10兆円大学ファンドって聞いたことがありますでしょうか?
岸田内閣肝入りの目玉施策である10兆円大学ファンドにかかる法案が5月18日に参議院で可決成立しました。
先日、某有名ファンドマネジャーである私の同級生とこの話で盛り上がったんですが、巷でも受験ブログでもあまり話題になっておらず、意外と知られていないのではないかと思い記事にすることにしました。
この施策は、ザックリ言えば、世界最高の研究水準を目指す大学を「国際卓越研究大学」として認定し、国が10兆円規模の大学基金(大学ファンド)で支援するものです。
背景としては、日本の大学が論文引用数などで海外大学に大きく水を開けられ、大学世界ランキングがドンドン下がっていることに対する危機意識があります。
この原因として、ハーバード、イエール、スタンフォードなどは3兆円以上の基金を持っており、10%程度の運用益で毎年数千億レベルの研究費用を賄っている点が大きいと言われています。
日本の大学も資産運用していますが、慶應730億円、早稲田300億円、東大150億円レベルでしかなく、ハーバードとはファンド規模が2桁も違います。
東工大もPPPで大きな安定資金を確保していましたがそれでも年間45億円に過ぎません。
そこで登場したのが10兆円ファンドというわけです。
国が10兆円の基金を作り、目標利回り3%+物価上昇率1.38%で得られた運用益を大学の研究・教育費に充てようとするものです。
広く薄く支援するのではなく、国公私立大学から5-7大学を選んで大きな金額を支援するということです。
仮に運用利回りが3%であれば、10兆×3%=3000億円、6大学に配るとすると1大学あたりなんと年間500億円ということになります。
そもそも3%の運用利回りを実現できるのか、ですが、株式65%、債券35%をベースにPEや不動産などオルタナ投資も積極的に推進することとされており、3%+1.38%の4.38%もグローバル運用で国内外の成長を取り込むことができれば、十分に達成可能だそうです。配当利回りの良い大型株をメインに運用するのかなって勝手に想像していますが、果たしてうまくいくのでしょうか?
金額が大きすぎてピンとこないので、東工大がこの資金をもらえるとした場合、物凄い影響があるので数字で示してみます。
2021年の東工大の大学院生・教員1人当たり研究費は478万円となっていますが、10兆円ファンドで500億円支援され、全額研究費に使えたとしたら1人当たり研究費はなんと1225万円!となります。授業料65万円で1225万円もの研究環境ということで医学部以上にお得感があります![]()
そもそも500億円という金額は東工大の年間予算に匹敵する規模ですので、海外から第一人者の教授を大量に招聘することも研究員を多く雇うことも高額の研究設備を購入することもやりたいことはすべてやっても使い切れないくらいの金額ともいえます。
現時点では、どの大学が10兆円ファンドに選ばれるのか不明ですが、選ばれた大学には巨額資金が投入され、大学間格差は確実に広がるものと思われます。指定国立大学から選ばれる可能性が高いのではないか、とも思います。
https://ameblo.jp/ginga7ginga7/entry-12680419326.html
一部で、格差を広がることにネガティブな声もありますが、世界に伍する大学を作っていくためには思い切った選択と集中が必要だろうと思います。
そもそも、この少子化時代に国公立私立を問わず大学の数も定員数も多すぎるのが問題で、教育・研究成果がみられないような大学は統廃合し、生き残ったところに補助金を厚くつけるほうが良いと思っていますが、如何でしょうか。



