波紋を呼んでいる東工大の女子枠。
入学者のレベル低下を危惧する声が聞こえますので、その点を真面目に考察してみました。
そもそも、東工大女子枠(143名)の受験者層はどのような方になるでしょうか?
今回の女子枠のポイントは共通テストは課されるものの、二次試験は面接だけの学院が多く、対策時間が少なくて済むため、受験のハードルが極めて低く、気軽に併願できる点だと思っています。
それでは、考えていきます。
東工大女子枠の想定される受験者を概ねレベルが高い順に並べてみると下記のようになると思います。
1.東大、京大組
理3や京医志望者とA判定が出ている人はまず受験しないでしょうが、昨今の現役志向を勘案するとB/C判定あたりの受験生は、東工大女子枠で合格すれば御の字と考える人も一定数いそうです。
また、情報系志望の方など、東大での進振り進学の難しさ、京大情報の激難化を避け、情報理工学院女子枠などを狙う人もいると思います。
昨年の東大の女子受験者数は見つけられなかったのですが、女子合格者は理Ⅰ 94名、理Ⅱ 131名ですので、倍率を考えると東大理Ⅰ理Ⅱの女子受験者数は672名程度と推定されます。また、京都大学の理系女子受験者数は医学部薬学部を除くと661名となります。
これらの東大、京大理系女子受験生約1330名中、東工大女子枠併願者がどれくらいいるか分かりませんが、1割強が受験すると東工大女子枠143名を超える計算になります。
2.国立医学部組
理系に強い女子は医学部志望に多くいます。医学部以外考えていない女子も多いのでしょうが、私立の理工系学部を併願している医学部専願ではない方も少なくないと思います。
特に首都圏の方で下宿になる地方国立医学部より通える東工大でも良いと考える方も少なからずいるのではないでしょうか?
(私は医学部受験事情に詳しくないので、そんな人いないなどありましたらコメントください。)
3.東工大組
一般入試で東工大を受ける予定の女子は、ダメ元で女子枠も併願する人がとても多くなるのではないでしょうか。むしろ、受けないのは勿体無いし、併願するデメリットは殆んどないと思います。
今年の東工大一般入試女子合格者109名(受験者は557名)ですが、併願者が多くいると考えるとこの中から女子枠にスライド合格する女子も相当数出るはずで、一般男子の不利益はそこまで大きくない(143名の枠がそっくりそのまま減るわけではない)とも言えるかもしれません。
4.地方旧帝組
通学可能で地元志向の方はほぼ受験してこないと思いますが、首都圏在住の方や地方でも下宿になってしまう層は、就職有利な東京ということもあり、一定の受験者がいるように思います。
5.首都圏国立組
筑波、横国、千葉、農工大あたりを志望する層は、ダメ元で結構受けてくるのではないかと思います。
6.その他
地元国公立など難易度的にはかなり低いところを目指している方についてもダメ元で受験するケース。こちらも少しはいそうですね。
いかがでしょうか?
このように並べてみると、結構な受験倍率になってしまい、レベルの高い受験者も相当程度いることも想定され、共通テストも必須であることも考えるとそんなにレベルが低くなるような気がしません(もちろん、少数はすり抜けて合格者もでるとは思いますが)。
むしろ、他の難関国立大学の受験生を奪い取るような感じになることも想定されるのではないでしょうか。
ただし、東大や京大など上記大学も東工大に追随し、それなりの人数の理系女子枠が導入されると景色が変わりますので、他大学の動向にも注目です。
すいません、勝手な妄想でしたが、みなさんはどう思われますでしょうか?