結核の治療方法(1) | 食道がんと闘います

食道がんと闘います

65歳食道がんサバイバー。
初発は2013年、ステージ3aリンパ節に転移。
手術で切除し抗がん剤治療。
しばらく無事でしたが2016年に肺転移、切除手術。
以来、異常はありません。
定年退職後、大学で医療系を学び卒業、再度就職するも3か月で解雇、その後思いきって開業。

その結核の治療ですが、基本的には薬物療法です。

結核治療については方法や手順が決め決めのようでありまして、ほとんどの患者が同じ治療を受けることになるようです。

もちろん重症の患者や耐性菌にやられている患者は別メニューとなりますが、そうでなはない普通の患者(普通の結核患者というのもオカシな言い回しですが)であれば、入院期間中は同じ薬剤を同じ期間にわたって投与され同じ退院基準で退院が認められるということになります。

薬剤は結核に適した抗生物質を下記4種類、毎日服用します。

・イソニアジド

・リファンピシン

・エタンブトール

・ピラジナミド

いずれも副作用を惹起しやすく、場合によっては代替薬を用いることもありますが、それも予め決められたものが使用されます。

例えばかのストレプトマイシンは上記エタンブトールの代替薬という位置づけになっています。

薬物の種類の選択に医師の判断が介在することはないようです。

これらの4剤を60日間、服用します。

直接の結核の治療としてはこれでお終いです。

効果の測定は

・喀痰検査(痰を採取し、中の排出されている結核菌の数を数える)

・レントゲン

・血液検査(CRP)

により行ないますが、退院の基準として重要なのは喀痰検査です。

痰の中に菌が排出されていないことが確認できれば退院となるのですが、これを連続して3回、確認される必要があります。

言い方を変えれば、排菌がないことが2回確認出来ていても、3回目で菌が見つかればリセットされて振出しに戻ってやり直し、また1回目からやり直しということになります。

この痰の検査を毎日してくれるのならいいのですが、私の入院している病院では週に1回です。

つまり1回目の排菌なしが確認されてから最低でも2週間は退院できるかどうかの緊張状態が続くことになります。

薬剤の効きの良い患者、抵抗力の強い患者などは短期間(例えば1か月程度)で排菌がなくなり退院していくのですが、そうでない患者はだらだらと菌の排出が続きなかなか退院できなくてフラストレーションが募る、などということになります。

 

治療と言っても上記の4剤を服用するだけですので、例えば私の場合、朝食後に服用するよう指示されたのですが、言われた通りに朝食後に薬を飲んだらその日の仕事は終わりです。

後は病室でごろごろするか病棟内をうろうろするか、まあそれは他の病気で入院した場合でも同じなのですが、なにしろ隔離されているので、決められた域内から外に出ることはできず、例えば院内の売店に行くこともできないわけです。

結核患者ですから寝たきりというわけではなくそこそこは元気なわけですから、これでは時間を持て余してしまう。

それが2か月続くか3か月続くかわからないわけです。

いくら薬を飲んでもなかなか排菌がなくならないという患者の気持ちは次第に荒んでいくこととなるのはいたしかたのないところです。

私の担当医の話ではそのストレスのために胃に穴が開いてしまったという患者もいたそうな。