24万円は高いのか適正価格なのか安いのか「ARA-eve460H」 | ぎっちょ31  

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蒼き時代より共に生きる

釣具の大手有名メーカーは各社あれど

そんな中に、地方の小さな小さな名も無い弱小メーカーが完全オリジナルで作った「クエ竿(アラ竿)」

それも「地球には支えてもらわない、己の力(独力のみ)で支えクエを捕る」そんな独特のコンセプトの竿を

誰もが気軽に「買ってみようか」というような価格ではない

ちょっと思いきらないといけない価格帯で初回生産したわけですが

皆さんそれなりの注文が届きました

 

ありがたいハナシです

 

さて、この24万円という価格

安くはない価格ですよね

 

いや、もっと正確に言えば

何をもって「高い」or「安い」なのですがね

「金の多さ」「諭吉の枚数が多いor少ない」が「高いor安い」ではない

時々多くの人は混同して使ってますがね

 

諭吉が30枚もまとまった光景というのは、現代の皆さんでもなかなかの光景に見えると思います

30万円という「額」が「高いor安い」を決めてるワケじゃなく

「何に使うか」「何の対価で払うか」で高いか安いという感覚になるのだと思います

 

「だから30万円(額のみ)は高いですか?安いですか?」という表現は間違ってます

新車のナナハンが30万円です・・・となれば詐欺を疑うレベルに安い

しかし、新車のママチャリが30万円です・・・なら「高っ」となるハズです

 

ウチの商売も商売をするかぎり常にそういうことがついて回ります

「じゃあ価格設定、いくらで売るか」最初に決めることです

そして、原材料の値上げや、製造コストの値上げなど原価が変わるたびに考えなければならないこと

常について回ります

そして常に適正価格だったか!?という思いもあります

 

そのあたりは経営者の人間性によるところで感じる人も居れば屁とも思ってない経営者も居るでしょう(ビッグモーターのように)

 

本題のハナシをしましょう

 

じゃあ、果たしてウチのクエ竿(アラ竿)

スタンダードで24万円は「高い」のか「適正」なのか「安い」のか

 

ちなみに比較対象として「鮎竿」を例に取ってみましょう

まあ、ビギナーからエキスパートまで幅広くユーザーがいる某社の鮎竿です

30万円、40万円、50万円と平気で並んでいます

作る側から言うと、ガイドを1個1個巻いて取り付けることもない

グリップ材を削ったり取り付けたり、リールシートのような部品を取るつけるでもない

ざっと言うなら焼き上がったブランクを研磨&塗装したら出来上がり・・・に近い竿です

それが30万円、この中だと安いほうですらあります

40万円アタリマエ、ハイエンドモデルだと50万円です

 

そう考えたら、ウチの「ARA-eve460H」のブランクの素材量・専用に作った各種パーツ類すべて・・・これらだけ考えても

けっして「高い」とは思えないんですな(やってる側からしたらね)

だって大変だよ?ゼロから設計して、専用パーツすべて段取りして作って

ブランクが上がって来たら、ブランク塗装して、お客さん希望のロゴも含めロゴ入れ作業して、ルアーロッドの倍ほどの数もあるガイドはすべてWラップの施工をして、専用口金の取付&グリップ周辺の製作

 

ブランクをオリジナルで素材&素材量を妥協することなく作る「ブランク原価」

塗装に掛かる「塗装原価」

ガイドやグリップ材などの汎用パーツの「仕入れ原価」

口金やバット周辺オリジナル金属パーツの「製造原価」

 

並べていってみると

これだけで20万くらい行きそうな気がしてきませんか?「オレがチマチマと手を動かした工賃はどうやって乗せよう」って気がしてきませんか?

してこないかな!?お客さん側ってのは、なかなか製造現場は知らないでしょうからね

でも、素人さんが想像しても「簡単な金額じゃない」とは想像できるかと思います

 

24万円の「ARA-eve460H」を「高い」と言うのは簡単です

先日もブログで書いたように「言葉」「口に出す」ことはいくらでも飾れるし、簡単です

「あ~、影竿とかいうトコのアラ竿やろ。高っかたいね~」なんて言うのは簡単です

そんな人は鮎竿の50万も「高っかたいね~」と言うんでしょうな、いや言うべき、いや言わないと一貫性が無い・・・と言えます

 

「高い」=「諭吉の枚数」ではありません

ど~も錯覚しがちなことですな