第1志望校より第2志望校のほうが難易度が低い、と思っている人が多いですが、実は、そうでないケースはたくさんあります。
A校のほうがB校より難易度が高いのに、両方合格した場合B校を選ぶ人が多い、それどころか、極端の場合B校を選ぶ人しかいないという一見不思議な現象が、大学受験の世界では普通に起こります。
合格難易度と進学優先度(志望順)をごっちゃにして勘違いする人=行きたい学校に滑り止まらない人が結構多いので、今日はそんな話をしたいと思います。
具体例を申し上げます。
国立志望者にとっての私立併願校の多くが該当します。
まずは、早慶理工学部。
そう、難関国立大の併願校になり、いよいよ、来週が入試です。
地方の方にとってみれば、地元旧帝理工学部と早慶理工、W合格した場合は、ほぼ地元旧帝に進学すると思います。
では、地方旧帝と早慶理工では地方旧帝のほうが難しいかといえば、全く逆です。
2020年ベネッセが公表した阪大基礎工学部と慶應理工学部の併願データでは
慶應落ち阪大合格 18名 VS 阪大落ち慶應合格 0名
となっています。サンプル数は少ないですが衝撃的な数字です。
地方旧帝より難関な東工大(工学院)と早慶理工を比較しても
慶應落ち東工大合格 23名 VS 東工大落ち慶應合格 30名
早稲田落ち東工大合格 18名 VS 東工大落ち早稲田合格 7名
と、どちらが難しいか分からないようなデータとなっています。
次に理科大。
地方旧帝と理科大W合格すれば、ほぼ100%地方旧帝に行くと思いますが、併願データでは
理科大落ち東北大合格 52名 VS 東北大落ち理科大合格 10名
(共に工学部)
とこれまた衝撃的な数字となっています。
ちなみに東北大vs理科大理工学部だとほぼ互角になってます。
私の肌感覚では、これらのデータに違和感はそれほどでもないのですが、イメージと全く違うと感じる人も多いのではないでしょうか。
そうなのです。進学優先度と難易度は違うのです。
ただし、ここでいう難易度とはあくまで国立第1志望の受験生にとっての受験大学の難易度を言っていますので、私立専願なら共通テスト受けなくていいじゃんとか、理科大は理科1科目じゃんとか、そういうツッコミは無しでお願いします。
東北大がボーダー付近の受験生で、第1志望東北大工学部、第2志望 早稲田理工 第3志望 慶應理工 第4志望 理科大工学部だった人がいたとします。
この方は、本命の東北大の他に滑り止めで早稲田、慶應、理科大を受けているつもりかもしれませんが、実は第1志望が一番難易度が低く、滑り止めは1つもないどころか、どちらかと言えば本命校の他にチャレンジ校を3つ受けているといった状態になっていると言えます。
理系大学受験を例にとると、一般的な進学優先度(志望順)は以下のとおりになると思います。
1.東京大学
2.京都大学
3.東京工業大学
4.地元旧帝国大学(阪大、名古屋、東北、北海道、九州)
5.早慶理工学部
6.地元準難関国大(神戸、横国、筑波など)
7.東京理科大学
ただし、国立大学は1つしか受験できませんので、この中から第1志望を決め、第2志望以下を私立併願校から選ぶことになります。
その際、第2志望以下の併願校は必ずしも第1志望より難易度が低くなるとは限らない、ということをしっかりと頭に入れておく必要があります。
そうしないと、先ほどの例のように、滑り止めのつもりが全くそうなっていないという全落ちリスクの高い受験になってしまいます。
ただし、私立は国立と違っていくつでも受験できます。東工大と早慶理工が同じくらいの難易度だとしても、早稲田と慶應2つ受験できますので、2つとも受験すればどちらかに合格する可能性は2倍にあがります。
理科大も乱れ打ち受験が可能ですので、合格確率を高くすることができます。
私立併願校だからと言って舐めると酷い事になる、という話でした。
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