科目数の多い国立大学を避け、科目数を絞って受験対策し早慶などの難関私大を目指す、いわゆる私立文系志望は良く聞きますが、理系の私立専願ってどうなのでしょうか?
今日は、理系私立専願の最高到達点がどこなのか、そして、理系の私立専願戦略に意味があるか、について記載したいと思います。
「私立専願」、一般的には、共通テストで5教科7科目をキッチリ勉強する国立型受験ではなく、志望する私立大学の受験科目のみに特化して、受験に関係のない科目は一切やらない受験スタイルを言います。
つまりは、私立専願の最大のメリットは科目を捨てることによって受験科目だけに専念できることにあるわけです。
共通テスト8割をとるために必要な時間は
数学(ⅠA+ⅡB)>英語>>理科2科目>社会2科目>国語
といった感じだと思います。
私立文系専願は最も負担の重い数学を捨てるからこそ、破壊的な威力を発揮できるのですが、私立理系専願では軽量科目を捨てるだけなので文系に比べ専願にするメリットはあまり多くありません。
理系の私立最高峰と言えば、早慶理工学部になりますが、受験科目は英、数、理科2科目の4科目です。
ですが、早慶理工学部は私立専願最高峰にはなりえません。
なぜなら、早慶理工以外に4科目を課される私立大学はなく(多分)、しかも難易度が圧倒的に高いので、早慶理工に合格できるくらいなら東工大も合格圏であり、私立専願になりえないのです。
東工大だと共通テストを受ける必要がありますが、早慶理工合格圏内であれば受験科目の英数理は悪くても8割は確保できますので、国社をノー勉でも足切りにかかることはありません。
そうなると必然的に東工大が第1志望になり、私立専願とはなりません。
また、英数理2科目で高得点できてしまいますので、国社は軽い対策で地方旧帝などの受験も十分可能です。
要するに理科を2科目やってしまうのであれば、専願で得られるメリットは軽量科目の国語社会にかかる勉強時間だけなので、もはや私立専願の意味はなくなってしまうのです。
私は私立理系専願でも早慶理工学部の受験者自体は一定数いると思いますが、殆どが記念受験に近く、合格者は限りなくゼロに近いと思っています。
もし、国立未受験の私立理系専願で早慶理工学部一般入試合格者をご存知でしたらコメントください。
ということで、理系の私立専願は英数理の3教科、それも理科1科目で受験できるところに限定されます。
国立型と比べると負担のそこそこ重い理科1科目とそこまで負担にはなりませんが国社にかける時間を英数理に全振りして勝負することになります。
では、私立理系最高峰はどこか?
やはり、東京理科大学か上智大学理工学部か、ということになりそうです。
東京理科大学は詳しく書きましたのでそちらを参照下さい。
上智大学理工学部は共通テスト併用型、共通テスト利用型、TEAP利用型がありますが、国社不要かつ理科1科目で受験できるのは共通テスト併用型だけになります。
【共通テスト併用型】
①共通テスト数ⅠAⅡB(60点)理科(60点)英語(80点)
②個別試験 数学(100点)理科(100点)
①②の合計点で合否判定。理科は物化生から1科目選択受験。
でも、こんな人も多いのでは?
早慶ブランドが欲しいんだけど、
私立理系専願で何とかならない?
何とかする方法を明日解説します。