東京で一番ローカルな路線と言えば、都電か、東急世田谷線か。車両が短く、速度が遅く、利用人数も少ないので、まるで旅行に来た気分になる。乗り込むとバスかと思うような世田谷線で、下高井戸から1駅の松原駅に降り立った。お目当てはおいしいカレーを出す喫茶店、珈琲壹門だ。到着すると、駅のすぐ目の前にある珈琲壹門は、古き良き昔ながらの喫茶店。中に入ると、年配の女性が注文をとりに来てくれる。数々の柱時計や、古いタイプの電話などのアンティーク調の家具が置いてあり、心休まる空間である。
ここでは、スリランカ風チキンカレーや薬膳インドカレーなどを出しているのだ。何故この空間に、そのメニュー？と言いたくなってしまうが、きっとこのお店でこのメニューを出すまでには素敵な逸話があるに違いない。注文をしてから、出てくるまでの間、冷蔵庫を開ける音がしたり電子レンジの音が聞こえたり、店の外から「夕方の音楽」が聞こえてきたり。とっても時間の流れがゆったりとしている、そういう気持ちになるお店。
スリランカ風チキンカレー(サラダ、スープ付 1000円)
薬膳インド風カレーとさんざん迷ってスリランカ風の方を選択。ご飯の上にかけられたカレーソースは赤茶色で、ほぐれた鶏の繊維が見える。柔らかくなった玉ねぎの甘みが引き出されていて、とても優しい味がする。スパイスも効いてるんだけど、とがってないというか、全体的にマイルド。でも普通の家庭風のカレーライスでは決して無い、本格的さも持ち合わせている。食べたら心がほんわか温まる、そんな味のカレー。
サラダ、スープとセット。コーンポタージュスープは、かなり牛乳の分量が多い感じで、これまた優しい味。
店名：珈琲壹門 [コーヒー いちもん]
最寄：松原
住所：東京都世田谷区松原4-10
電話：03-3325-3287
営業：11:30～21:00
定休：火、第1・第3水曜