結構、古い本だったんですが・・・

目に入ったタイトルに釘付けになり、思わず借りちゃった本。

かなり古いです。2006年の本。

 

「見捨てられた高校生たち 公立「底辺校」の実態」

 

 

なんていうか・・・下手するとこの本に出てる高校生たち、もう孫がいる人もいるんでは?

 

中学時代の同級生でも、底辺校へ行った子たちは妊娠中退とか、男子は孕ませちゃったとかあったしなあ・・・

 

まあ、そういった内容が山盛りです。

当時は、そういう子達を軽蔑してました。

しかし、自分自身が親になって、一方で目にする乳幼児虐待のニュース。

私よりずっと若いママや、同居する男性。そんな環境で、親から虐待を受ける子たち。

 

実は、いじめ加害者だった子たち、そして若くして親になった子たち・・・被害者的な立場でもあったのでは?と。

これは鬼滅の刃を読んでも思ったことなんですけどね。鬼になるに至った背景に何があった?

逆に言えば、私だって、いじめ後遺症から対人恐怖症や統合失調症になってたら・・・何か事件を起こしてたとしてもおかしくないわけで。

 

さて、本の内容に戻ります。

 

とにかく底辺校に通ってくる子たちの家庭環境や学力には・・・

想像はしてたけど、酷すぎる。

 

漢字が書けないどころじゃなく、ひらがなが書けないとか。海外移住労働者の子ではありませんよ、日本人です。

無論、不良やヤンキーもいるんですけど、私をいじめた加害者みたいな子たち。

一方で、おとなしい子にも関わらず、そういった学力ゼロなお子さんも。

真面目で努力家・・・だけど何かおかしい。全然、身につかない。親もそれをおかしいと思わない。

最悪、知的障害?と思われ、支援学校高等部を進めても、親が断固拒否。

 

親も、このままではイカン!という焦りが全く無い。底辺校で真面目なおとなしいお子さんの場合、親もズレてる。

これも「地元最高!」に通じる部分ではあるかも。自分たちがおかしいことに気付かない。気付きたくない。

 

一方で、明るい子・・・というかいじめっ子系の子ですかね?

こちらは、親が子供に嫉妬してたりとか。中卒や高校中退の親御さん、高3の娘の就活で高卒は大企業に就職できると思い込んでる。いやいや、それはないでしょ。今は大卒でないと。その辺を分かってないばかりか、なんとか中小企業の内定をゲットしたところで、褒めるどころか娘を貶す親。

 

いずれにせよ、親も学力ゼロというか学ぶ意欲が無し。新聞もとってないしテレビもない。

コロナ禍で陰謀論が渦巻く今であれば、あえてテレビを捨ててスマホで情報収集という陰謀論屋もいますが、この本が出た当時は、15年以上前です。それで社会情報を得る気もない。新聞取るなら、他にお金を使っちゃう。

 

お金の使い道と言えば貧困ですね。

貧困といっても、文学作品にあるような、自分が食べるのを我慢し子供の制服を買うとか、そういった涙ぐましい親御さんはいません。それは昭和で終わり。平成になると・・・子供の学費をケチってパチンコやら遊びに使ってしまう親。

親も今さえ、そして自分さえ良ければ良い!な刹那主義で、子供は後回し。

 

底辺高校の先生たち、親御さんの説得も大変で、子供を教えてるんだか、親を教えてるんだか・・・な世界です。

 

あとは、教育行政でも底辺校は見捨てられてると著者は指摘。歴史が浅い学校が多く、卒業生も貧困層が多いため、寄付金なども高偏差値校と比べて集まらず、学校を拡充させることが、底辺校は難しい。まあ、お金が準備できて設備を整えたところで、高偏差値の子達と比べて理科の実験が危険すぎて出来ないって話もあるんですけど(汗)。

いずれにせよ、底辺校の子達や、その家庭を放置することは、そんな子達の次世代を増産することになり結果的に国力が落ちるのでは?と危惧。

 

確かに高偏差値校の子たちや家庭と平等にするのは無理があります。それは高偏差値の子の足を引っ張りかねない。実際、私が高偏差値の高校へ逃げたのも、そんな子たちと一緒の学校に通うのが嫌だったため。

そして子供たちを小学校受験させたのも、主人が主人の地元の公立の子達と一緒にしたくないという理由。同じ学舎は避けたいがための策です。

しかし、見捨てるのは何か違う・・・

 

とにかく問題山積みといった内容。格差社会の教育問題を浮き彫りにしたといったところ。

少しでも危機感を抱いて欲しい!という本になります。

 

 

この本、既に取扱してないとのことでPick出来ませんでした。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4797488050/ref=dbs_a_def_rwt_bibl_vppi_i4

 

 

追記)

 

この本に出てくる子たちの「将来の夢」が・・・女の子のほとんどが、20代前半で結婚して出産、子供は2〜3人とか。なりたい職業や働く姿を子供に見せたい!とかそういうのではないんですよ。なんか・・・お姫様になりたい。王子様がくる!みたいな感じで(汗)。

著者曰く、皆が皆、そんな感じで気持ち悪いくらいだとか。そして彼女たちにとって高齢出産は言語道断だそうですよ。若くして母親にならないとみっともない!という外見至上主義。

価値観がそこなんですよね。

 

ごめん、セベクとちょっと重ねちゃった。いやセベクに失礼か?

それとも哀れな女の子たちに失礼かな?

 

あ、7章の考察で面白いの発見!

Twitterですけどね。

また別記事であげようかな〜と考え中です。