続・ガイドラインから定義やカテゴライズが消えていったのはなぜか... | GID memory

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FTMTSのGID関連ブログです。戸籍訂正が済んで、当時の気持ちを確実に忘れてしまいそうなのでここに記録しておこうと思います。
タイ滞在記ほか

自転車前回 よりつづき^^


用語の解釈や考え方は諸説ありますしUFO

「ああ、そういう見方もできるね」くらいのゆる~い気持ちでお読みください。(・ω・)/




。。。。。。
そんなわけで、なぜ定義が消えたのか不思議だったのですが、古い記事をみつけました。ひらめき電球

・「ガイドラインにおける基本的用語の捉え方

GIDとは何なのか? 原因・要因についての言及、

初版から第2版への変更についてH先生が解説しています。



【原因・要因】

>性同一性障害の原因の一つとして、脳の性分化異常が基盤にあるという考えが研究者の間では主流となっている

>「その障害の原因、発現幾序については必ずしも明確ではなく、生物学的要因、心理的・社会的要因などの関与が想定されているが」

>「その原因として、単に心理・社会的要因のみならず、胎生期、幼少期の性物学的要因の関与する可能性が指摘されている状況において」。


⇒GIDの原因・要因はまだ解明されていません。ガイドラインにも明記はされていません。とはいえ、少なくともガイドライン作成者たちの間ではこのような認識がされていたということをこの文章から知ることができます。



【初版から第2版への変更において定義が削除された経緯】

>第二版では、初版の性同一性障害の定義は採用しないことにした。第二版において、新たな定義を掲げることも検討された。が、性同一性障害の疾患概念を簡潔に定義することは、容易なことではなく、無理に簡潔なものにすると、再び誤解を招きかねない。そこで、第二版では、性同一性障害についての簡潔な定義は示されていない。しかしながら、性同一性障害の概念定義は、診断のガイドラインを示すことで実際にはなされている。すなわち、第二版の「3.診断のガイドライン」の手続きに従い、「性同一性障害」と診断される状態が、性同一性障害という疾患なのである。


⇒なるほど!診断のガイドラインの手続きに従い、性同一性障害と診断される状態が、性同一性障害という疾患なのである、ということだったんですね。


・・・・・・。


ちょっと衝撃的な方便ですけど。汗


当時はまだ手続きが厳しかったので、「定義」の記述をまるまる外しても、診断の精度は落ちない、という「判断」をされたのでしょうか。。汗


でも。。


その後、版を重ねるにつれ、その厳しかった手続きはゆるめられてるんですよね。。爆弾


そして、定義は削除されたまま。。


診断過程の一層の科学化もなく、

カテゴライズの追記もなし、

心理系の分析ツールの開発もなし。。


GIDを取り扱う医師の資格?登録もまだされてませんよね。。

ガイドラインという取り決めだけつくっても、誰が診断しているのか、誰が医療を施術しているかも、その過程がきちんと規定を遵守されているかどうかも確認しないなんて…それは無法地帯とどう(以下自粛w)ガーン



人の生殖機能を喪失させたり、戸籍を変えたり、家族の形まで変えたりと大変社会的影響力も大きいというのに

「ガバナンス」が驚くほどぐだぐだの

大変怖い状態だと思うのは私だけでしょうか。。ガックリ



・・・こんな状態になっているのって、(当事者?医療者の?)何か業界的な、、あるいは政治的な理由でもあるのでしょうか。。

ご存じの方いらっしゃいましたらこっそりメッセージいただけると大変ありがたいですガックリあせる


もしも単純に、診断の責任を取りたくない医療側の怠慢だとすれば、健康保険の適応など夢のまた夢かと。。








コーヒー
カテゴライズについて


・TS/TG/TV

・「中核群」「周辺群」

といったカテゴライズ(分類)は、性同一性障害を語る際、よく出てくる概念ですが、

医療分野であるガイドラインのなかにはこれらすべてが整理・説明されているわけではありません。


*ICDの分類には、医療用語であるTS/TVはありますが、

当初当事者運動のなかで出てきたTGについては、現在においても医学的位置づけはなされていません。(このことについても後日ふれる予定です。)


*ガイドラン初版には、「中核的な性同一性障害だけでなく、その周辺群である性にまつわる障害に対しても適切に対応することが望まれる。」との記載があり、治療対象として典型的なTSモデルを想定しながらも、グラデーションがあること、決して中核群以外の層を無視するものではなかったことがうかがえます。

