手持ち竿のFグリップ「斥候500H」 | ぎっちょ31  

ぎっちょ31  

蒼き時代より共に生きる

まだ若い石鯛師だと思うが

ウチの石鯛竿をオーダーしてくれた

 

せっかくオーダーしてくれた人の悪口に取る者もいるだろうからブログに書こうか迷ったが

今更、影竿がイイ子ちゃんしててもガラじゃないし(笑)

実際、悪口ではない

永年石鯛釣りをしてきた人間からのアドバスと取っていただきたい

サンプルになる竿があるし、よい機会なので

今後、オーダーするご贔屓さんの「参考」になる「勉強会」を兼ねてブログに書くことにする

 

ブログには手前味噌ながら

いろんな為になることを書いてきたと思う

実際、オーダーをされる常連さんやご贔屓さんも

ブログ読んでる人は、まったく読んでなくて影竿サイトだけ観て初めてオーダーしてきた人よりも、遥かにいろんなことを知っているしオーダー時の注意点や段取りなどもよく理解した人が多い

注文書見ても、会話してても、「ブログ観てるな」ってのは判ります

 

さて、

 

今回の記事は

「斥候500H」サブネーミングにもあるように斥候500Hは「手持ちSpecial」である

釣人各々の癖などもあるが「握り方」とか「構え」などというのは「やりやすい」基本形というのはほぼほぼ似たような形に行きつくもんです

 

そんなFグリップのハナシ

 

「手持ち」の石鯛竿というのは

「置き竿」の石鯛竿と違って

終始「握る」ことを考えて作るべきです

 

もちろんそこには「デザイン」や「仕上がり」をベターにする方向性はあったとしても

基本は「道具」なので「握る」上でベターな方向性

といのが前提にきます

 

ド遠投して、あとは竿受け上にほったらかしにしてアタリを出るのを待ってる・・・

とゆ~スタイルだと

ざっくり言うと

「投げる時に握る位置」「掛けた後のファイト時に握る位置」

この2点だけ気にすしてそこに「勝手の悪さ」が無ければFグリップの形状や長さなどはだいたい決まります

 

間の赤い部分を握ることは無い (以前ウチにレストアで入ってきた竿)

 

しかし「手持ち」となるとそうはいかない

 

狙うポイントは、遠投から足元の壁まで

仕掛けの投入点によって握り位置なども変わる

無風のベタ凪の日or横風の強風下でも握り位置は異なる

こんなことすら実感の無い石鯛師も多い

 

強風下では竿がブレやすいので安定感が増すように竿のできるだけ先を握る

ベタ凪の日はどこを握ってたって大差ない

 

仕掛けの投入点が遠い時も大差ないが

足下を釣る際などは竿の長さも短いほうが扱いやすいし、投入~構えなども竿の先寄りを握ったほうがやりやすい

 

だいたい自然なフォームで肩幅程度の握り幅で握った場合

 

① 右手=石突きを握ると・・・左手はリールシート前(テーパー状の一番膨らんだ部分)

多くの場合はこの握りでOKだが

 

手持ちには「ココを握る!」という位置は基本的に無い

 

② 右手がRグリップ中間程度=左手は細くなっていくテーパー部分付近

少し先を握るので竿の安定感は増す

 

③ 右手がリール直下(親指でサミングやクラッチ操作などできる程度の位置)=Fグリップ末端

足下を狙う際にはこんな握り位置がやりやすいし

前アタリの際に「コイツはデカイ!!」と思った時なども、先を握っていたほうが強いアワセも叩き込める、後ろを握るほどアワセは弱くなる(当然です)

 

デカイやつほど前アタリの際にも「1m」や「ヒトヒロ」程度くらい平気で仕掛けを引っ張っていく

竿を送っていって、釣り人は前かがみになってヘタすりゃ穂先は海の中までアタリに付いていってる

ここでギューーーーンと走られたら体制も崩されやすいししっかりしたアワセも入れずらい

だからリール直下の所に右手を持って行ってるのもある

ヒトヒロや2mレベルでフワ~~~と持って行かれたら

当初の構えとはまったく違った構えになっている

コレだと先にも書いたバチーーンというしっかりしたアワセも入れられない

だから右手がリールに触っている

体勢が悪いと判断したらクラッチを切って糸を出し、また当初の体勢に整え直す

コレだと走った時に腰の入ったしっかりしたアワセも叩き込める

 

このように右手は「石突き~リールシートエンド付近」まで

その状況下で扱いやすいように、どこでも握る

そんなこともあって、私自身が使う手持ち竿には尻手管も無いし、その代わりにRグリップがバットエンドまであるデザイン、尻手管は握り位置によってはジャマになるのです

 

 

右手のRグリップの握り位置が移動すれば、肩幅程度に自然に構えた左手もFグリップ上の適位置に移動するのです

 

こんなことをやってると、必ず

ココに手が来ることがあるんだな・・・( ̄_ ̄ i)

 

「道具」なのですから「カッコ良さそう!」のデザイン性ばかり考えていてはダメだし

遠投竿がセパレートFグリップを見て、手持ち竿もセパレートにするという方向性は間違っています

 

