8.看護師さまざま
「病棟八景」とタイトルしましたが今回が8話めなのでとりあえずこのシリーズは今回で終わりにします。
ラストは看護師さんについて。
私の入院している結核病棟はたぶん入院定員が50人くらい。
まあ満床ということは少ないので40人くらいの患者さんが入院している感じです。
これに対して看護師さんの数は25人といったところでしょうか。
3交代です。
日勤が8時30分ころから16時30分ころまで、準夜勤というか中夜勤が16時ころから1時頃まで、夜勤が0時30分頃から9時頃までといったところかと思います。
中夜勤が3名体制、夜勤が2名体制、日勤が15人体制、5人が休日、くらいの感じだと思います。
たぶんその他に師長さんがいるか。
副師長さんはローテーションの中に入っています。
そういうわけで25人の看護師さんがいるとして、男患者担当と女患者担当の2チームに分けられているようですが、チーム間の入れ替えはありまして、しかしながらあまり入れ替わりしない看護師さんもいるみたいなので、一度も担当してもらったことのないという看護師さんもいます。
また師長、副師長の下に、その日のリーダーとなり得るレベルの人が5人程度、その下がその他大勢みたいなヒエラルヒーがあるように思われます。
看護師さん同士でも仲のいい人悪い人があるでしょうから、ローテーションを組むのも一苦労だろうと想像されますね。
さて、いろいろいる看護師さんについて。
・やたらと元気な看護師さん
大きな声でだれかれかまわず激励しながら病棟を回る看護師さん。激励する人がいない時は「がんばれ、私!」などと中声(大声でも小声でもないという意味)を発したりします。リーダー格の5人のひとりらしいのですが、患者さんのためなら多少の規則破りもする、患者にとってはたのもしい看護師さんです。腕は確かですし、人望もありそうで、こういう人ばかりでしたら病棟内は騒がしくてしょうがないでしょうけど、ひとりぐらいはいてくれるとありがたい看護師さんです。
・結局なんなんだという看護師さん
「何かお困りのことはありませんか?」などと慈母のようなほほえみで語りかける看護師さん。
それならばと、ああだのこうだのと困っていること、悩んでいることを話すと、じっと聞いてくれます。
これは何か力になってくれるのかと思ったら、「それは先生とよくお話しなさったらいいですね」とか「それはお困りですね」などと言って去っていく。
思い返してみると何か積極的に力になってくれたという記憶がひとつもないという看護師さん。
・自分のやり方を通す看護師さん
リーダー格の5人のひとりらしい、頼りになる看護師さんです。
腕もいいです。
なのですが、自分のルーティンというか手順というか、それに従ったやり方を通す看護師さん。
こちらが気を利かせたつもりで、先回りして何かやっても、それがその看護師さんのやり方と違うと「そうじゃなくて」と直させられます。
なにげに自慢話も多い。
・副師長さん
もちろん腕もいいのですが、なるほどと感心するほど患者さんの話を聞くのがお上手です。
当然、患者さんの信頼も篤い。
上に記した慈母のごときほほえみの看護師さんとは違い、間違いは正してくれますし、前向きな意見も言ってくれます。
必要とあらば動いてくれますし、看護の知識も深い。
年長というわけでもなさそうなので、誰かがきっちり評価しているんだろうなあと感じさせる看護師さんです。
・男性の看護師
いるんですね、男性の看護師さん。
ここに入院して初めて見ました。
単身、女の世界に入り込んでいるようで、きっとタイヘンな思いをしているんだろうなあと想像してしまうのでした。