今日は、入試方式の話です。
東工大入試の場合、出願時に志望学院を第1志望から第3志望まで記載することができ、第1志望学院の合格最低点に届いていなくとも、第2または第3志望学院の合格最低点をクリアしていればスライド合格できる仕組みとなっています。
京都大学も似たような仕組みになっています。
一方で、東京大学。
理系の場合、理科Ⅰ類、Ⅱ類、Ⅲ類のいずれか1つを選択し、出願する方式となっており、第2志望は書けません。
理科Ⅲ類に出願した場合、理科Ⅲ類の合格最低点をクリアしているかだけが合格判定の全てであり、クリアしていなければ、理科Ⅰ類、Ⅱ類の合格最低点をクリアしていたとしてもスライド合格することはありません。
理Ⅰ合格者で「理Ⅲでも合格していた」とイキっている人がいるかもしれませんが、理Ⅲの方に言わせると、出願時にリスクをとって理Ⅲに出せるか出せないかというのが重要で、結果論に過ぎないらしいです。
話を戻します。
東工大方式の良い点、悪い点を挙げてみます。
【良い点】
・やりたい学問・研究が一つしかないことは通常あまりなく、優先順位はつけるにせよ複数の学院を志望できるのはありがたい。
・第2志望でも、志望順位とは関係なく単純な得点で合格判定してもらえる(逆に言えば志望順位の優遇措置が全くない)ので、スライド合格に不利のない仕組みとなっている。
【悪い点】
・3つ志望学院が書けるため、人気投票となり学院間の格差が生じやすい。
・熱望する第1志望学院であっても、第3志望で降ってきた人にはじき出されてしまい、東大方式であったら合格できた受験生が不合格になってしまう。
東大方式の良い点、悪い点はそっくり上記の裏返しと考えれば良いかなと思います。
東工大方式と東大方式、どちらが良いと思われますか?
私は、スライド合格により東工大熱望組を救ってくれる今の方式が良いと思ってます。
花子の友人で理Ⅱの合格最低点は超えていたものの理Ⅰに数点差足りず、残念だった子がいましたが、東工大方式ならスライド合格できたことになります。
東大受験組は今の方式をどう思っているのでしょうか?
もし、東大が東工大方式になったら
第1志望:理Ⅲ、
第2志望:理Ⅰ、
第3志望:理Ⅱ
と書く人が続出し、格差が広がるものと思われます。
最近10年でみると合格最低点の差は理Ⅲと理Ⅰで50点程度、理Ⅰと理Ⅱで10点程度ありますが、東工大方式にした場合、序列化が鮮明となり、理Ⅲと理Ⅰの差は70点程度、理Ⅰと理Ⅱの差は30点程度に広がるものと予想します。
東工大も情報理工学院だけが突出していますが、第3志望まで書けるのがイマイチと思っています。
実際、第2志望までしか書けなかった2018年までは学院間格差(当時は類でしたが)はそこまで大きくありませんでした。
第2志望までにすれば、リスクを考えた学院選択となるため、学院間の格差が平準化されるとともに熱望者が希望学院に行きやすくなり、一番バランスが取れているように思いますが、如何でしょうか?