ウチの竿も

適当にカッコよくデザインしてるワケじゃなくそれぞれに「意味」があるのです

 

通常、ウチの石鯛竿のFグリップ長は40cm程度のワンピースです

標準的な体格での肩幅は約50cmです

③の握り位置になった際を考えると

リールシートの長さは約13~14cm

リールシート前後にはグリップエンドの巻きもあるので

40cmのグリップの竿では

③の握りのスタンス幅は50~60cm程度となります

ごく自然に構えた姿でもグリップ長は事足ります

 

そういうワケです

 

コレに遠投時の握りを考えると

もっと遠い位置でも・・・という考えも出来なくはないですが

投げてるもんは500gも1kgもあるような重量物を投げてるワケではありません

「元ガイドのすぐ後ろくらいを握らんと投げられん」そんなもんを投げてるわけではありません

極端に遠い位置にセカンドグリップを設置するまでも無いと思います

 

「道具」は「事足りればOK」なのです

「事足りる」なら余計なもんは出来るだけ無いに越したことはありません

 

「オレは手持ちやけど、そがん位置は握らんよ」という石鯛師がもし居たら

それは大した石鯛師じゃない

フィールドの状況は千差万別だし、天候だって千差万別

「イイ仕事」をするためには最適な戦闘態勢というのが必ずある

デカバンほど走った時の「ひったくり」も強烈

数限りない「失敗」もした人間ほど対策は考えるのがごく自然な「成長」

 

ウチはオーダーメイドの竿屋なので

これこれこういう風に作ってくれ、と言われれば作りはしますが

それを100%聞いていれば「よりベターな物」は出来上がりません

 

言い方に少々トゲはありますが

オーダーするお客さんはどんなに寝ずに自分の竿のオーダーを考えても所詮は「素人」

竿屋の竿師は、年がら年中365日竿を手にして竿づくりをしている「プロ」

考えの「幅」と「スタンス」がまったく異なります

 

また昨日今日、石鯛釣りや大物ルアー釣りを始めた人間が寝ずに石鯛竿やルアーロッドを考えても

所詮は、ほぼ皆無のデータベースをもとに一所懸命考えてるだけ

所詮は、「付け焼刃」、その考えには大穴が転がってたりする

 

その「道具」を使うその釣り自体も

4~5年レベルではなく、10年、20年、30年・・・とやってる人間ほど「あらゆる方向性」を見ている

歴史と場数が「幅」を作るのです

 

横柄に聞こえるだろうが

たとえ「オーダーメイド」であっても、ムリしてまで「イチからジュウ」まで自分で考えてオーダーはされなくて結構です

実際、ある程度の希望デザインだけ書いて、その他は「おまかせ」というご贔屓さんも少なくありません

わからないとか、その釣り歴が乏しいと思ったらヘタに「ジュウ」まで考えずに「おまかせ」をオススメいたします

 

きっとそのほうがベターにもなるかと思います

 

鮮やかなカラーの手持ち石鯛竿「斥候500H」

 

このカラー、塗装関係の諸事情により今年から廃版です

 

下巻きは上巻き幅よりロングに巻いた「下巻きロング」で両端にワイド幅のピンストも入った少々手の込んだデザイン(1ガイドあたり5本ピンです)

滑り止め巻き間にもワイドピンが入ってます

 

デザイン的には

もう数年前に作った「製作例」にある「狙撃545-V8 COLD BORE SHOT」のTさんのオーダーと同じというオーダーです

 

Tさんのクチジロ竿

オリジナル色の強いデザインでしたが

これもオーダーメイドでは仕方の無いこと

「意匠権」も何も無いものは「嫌だ!他の人には同じようなオーダーが来ても作らんで!」などできませんので、ウチをご利用のご贔屓さんの皆様、あしからず・・・

 

逆に

「オレのを参考にオーダーした人が居る、ウレシイね~!」

くらいに思ってください(笑)

 

オーダーは「現場」がわかっている者が管理したほうがバランスが出るのも、また確か

オーダー内容によって

例えば「リールシート位置」や「Fグリップ長」などコレによって周辺のスペースも変わってきます

今回は「斥候500H 手持ちSpecial」の「手持ちSpecial」の文字レスでしかスペースがありませんでした

 

これも良い機会ですので今後のオーダー予定の方へのアドバイスですが

私の竿のバットエンド付近(Rグリップ後方)に「陰陽ロゴ」を入れ出してから同じ位置に「陰陽ロゴ」の追加ロゴを希望される方が増えました

コレも、オーダーした「リールシート位置」・「Rグリップ長」・「尻手管」の有無・巻きのデザイン(ピンストなど入れ込むラップは長めのラップ)などのオーダー内容の差によって「陰陽ロゴ」を入れるに十分なスペースが無い場合が発生します

ご注意ください

このあたりは製作現場ではないとなかなかわかりませんので仕方のないことですが・・・

 

 

 

最後の「セクシャルバイオレット」カラー「斥候500H」です

 

折らないよ~にご注意を・・・

 

オーダーありがとうございました