく、医系に過剰に与えられているベネフィットを理工系に移行していくような予算配分や施策をセットで実施することが肝要と思います。

 

余談ですが、一般入試と総合型選抜&推薦入試では合格者の男女比にだいぶ差があり、女子優遇傾向があると思っています。

例えば、先日の東大入試も一般入試合格者の女子率が21.8%に対し、推薦入試合格者の女子率は46.2%となっています。

 

こそこそやらずに、正々堂々と女子枠と銘打ったほうが潔いかなと。

 

賛否両論ありますが、女子枠を設けた結果として、ブレークスルーが起こり日本の発展に繋がることを期待したいところです。