この作品も、ようやく鑑賞。

 

 

山口智子さんは、『プサマカシ 若き助産婦のアフリカ熱中記』(脚本/今野勉ほか 1991)を見てから推している。

 

豊川悦司さんも、独特の佇まいで唯一無二の役者さん。

 

 

 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

ふたりの圧倒的な存在感、美しい映像、示唆的な物語。

短い作品だけに、それで十分かも。

 

 

萌実の眼の妖しさが心に残る。

特にシャワーのシーンは脳裏まで響くよう。

 

 

電線が無数に垂れ下がる丘の上、通り過ぎる園児の中でのキスが印象的。

 

 

強迫性緊縛症候群と診断された萌美の願いにこたえようとして、由紀夫が逆にその行為に縛られていき、文字通り縛られて終わる。

 

 

「結局、僕らは縛られていたのだろうか、ほどけていたのだろうか?」

 

 

行方知れずといいながら、ラストシーンは縛られたままのふたり。

部屋の隅で白い光を浴び佇む彼らの、終わりなのか始まりなのか。

 

 

縛り続けて、「undo」(ほどく)なんだね( ̄▽ ̄;)

劇団・東京セレソンデラックスで上演された同名舞台(脚本・演出/宅間孝行 2007)の映画化。

 

再演された『タクフェス第6弾 あいあい傘』(仙台・電力ホール)も鑑賞。

 

 

 

 

笑って笑って、ホロっとさせる宅間節は健在。

 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

さっちゃん(倉科カナさん)、お父さん(立川談春さん)、玉枝(原田知世さん)、それぞれの抱えた切なさが沁みる。

 

清太郎(市原隼人さん)、麻衣子(入山杏奈さん)、日出子(高橋メアリージュンさん)、力也(やべきょうすけさん)、さらに金田明夫さん、大和田獏さん、トミーズ雅さんとキャストも申し分ない。

 

いつも美しくおしとやかで優しいさっちゃんが居酒屋で酔いに任せて積もりに積もった想いを吐き出すシーンが素敵(´;ω;`)

 

 

細切れの回想シーンの挿入、やや粗い伏線回収(ラストはちょっとムズい)、さつきの母は?などいくつか難点もあるが、物語全体に溢れる宅間さんの優しい眼差しに癒されてしまう。

 

 

生の舞台はほぼ引退だが、タクフェスだけは観に行きたいな( ̄▽ ̄;)

横尾初喜監督の幼少期における実体験を基に映画化。

 

 

 

 

ところどころ記憶にあるから、これも仕事中「ながら視聴」をしたのだろう。

 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

広永兄弟(大橋彰さん、井浦新さん)が歩き回る長崎の街がいい。

味わいのある風景が丁寧に映し出される。


広永友里恵(遠藤久美子さん)、宮本哲郎(石倉三郎さん)に加え、佐久本(嶋田久作さん)、小形晃子(鶴田真由さん)、三田崇之(鶴見辰吾さん)など、キャストはかなり贅沢。

 

長崎は坂が多く、一歩裏に入ると細かく小道や石段が絡み合っていてまるで生きもののよう。

ラスト、上空から俯瞰する映像を見ながら思う。

こんな街なら、ヒトの迷いも抱き留めてくれそう( ̄▽ ̄;)

第44回四国地区高等学校演劇研究大会(2019)「文部科学大臣賞(最優秀賞)」(原作/中田夢花、村端賢志、徳島市立高等学校演劇部)が、『アルプススタンドのはしの方』(2019)に続く高校演劇リブート企画第2弾として舞台化(作・脚色/中田夢花 演出・美術/小沢道成 下北沢)され、映画化となる。

 

 

 

 

学校演劇は大好物。

全国高等学校演劇大会に密着した『青春舞台』(NHK)シリーズは可能な限り録画して鑑賞してきた。

 

 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

 

空っぽのプールに青空。

 

最高のシチュエーションで始まる、ココロ(濵尾咲綺さん)、ミク(仲吉玲亜さん)、チヅル(清田みくりさん)、ユイ(花岡すみれさん)の女子高生たちの会話劇。

途中から絡んでくる、リンカ(三浦理奈さん)、山本先生(さとうほなみさん)も含めて、彼女らの向こう側に舞台が透けて見えてくるような仕上がりがエモい。

 

ありがちな青春群像劇と言ってしまえばそれまでだが、それだけで何が悪い。

等身大の心の有り様が交錯する87分、みんな、ずっとキラキラ輝いていた。

 

 

それぞれの抱えた想いを、どんな風に吐き出し、ぶつけ、噛み合わせ、つなげていくかが会話劇の面白さだろう。

その巧拙と思いの丈の落としどころによって、響き方も変わってくる。

 

 

水深ゼロメートルのプールの底から聴こえてくる声が沁みる。

 

 

最近読んだ、最果タヒさんの『君の言い訳は最高の芸術』(河出文庫)の中の一文が忘れられない。

「彼らが望まない限り、彼らの何かを知りたいと望むことは愛があろうが優しさがあろうか傲慢でしかない」

 

常に、張りつめた琴線の上で表現はたゆたう( ̄▽ ̄;)

原作は、2017年第63回全国高等学校演劇大会最優秀賞受賞作『アルプススタンドのはしの方』(作/籔博晶、兵庫県立東播磨高等学校演劇部)。

これが全国の高校でリメイク上演され話題となり、舞台上演(演出/奥村徹也 東京・浅草九劇 2019)され、それを映画化することに。

 

 

折角なので、YouTubeの『青春舞台2017』(国立劇場優秀賞公演 NHK)も拝見したが、観客を前にした等身大の高校生らしさがとても良かった。

 

 

(ネタバレあります。御注意!)

 

 

舞台の会話劇の雰囲気を残しながらも、見ごたえのある素敵な映画に仕上げてくる城定監督の豪腕に唸る。

 

全く試合が映らない野球の試合を観客席で成立させるという面白さはアルプススタンドの向こうの青空とともに爽快である。

ただ舞台版でも感じたが、野球のルールを知っている前提のツクリになっていて、リアルに野球を知らない人に面白さが伝わらない箇所がいくつか気になった。

 


舞台経験者をメインにした、安田あすは(小野莉奈さん)、藤野富士夫(平井亜門さん)、田宮ひかる(西本まりんさん)、宮下恵(中村守里さん)、久住智香(黒木ひかりさん)たちキャストが自然体で楽しい。

 

 

舞台もTVドラマも映画も好きな私には、このシンクロが感無量(´;ω;`)

 

 

高校時代、アルプススタンドのはしの方どころか、球場の入り口すら行かなかった私には、ひたすら眩しい( ̄▽ ̄;)