某施設の煙感知式シャッターの配線なし事案
平成7年頃の話です。 (時期や施設名は架空のものに変更しています)某施設の平成6年3月頃に行われた消防検査では、この施設の煙感知機連動シャッターは問題なく動作し、合格となっていました。施工したのは、N社でした。平成6年から消防設備点検委託をK社が受注しました。平成7年2月頃に、その総合試験において、煙感知器を作動させてもシャッターが動作しなかったのです。そこでよくよく調べてみると、配線がないことがわかりました。点検委託を受注したK社が発見しました。そこで、N社に電話してきちんと動くように正しい配線にしてもらいました。ここで問題なのは、建築確認の完成検査で、いくら消防の試験に合格すれど、できていない部分もあるということです。消防の検査時には煙感知機が作動した。それを無線で現場から受信盤の前にいる人に伝えた。そこで、受信盤の前にいる人が、シャッターが下がるように信号を送る操作をした。若しくは、消防の検査している人に気づかれないように、現場の手動スイッチでシャッターを下げる操作をした。すると現場では、あたかもきちんと動作したように見える。つまり、無線もなくして連絡ができないようにして、誰かの不意の指令で煙感知器を作動させて、シャッターがきちんと動くかどうかを検査しないと、きちんとした動作確認にはならないということです。こういう話は、他の施設でも多くあります。私は過去にそういう建築設備の排煙設備などを検査したことがありましたが、常に不意に私が指示を出し、誰も装置を触れないようにして、試験を行っていました。すると、いろいろな施設できちんと動かないことが多々ありました。実際に、作動させてみて、試験しないと、本当の検査にはなりません。そうしていないと、いざ、火災や何かの異常時に、きちんとその装置が作動してくれないので、面倒でも実機での本番さながらの試験を常とすべきだと思います。 消防設備の検査をする組織を、どうやってだましたのか、上記に書いたのは憶測でしかありませんが、実際に配線がないことを考えるとどうにかして、だまして合格としたことは間違いありません。N社は国を代表する大手の企業だけになんでこんなお粗末なことをするのかどうせ、数年後には誰かがその異常を知ってしまうのにそうなった時には企業の信用を失ってしまうのになぜこのような見え透いた不完全な施工を現場に残して完成したなどと工事代金をもらっているのでしょうか。担当者レベルでの 工事の遅れをごまかす あたかもできたかのように振舞うそういう事なのかもしれませんが、想定外の配線未施工という事は、今後また別の施設でもわかってくることでもありますが、いろいろなところで、見えない手抜きはあるようです。見抜く力がなかったら、非常時に作動しない防災設備を設置しただけで安心できない状況なのに、安心しきっているそんな人たちがいるという事です。恐ろしいですねえ。対処法は、常に準備させないで、不意を衝いた検査をすることです。それと、別の会社に毎年点検させることもそれ自体が再検査になるので、有効です。系列会社だと親会社の未完工事を隠してしまいかねません。