言われも無き罪を着せられた(気がする)黒ずくめの人影を探すべくナベリウスにやって来た僕たちの目の前に現れたものは
リサさんでした。
リサ「それにしても銃ってほんとうにいいですよねぇ……感触は残らないし、敵は踊るように倒れていく……なんともたまらずぞくぞくしませんかぁ?すべてを支配している感じで……ああ……そんなこと話していたらまたやりたくなっちゃいましたよう。それじゃあ、リサは行ってきます。ごきげんよう。ごきげんよう。」
ゼロス「銃ですか、僕はまだ触ったことがありませんが、ヘルマスター様は腰にライフルをぶら下げてらっしゃいますね。」
フィブ「護身用だよ、護身用。大体はお前が倒すだろうし、逆を言えば僕がこれを使う時はお前の職務怠慢が原因なんだから、そこんところ覚悟しておいてよね。」
おお怖い、なんと言う酷い上司でしょう!ああゼラス様、僕にこの難関を乗り越える力を与えてください!
ってん?
ひ、人が出て来…!?!?!?!?
???「ここにもいない…くっ、ハドレット……どこに……!」
彼女は僕を一瞥すると「……ふん」と鼻を鳴らしまた何処かへ消えて行ってしまいました…
ゼロス「なんだったんでしょう、今のは」
フィブ「え?何が?」
ゼロス「えっ」
ゼロス「……いや、なんでもありません」
ヘルマスター様には見えず、僕だけに見えていた?そんなばかな…だとしたら何故?
考え込んでいた僕は前方不注意で人とぶつかってしまいました
ゼロス「あ、すいませ…」
テオドール:臆病な性格、幼馴染の女の子がいるそうな。
ゼロス「あなたも、アークス。ですよね?」
テオドール「いや、ぼく、あんまり戦うのは好きじゃなくって、ですね……正直、怖いことはしたくないんです。なんとかなりませんかね……ならないですよね…はぁ……」
トボトボと去っていく彼の背中を見ながら僕はとある魔族のことを思い出していました
魔族に生まれながら争いを好まず臆病な癖に危険なことをしでかすとある魔族のことを…己の部下だと言うのは置いておいて。
ゼロス「彼は元気にしていますかね…また何か問題を起こしていなければいいのですが、あのペットのことで…」
帰りたいような帰りたくないような…
そんな気分に浸りながらも僕たちは近辺を虱潰しに探した後、この辺りに例の人影は見当たらず、一度キャンプシップへ戻り他の地点での創作のため移動していたのですが、その時、事件は起こりました。
ゼロス「さて、そろそろ行きますよ、ヘルマスター様。」
ゼロス「……ヘルマスター様?」
うんともすんとも言わない呼び出し装置。
ゼロス「もしかして、寝てるんです…?」
起きるまで待つべきか、いやでも、僕1人でいく方がスムーズにこなせるかもしれません…相手は1人でほっつきあるている訳ですから。
そうと決まれば早速飛び込みましょう!それ!
シオン「運命は、変化する。」
ゼロス「えっ、シオンさん!?」
こ、これは、この間マトイさんを見つけ出した時の!?
どうしてまた戻ってきたんですか!
アフィン「はっはーん、わかったぜ、終了任務だしな、緊張してるんだろ?わかるわかる、すげーよくわかるよ。」
その話もう2回もきいてますから!!!!
ああ、またマトイさんの声が…彼女を助けなくては…
アフィン「あっ、おい、相棒!待てって、おれを置いていくなよ!」
ゼロス「!?!?!?」
前回と、違う?
マトイさんの声の後に
誰かの声が…確かに聞こえます
アフィン「ん?どうした、相棒。あっちも気になるのか?…なんだ、これ。やばい感じがプンプンするぞ……ま、まあ、行くならついてくけどよ。」
ゼロス「すいませんねアフィンさん、あっち行きましょう。」
アフィン「えっ!本当に行くのか!?」
ゼロス「はい、行きます」
アフィン「………」
ゼロス「アフィンさん、怖いなら僕1人でも…」
アフィン「行かないなんていってないだろ相棒!待てよ!こんなところで1人おいてくなって!……って!」
ゼロス「見えません。」
木の影を覗くとそこにいたのは
僕が探し求めていた黒い人影でした。