第2の母の味を懐かしんで | ぎっちょ31  

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蒼き時代より共に生きる

前にもちょっとだけ書いたかな

 

大学をなんとか4年間で出て

それ以前に4年になる頃には早いヤツは就職先が決まってて余裕カマシて

「なんや、ほぼ人生安定確定させた」勝ち組に見えて、それに反してオレは単位も「あ~、オマエ、ムリムリ(笑)もう1年確定じゃん」などと言われるような4年になっても高校生のようなフルに埋まった時間割でした

まあ、バブル期もあって「オレでも入社できて」「歩合も入りゃ給料100万/月」という安易な理由で就職先を選ぶようなバカだし、ガキでした

それが「銀座ジュエリーマキ」「銀座じゅわいよくちゅーるマキ」「ブティックジョイ」「ギャップ」「イーブルナージュ」などのブランド展開をやっていた「(株)三貴」

バブル期のイケイケワンマン社長の詐欺まがいの商売にどうしても馴染めず半年で辞めました

辞めると、学生時代にバイトしていた「アジア商事」という石油卸&直販店チェーン経営していた会社のお偉いさんから「ウチに来い」と誘われ、三貴が借りていたワンルームマンションに引っ越しのためのトラックを準備して引っ越しまでやってくれた

「まあ、行先無いからイイっか」と成り行き任せ

 

これくらいしかネット上には残ってなかった

まあ、どっちも、今でいうブラックですな

 

そして、案内された社員寮は傾いた古い木造二階建ての寮でした

「あ~、オレも負け組だな」と思いました(その当時、勝ち組&負け組なんて言わなかったけどね)

オレが入った時は先に2人居たのかな!?空き部屋のほうが多かったと思います

だからたった3人の寮

オマケに古い木造、エアコンも無い、共同便所&共同風呂&共同玄関

ね、「落ちたな」と思うよね・・・そもそも登ってもいないがね

 

当時60代くらいだったと思う、住み込みの寮母さんが居ました

その寮母さんが朝食に作ってくれる目玉焼きがとても懐かしいのです

目玉焼きというよりハムも必ず付いていたからハムエッグかな

寮母さんはたしか、死別だったっけなご主人がアメリカ人だったとか(うろ覚えです)

だから、その寮母さんが作る目玉焼きは一般的な目玉焼きではなく

「両面焼き」「黄身を少し潰す」「粗びき黒こしょう」でした

田舎育ちのオレにとっちゃ粗びきこしょうすら「コジャレた昨今のもの」くらいの時代です

 

その黄身を潰した両面焼きの目玉焼きを中濃ソースで食べると

「なつかしいな」と感じるのです

だから、忘れた頃に、自分でも作ってみたりするのです(ちょっと黄身潰しすぎたな、具合が微妙に違うな)

たぶん、付け合わせにブロッコリーなどの野菜も添えてあったんだと思いますが

付け合わせはあまり記憶にありません

コレさえ食えりゃ「なつかしい」と思うので付け合わせは無視

 

たった「3年」なんですがね

長い人生の中の「たった3年」なんですがね

「なつかしい」と感じるのです

 

前にブログに書きましたが

一番「落ちた(負け組)」と感じたこの頃が・・・楽しかったな・・・と思うから尚更「なつかしい」という思いも湧くのでしょう

寮が取り壊され、新しい大きな寮が建ち引っ越すことになった時に

皆で写真を撮りましたが、なぜか引っ越しの際に間違えてゴミのほうに紛れ込んだのか

無いんですね

だから当時の寮生活の写真は1枚も持ってません

 

引っ越してキレイになった大きな社員寮は今でもストビューにありますが(他社のものになってるようです)

この寮になってからはまったく面白くなかった(すぐに病気でほとんど入寮してませんがね)

やっぱ「見た目がキレイ」「設備も整ってる」「入寮者もたくさん」とか上っ面が「楽しい」や「幸せ」ではないと気づきました

 

クソボロかった木造二階建ての傾いた寮でしたが

あっちのほうが良かったな、と当時も思いました

オレが入寮した時にはオレも含めたしか3人でしたが

なぜかその後に4人になり、5人になり、6人になり

毎日、ワーワー言いながら楽しかった

 

「たった3年」でも、という考えもありますが

じゃあ、オレは中学を出たあとは島を出て下宿生活で高校に通いましたが「その3年間」だって、下宿のおばちゃん&ネーチャンが毎日メシと弁当を作ってくれましたが、そのメシが何か記憶に残ってるか!?と言うと

見事に何も思い出せない

ほんと、見事に思い出せない

よく仮病で学校を休んだ時に、下宿のおばちゃんが朝ごはんの際に、熱を計る体温計を渡された時に、おばちゃんの目を盗んで味噌汁にチョンとつけて体温を上げたような記憶しかない

 

やっぱ「背景」ってのが大事なんだろうね

 

たった3年間食ったメシでも「あ~コレコレ、こんな感じの味だった」

そう思う

 

寮母さん、とっくに死んじゃってるだろうな

でも、オレの中ではこうやって生きてますよ