しかし、当時、臨床の現場にて、様々な誤解や混乱が生じてしまった結果、第2版以降はこの表現も消えてしまい、日本のガイドラインのなかでは「性同一性障害か、そうでないか」というシンプルな『あるなし診断』になってしまいました。






コーヒー
性同一性障害や周辺疾患のより一層の議論の必要性

診断と治療の質を高めるための心理学的検査などの必要性 について


初版では、「提言」において

>「性同一性障害ならびにその周辺疾患の診断と治療について、これまでは共通の議論の場がなく、正しい対処がなされないまま、現在にいたっている。」

点を指摘し、


>「①性同一性障害の診断と治療を行う医療チームは経験した症例につき、学問的議論を積み重ね、そこで得られた知見を公表し、関心のある医師ならびに医療関係者の能力向上に寄与すべきである。その際、診断と治療の質を高めるために必要な検査、すなわち機能・器質的検査とともに理学的検査などの有用性も明らかにすることが望まれる。」、シンポジウムや講習会などによるこれらの問題に対する理解、知識の普及、専門家の養成、研究会の組織、資質の向上がはかられることが望まれる。

とも述べられています。



ガイドラインが出来てからはや15年超。。

初版、2版、3版、4版とその変遷において、ある言葉が追加され、ある言葉は削られ、ある文章は15年たった今でもまったくそのまま(努力目標放置ともいう)。。


ある意味、その変遷の歴史自体興味深く、感慨深いです。


・・・用語の解説や分析に定評のある●●先生あたりに、ぜひ『ガイドラインから読み解く日本における性同一性障害医療の光と影』などというタイトルでガイドラインの変遷をこまかい解説でご説明いただきたいと思ったり。。専門書ですからそこそこの金額になると思いますが、5千円くらいなら即金で買います(それ以上なら文句を言いながらすぐ予約w)


・・・と、冗談はこのくらいで(*_*)






コーヒー

診断のより一層の科学化、病因の発見  どちらも大事ひらめき電球


定義やカテゴライズを盛り込むべきと考えるのは、そもそも曖昧模糊で誤解・曲解が入り込む隙を与えないためです。本来GIDではなかった者が勘違い、あるいは作為的に紛れ込み、不可逆的な治療を受けた結果、患者を救うはずのGID医療が必要なかった「心と体が一致しない人」を新たに生み出すような悲劇は回避すべきだと思うからです(参考:過去記事 「GIDかそうでないか認識する意義」。2013.10.18グレー部分追記)。

GID医療は、医療として進歩する必要があると思います。そうでなければ、いつまでたっても医療の正当性確保などできず、健康保険も適応されないでしょう。


○診断のより一層の科学化

膨大な事例研究を積み重ね、疾患メカニズムの解明取り組まれ、

定義やカテゴライズの追加、診断を補佐する心理学系の検査シートや判定シートの開発等、診断のより一層の科学化で精度が向上し、誤診リスクを減らされますように。


○病因解明・発見

どうやらアメリカDSMは病理追求を諦める傾向にあるようですが。。(→参考PDF「DSMはどこに向かうのか 」)


日本においては、どうか『病理』の根拠となる生物学的な発見への不断の努力がつづきますように。

バイオチェッカー系の診断基準を開発する取り組みも併せてなされますように。。





また長くなりましたがw


正直な話、


当事者におもねるだけの目先のことしか考えない甘言だらけの医師はいらないんです。


自由意思でおこなう美容整形ではない、生殖機能まで失う不可逆的なGID医療で、金儲けをしようとする商業主義者もいらない。


日々の実務に追われ、患者を右から左に受け流すだけの医師に業界が覆われず、


患者一人一人のQOL向上や、決して治療ありきではない各自にあったGIDの克服が何なのか?


そしてGID全体の行く末を見据えてくださる医師や多分野の研究者たちが、強い発言力をもつことを心から期待して最後の言葉とします。m(_ _ )m







資料 メモ

・ガイドライン初版「性同一性障害に関する答申と提言」

・第2版「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」

第3版  〃

第4版  〃

(・実地診療手引き 「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第3版)の実地診療の手引き」)

*初版、第2版はネットや書籍等、ご自身でご確認ください。

・「ガイドラインにおける基本的用語の捉え方

参照

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