【サラブレッド夜話】オフサイドトラップ |  おおむね日刊 ★ 狐のブログⅡ

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  今週は「シリウスS(G3)」「スプリンターズS(G1)」です。
    

「強い者が勝つんじゃ無い、勝った者が強いのだ。」サイレントスズカ悲劇の天皇賞の陰に隠れた、地味な頑張り屋、オフサイドトラップ!
 こんばんは、管理人の狐です( ´_ゝ`)ノ
 今週の競馬は、新潟記念ですね。新潟記念の勝ち馬は、もうこの夜話には2頭も登場してますが、懲りずに新潟記念ゆかりの名馬オフサイドトラップの紹介です。サイレントスズカの競争中止で有名な天皇賞、その時の勝ち馬がオフサイドトラップでした。だからと言って、この馬を不当呼ばわりするのもちょっと違うような名馬なんですよ…
 そのオフサイドトラップは、父トニービン・母トウコウキャロルの仔で欧州血統の血を引いたなかなかの良血馬。兄弟の名前が、ワールドカップとかプレミアリーグなどサッカーゆかりの名前が多いのは馬主さんの好みなのでしょうか?ナリタブライアン世代ですが、ただでさえブライアンの隠れて地味な世代なのに、更にその世代の脇役…って感じの馬でした。
 
 でも、成績を振り返ると3度の屈腱炎を乗り越えて7歳まで走り、28戦7勝で重賞も3勝と、怪我を乗り越えてよく走ったなぁという印象があります。しかも、3歳春から5歳夏までロクにレースに使えなかったことを考慮したら、もうこれは立派な名馬として扱ってあげないと可哀そうです(笑)
 
 2歳暮れにデビューしたオフサイドトラップですが、新馬戦以来…2着→2着→1着1着1着と3連勝で若葉賞勝ち、勇躍皐月賞に挑戦!しかし、同期ブライアンの壁は厚く7着(1.6秒差)と大敗。続くダービーも8着(2.1秒差)と惨敗するに至り、福島の「残念ダービー」短波賞に。しかし、強敵タイキブリザードやヤシマソブリンに歯が立たず4着、というかこの時にはもう屈腱炎を発症していたという…
 
 そして走っては休む繰り返し(とはいえ、その間も相当の善戦を続けているのですよ、これが)で、3度目の休養明けから名脇役の本領を発揮し始めます。5歳の暮れから、OP戦を4着、2着と順調に滑り出して存在感をアピール。明けて6歳、AJCC4着→東京新聞杯3着→中山記念2着→ダービー卿CT2着と、ジリ脚の善戦マンらしい走りっぷり。しかし、エプソムC6着の後、3度目の屈腱炎発症

更にエプソムCで6着に敗れると、再び10ヶ月の休養を強いられる事になる…これで復帰したとしても7歳、悲願の重賞制覇は遂に夢と帰すと誰もが思うわけです。 

  

 

 休養明け、7歳になったオフサイドトラップは、連続3回の2着のあとエプソムCを3着。特に、エプソムCと新潟大賞典に至っては、ジリ脚同士の競い合いみたいな展開。やっぱりこのまま、重賞は勝てないのかなぁ?と思ったら、七夕賞をあっさりと快勝。随分簡単に重賞を初制覇。そしてこの新潟記念をジリジリと競い勝ちして重賞連勝してしまうのです。
 
 そして例の天皇賞をも勝ってしまうのですが、そこはあまり書きたくないのでサラリと流しますが、あのレースの本馬場入場実況で「 生涯最大の罠を仕掛けるオフサイドトラップ」なんて言われちゃったもんですから、余計になんちゃって天皇賞馬のイメージが付きまといすぎなのかもしれません。
 
 とはいえ、府中の直線をメジロブライトやステイゴールドなどの強豪馬をジリ脚で振り切ったわけですから、もうこれは「一流のジリ脚」と言えるかもしれません。苦労と運が晩年にやって来た感じの馬で、個人的には結構好きなタイプです(了)
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