火星年代記 | ギッコンガッタン 

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日々、気の趣くままに綴る雑記帳

 

 

 

 SF界の巨匠レイ・ブラッドベリーの代表作です。1950年に原作は、発表されたのですが、この時代の想定程、宇宙科学は、進展せず、人類は、火星は、おろか一般人が月に行く事もかないません。だから、最新版では、初版の時の年代より全ての年代が30年ずれています。初版は、1999年になっていた出来事が2030年という具合です。

 

 まだ、火星に探査機が行っていない時代なので、火星が普通に人が住める星として描かれます。まずは、2030年に火星に人類初の有人探査機を送るけど、人が帰ってこないことから始まります。次は、続々と火星に人が入植していき火星人が滅亡していく様子が描かれます。そして、地球が核戦争になるのですが果たして結末や如何にです。

 

 一見するとSF小説ですが、火星を探検する人や入植する人と火星人と含めてそれぞれの人間模様がまるで眼前に風景が浮かんでくる情景描写と共に見事です。この作品では、20世紀初頭にかかれた架空の町オハイオ州ワインバーグという小説をモチーフにしたアメリカ社会の風刺と言う意味合いもある小説だという事です。文明社会と言うものをSF的な面白さと共に深く考えさせられるいい小説でしたね。