これまで希望があれば施工してきましたが
そんな時でも「穂先」は「メタリック上巻き」はしていませんでした
「ルアー竿」や「アラ竿」ならまだしも「石鯛竿」は基本的にメタリックスレッドで穂先まで巻くのは問題が発生するからです
「OC106HH-B」(上巻きメタリック)
「ARA-eve460H」「上巻きメタリック)
なにかとメタリックスレッドは扱いにくいというかね
左:メタリックスレッド 右:ナイロンスレッド(NCPを含む)
まずイメージ的に言うと
メタリックスレッドは「〇」なのです
糸が「〇」というか、「潰れない」というか
だからブランクに巻き付けていっても「硬い〇」を並べていってるようなものです
糸をアップで見るとこういうイメージです
ちゃんと並んでるように見えますよね
でも、同じ写真を「かすみ除去」処理してみると
けっこう隙間が発生してますよね
これをさらに雑に・・・というと語弊がありますので「密の手間を少しでも気を抜くと」これくらいの並びになります
隙間が更に目立ちますよね
メタリックスレッドを巻くということはこういうイメージなのです
「硬い〇」なので一切「あそびの幅」というかね、そんなのが無いのです
これが「NCP(ナイロン)」なら糸自体が圧が掛かると潰れて(馴染んで)くれるので隙間も出にくいのです
この問題は「下巻き」ならまだマシなのですが「上巻き」だと不都合なことが発生しやすくなります
それは一旦大まかにガイドを巻きつけたあとに、ガイド位置を合わせる作業でガイドを動かします
その際に巻いた時には隙間なく巻いていても、ガイドを動かしたがばっかりに隙間が発生した・・・その隙間を「ごまかす(またごまかすと表現すると誤解になるんですが)」ために巻き幅全体で隙間調整しようとしても
その時にもこのイメージなのです
「硬い〇」が並んでるので、どっかの隙間を埋めようとしても「〇」は「楕円」には潰れないので隙間の場所が変わるくらいになったりします
それもまだ「ブランクの太い部分(根本に近いブランク径が太い場所)」の巻きならまだなんとかマシとしても
問題は「細い部分」の「上巻き」です
イメージ図はこんな感じです
下のEVAがブランク、上の半円のEVAが巻き付けるガイドの足・・・と思ってください
そんで、見にくいですが黄色のマスキングテープで巻きつけています
マスキングテープが糸(スレッド)だとします
「➡」の所は隙間が発生してますよね?
これが「下の〇(ブランク径)」がもっと細くなればなるほど「➡」の隙間の部分は広くなります
その理屈は解るよね?
そんでもっと言うと、下に「扇形の白線」を3種書いてますが、これもブランク径が細くなるほど扇形の面積は減る
これも理解できますよね?
そんで、①の「●」がメタリックスレッドを最後に留めるために入れ込む糸の末端、これが「扇形の部分で留められてるから」ほつれずに巻かれたままの状態にできるのですが、ブランクが細くなると「扇形」の部分は僅かになりますよね
オマケに巻き込む「●糸」は「●」という不安定な形
ガイドを全部巻いたあとで、ガイドを合わせようとガイドを少し動かすとワサササ~とほどけたりします
このイメージもたとえ一度もやったことがなくても、なんとなく「そうなりそうだな」って思えますよね?
ちなみに、横に書いてる②の「楕円」が「NCP(ナイロン)」の糸を巻き込んだイメージです
多少潰れてるので、不安定になりにくいのです
場合によっては、ガイド合わせでガイドを多少動かすまではなんとか留まっていたのに、エポキシコーティングでヌルヌル液を付けたらワサササ~とほどけることも稀にあったりします
普通に考えて、じゃあ、「NCP(ナイロン)」で巻くのと「メタリック」で巻く「工賃」が同じってのはオカシイですよね
そもそもの巻きにくさがある&ほどけたら再度巻き直すこともありえる・・・そんな糸とNCP(ナイロン)が同じ料金なワケがありません
まあ、その前に「糸の単価」も異なりますからね
だからこれまでも「メタリック」は「割増料金」でした
そして、今回の注文書から「上巻き:メタリック」を選べなくなってるハズです
それにはこういった理由があるのです
「糸の単価の差」だけじゃない、巻く時にもNCPよりも時間と気を遣いながら巻き、上巻きを巻くなら例えば全10ガイドの竿は上巻き19回巻けばイイのに、ガイド合わせをしたら2箇所がほどけた・・・となれば、まずはそこをほどく手間、そして巻き直す手間、ガイド巻きもトータルで21回巻くという手間の差も発生します
そして、そういった施工をすることもお客さんのためにもなりません
なんでも「知らない」と「不満」しか出てきません
「なんでそこで割増の金取るんだ」ってね