最難関大学を表す大学群として「東京一工」という括りがあります。
ご存知のとおり東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学の4大学を指し、それぞれから1文字をとったネーミングとなっています。
理系だけでみると、東京工となりますが、同じ大学群といっても当然ながら難易度には差があります。
過去に「東工大受験の魅力」という記事の中で、必要な努力量を東大を100とすれば東工大はせいぜい70と書きましたが、今日はそのあたりを具体的にみていきたいと思います。
河合塾の偏差値でみると東大理Ⅰが67.5、京大工学部が学科によって異なり62.5~67.5、東工大は全学院65.0となっていて差はたいしてないようにも見えます。
しかし、実際には以下の2点を考慮する必要があります。
1.受験科目数の違い
2次試験の受験科目ですが、東大と京大は英数国理科2科目、東工大は英数理科2科目なので、国語の有無が違います。
つまり、東大と京大の偏差値は国語の偏差値も含まれた総合偏差値であり、東工大は国語は含まれない総合偏差値です。
東工大志望者の国語偏差値は、目も当てられない低偏差値である場合が多いので、国語込みと考えると東大、京大とはやはり差があると思います。
2.河合塾偏差値は2.5刻みである
同じ偏差値65でも67.5に近い65と62.5に近い65があると思います。東大の67.5は70に近い67.5かもしれませんし、東工大の65は62.5に近い65かもしれず、差が2.5とは限らないわけです。
ということで、偏差値表だけでは差が分かりにくいのでもっと分かりやすい指標で両者を比較してみます。
使うのは合格者平均偏差値と共通テスト得点です。
学科によって偏差値等が異なるので、各大学の最も高い学科と低い学科を並べてみました。
ぐっと景色が変わります。
なお、偏差値は河合全統記述模試の理系3科目(英数理)総合偏差値になりますので、同じ土俵での比較になります。
大学名/学部・学科/合格者平均偏差値/同共通テスト得点
東京大学/理科Ⅰ類/72.5/810
東京大学/理科Ⅱ類/71.1/799
京都大学/工/情報/70.4/790
京都大学/農/地域環境/66.5/756
東工大/情報理工学院/67.8/742
東工大/物質理工学院/65.4/735
東京大学は最も簡単な理科Ⅱ類であっても京都大学の最難関である工学部情報学科よりも偏差値、共通テスト得点ともに上です。
しかし、京都大学の一部学科は東工大の上位学院よりも平均偏差値が低くなっていますので難易度が重なっている部分があります。
ざっくり不等号で表せば
東大>京大情報>京大≧東工大
といった感じになります。
京大は情報学科のみ東工大より東大に近いものの、基本的には東大より東工大に近い難易度と思います。
また、東大には二次試験の国語で現古漢が求められるのに対し、京大の二次試験の国語は漢文が出ず、古文もセンターレベルの基本問題となり、東工大に至っては二次試験に国語はないという点からも東大の負担の重さは際立つと思います。
やはり、東大の難易度は頭1つ、いや、頭2つくらい抜けていて、必要な労力がだいぶ違うというのが私の見立てになります。
単純な偏差値表だけでは分からない距離感の雰囲気は伝わったでしょうか?