久方ぶりに結核治療の話です。
どちらかと言えば今はアスペルギルス治療に目がいってまして、そちらの方がひと段落しなければ結核で退院要件を充たしても退院するにできないという状況です。
しかしここにきて、担当医はそろそろアスペルギルス治療はもういいかなという心証をもっているように見えます。
結核と違ってアスペルギルスは決定的な薬が存在しません。
結核であれば、時間こそかかりますがこの薬を飲んでいれば必ず治るという薬剤があります、ただし耐性菌でなければという条件付きですが。
一方、アスペルギルスにはそのような強力な薬は存在しません。
また結核であれば菌を排出しているかどうかという検査もできますが、アスペルギルスはそれは難しいのだそうです。
換言すれば、治っているか治っていないかの識別が困難。
したがってある程度、症状が収まった時点で退院、その後は祈るのみ、なのだそうです。
完治する人もいますが時間を置いて再発して病院に戻ってくるケースも多いのだとか。
そういうわけで、アスペルギルスについては担当医はそろそろ退院させていいのではないかと考えているようなのですが、結核については厳格な退院基準があり、それを充足しなければ出してもらえません。
退院基準はふたつあります。
ひとつは「塗抹検査」と呼ばれますが、要は痰を採取し、その中に菌が排出されていないことを確認する。
これで陰性が3回連続すれば退院が認められます。
痰に菌が存在するか否かは即日判定できますので、時間を待たずに判断できます。
いま一つは「培養検査」などと呼称されますが、痰を採取してこれを培養する、6週間経っても菌が繁殖しなければもはや生きている菌はないと判断され、これも3回連続して陰性が続けば退院が認められます。
この方法は培養に6週ないしは8週間かかりますので、結果が判明するまでずいぶんと時間がかかります。
正式には培養検査が退院要件であり、要件を充たした場合は退院させなければならないと決められています。
塗抹検査は病院の判断により「退院させることができる」とするものですが、見ておりますとほとんどの患者さんが塗抹検査の基準により退院しています。
塗抹検査では退院できないが培養検査によりようやく退院できたという方もいるにはいらっしゃいますが、それは結核治療で結核菌のほとんどもしくはすべてが死滅したが、なぜかその後も死んだ菌の排出が続いている方、ということになります。
こういう方はどうしても入院期間が長くなることになります。
今回は一般論を申し述べました。
ちょっとつまらなかったでしょうか。
次回は私のケースについてお話ししたいと思います。