前回の続きです。
実力偏差値に見合う学校とは、実力偏差値よりやや上?、実力偏差値どおり?、実力よりやや下?
どれを指すのでしょうか?
実力に見合う学校は、入学時の同級生と実力が近い学校ということを意味します。
ただし、その2の記事で記載したとおり、偏差値表の偏差値と入学者の平均偏差値は違います。
最上位校を除き、ほぼ全ての学校で偏差値表の偏差値は実際の入学者平均偏差値より高く出ています。
つまり、R4偏差値どおりの学校に進学した場合、入学者の中で上位になるということです。
前回記事で書いたとおり、偏差値が最大で5くらい変わるケースもありますので、留意が必要です。
現在は進学者平均偏差値は公表されていませんので、推測するしかありませんが、概ね以下の要領で当たりはつけられます。
1.辞退率が高いほど、見かけ偏差値より進学者平均偏差値が下がる。
説明不要かと思いますが、一般的には1月校など2月1日以外は辞退率が高いです。合格者数と進学者数を確認すれば想像は出来ると思います。
2.複数回受験がある学校は調整が必要。
日にちによって募集人数(≑進学人数)も辞退率も違いますので、単純平均というわけにはいきません。
当時の東洋英和を例にとると、2月1日のR4偏差値が53、3日の偏差値が60で進学者平均偏差値は54.7でした。
3.偏差値操作校は調整が必要。
これは難しいですが、サピックス、日能研、四谷それぞれの偏差値表を比べて異常な位置にある学校があれば調整が必要です。
4.R4より進学者平均が高いケース
最上位校に関して言えば、上位合格者は青天井、辞退者も少ないのでR4を超えるケースがあります。
ということで、結論から言えば、実力に見合った学校とは、偏差値表の偏差値が実力偏差値よりやや上(R4偏差値で辞退率の低い中学なら1~2上、高い中学なら2~4上の学校≑進学者平均の学校)の学校ということになります。
我が家の場合、花子は実力偏差値とほぼ同じ入学者平均偏差値の学校、奏は実力偏差値より3程度高い学校に進学しています。
ただ、奏は第1~第3志望校に落ちての進学で、第1志望校はR4偏差値だと持ち偏差値の10近くも上、進学者平均偏差値でも7くらい上、つまり実力に見合っていない学校でした。
奏は惜しくも落ちてしまいました(自己採点では合格していたので多分、ギリ落ち)が、奇跡的に合格したとして、ついて行けるのか、どう考えていたのか、書きたいと思います。
ジャイキリ奇跡合格したものの、やってもやっても平均点が取れず、やる気を失い深海魚になるという最悪のパターンは避けたいところ。
大学の進学実績をみればすぐに分かることですが、開成レベルでも深海魚になるとMARCHにも合格できません。
何のために中受でチャレンジさせたのかって、後悔することになります。
では、無理させない方が良いのか。
私はそうでないパターンもあると思っています。
当ブログ内でしつこいほど書いていますが、大学受験で最も大事な科目は英語と数学です。
したがって、実力以上の学校に進学してやっていけるかどうか、は英語と数学次第だと思っています。
奏は国語と社会が壊滅できだったため、御三家など難関校の合格は望めなかったわけですが、算数だけなら勝負になりました。
似たようなタイプの花子が数学に関しては学年トップクラスでしたので、奏もどんな中学に入ろうが数学だけは上位層にもついて行けると思っていました。英語は、中学からみなゼロからスタートになりますし、得意になる可能性もあります。
数学か英語どちらかで上位に食い込めていれば、モチベーションをキープしやすいと思いますし、大学受験でも勝負できます。
このような理由で奇跡の合格でも入学させて問題ないと判断していたわけで、進学した中学でも苦労はしましたが、数学のお陰で劣等感を感じる事もなくモチベーションを落とさず過ごすことが出来ました。
結論を言えば、私は、算数が得意なタイプ、もしくは、帰国子女のどちらかであれば実力を大きく超える学校に進学するのはアリと思ってますが、それ以外のタイプは、実力を遙かに上回る中学(R4偏差値で7-10,進学者偏差値で5以上高い学校)に奇跡合格したとしても入学後に苦労する可能性が高く、進学するのは止めた方が良いと思っています。
もっと言えば、合格してしまった場合に辞退を決断することは難しいので最初から受けない方が良いと思っています。
いろいろ意見はあるかもしれませんが、私はこのように考えている次第です。
もちろん、学校選びは偏差値だけではないので、ビビッと来た学校があればそれは幸せなことだと思っておりますが、実力に見合った学校とはどこを指すのか、見合っていない学校に進学するリスクという観点で書いておりますこと、理解いただければと思います。