デリー 病院
運ばれた病院は暗くて寒い
たくさんの人がいて誰がナースなのかドクターなのかよくわからない
お尻に注射を打たれ、点滴を打たれる。
早く頭を見てほしい。
ドクターは?
ヘッド!ヘッド!
けんちゃんが言ってくれる
救急車のなかからずっと
大丈夫だからな
病院すぐつくから
って
何回も名前を呼んで、笑ってくれる
心配させまいとして笑顔作ってるんだろうけど
そのほうが、そんなにひどいのかなって心配になった
ナースが来て、
髪を剃り、頭を診る。
剃刀が痛い。
髪を剃られるのも辛い。
けんちゃんが
泣きながら、
もうずっと一緒にいよう
日本帰ってからもさ、
こういうことがあったしインド留学もやめる
そういうことなんだ
今回、お金も余計に持ってきたしさ
って私のほっぺたに顔を擦り付けて言ってた。
悲しいのと
痛いのと
せつないの
が入り混じって、もうわけもわからなかった
明るい電気のある手術室に通され、刺さったガラスの破片を取り除く
ずっと
痛い痛いって叫んでる。
そのあとCTスキャン。
お金はけんちゃんが立て替えてくれた。
ベッドで泣いているわたしに
乗客だったおばあちゃんが手を握ってくれた
腕を激しく打ち付けたのか腫れている
ヒンディー語で何かお祈りしてくれているみたい
手の甲にキスをくれる
もうひとりいたおばあちゃんも同じようにしてくれた
胸のおくがきゅんとして
人ってあったかいなあって思う
ありがとうって
手を合わせた
一通り応急処置が終わり
病院でこのまま過ごすと思っていたけど出ることに。
ニューデリーに帰ることになった
お金をたくさん払ってでもタクシーに乗りたかったけど
高すぎるのか、それともないのか
よくわからなくて
またローカルバスで戻ることになった
そのバスではパンジャビ出身の女の子と叔父さん、その子の旦那さんが
途中で乗ってきて、いろいろ話す
連絡先も教えてくれた
暗い気分も少しマシになった
明日の朝の電車でアムリトサルに帰るらしく
今夜はパハルガンジに泊まるとのこと
オートリキシャに一緒に乗って向かう。
リキシャのなかで
わたしが疲れと恐さで、暗くなっていると
スマイルスマイルって言って
その子がほっぺにキスをくれた
リキシャ代も叔父さんが払ってくれた
その代わり
わたしの持ってた、ホッカイロが欲しいとのこと。
明るくて、いい人達だった。
救われた気分だった。
それからダラムサラに行くまで
ふたりでRs500のゲストハウスに泊まった。
もう一回ニューデリーで病院に行きなおしたり
動物園にいったり
ただただのんびりしたり
果物食べたり。
デリー 事故
デリーに着き、コンノートプレイス行きのバス乗り場を探していると
先にインドに入っていた
けんちゃんが空港まで向かえに来てくれていた!
パハルガンジのパヤルの前で待ち合わせていたのに
まさかここまで来てくれているとは思わなかった。
リシュケシュ、ハリドワールからその日、戻ってきていたらしい。
もう時間も遅かったから安心した。
そして、オールドデリーやジャママスジットなど
デリーで何日か過ごした後
ジャイプルへ向かうことになった
そして事件は起こった
乗っていたジャイプル行きのローカルバスが横転したのだ
ドライバーが道を間違えたり、方向転換が急だったりと
危ないなあとは思っていたのだが
まさか横転するとは思わなかった
うとうとしていたときに
通路挟んで隣のおっちゃんがぶつかってきたので
急にカーブしたのかなぁっと
一瞬思ったと同時に
アスファルトに頭がこすれていた
痛みはなく
ただ擦っているという感覚のみが
何秒間か続く
けんちゃんがわたしの名前を何度も呼んでいる
人が積み重なって
なかなか動けない
尼崎のJRの事故もこんな感じだったのかな
もう日本に帰れないのかな
仕事はどうしよう
いろんな考えが数秒のうちに頭を巡る
ふらふらっと立ち上がると
血が顔にたれてくる
前のほうではおじさんの腕がちぎれ、肉、骨、うにょっとしたものが出ていて
見たくないけど、ついつい目がいく
見るなってけんちゃんが言う
倒れたバスからやっと出ると
立っているのがきつく
インド人に支えてもらう
けんちゃんがバスから出てくる
着ていた服は破れ
顔にはわたしの血がついてる
そのまま救急車で病院へ
インド
昨日かえってきた
疲れのせいと、機内の乾燥で風邪気味。
今回はしょっぱなから
ジャイプル行きのローカルバスが横転。
頭を縫い、いろいろ大変だった
振り返るのは
もうちょっとしてから
書くことにしよう
いまはただただ休もう。