原作は、   ノンフィクション作品『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(著/辺見じゅん 文藝春秋)。

 

夏になると各メディアで、戦争をテーマにしたドラマや特集が毎年のように企画、再放送される。

先日もNHKラジオ「らじる☆らじる 」で「朗読の世界 ひめゆりの少女・十六歳の戦場」(宮城喜久子 高文研 朗読/池間夏海)全25回を聴いたばかり。

 

物心ついてから60回以上繰り返されているのに「戦争」に慣れることはない。

いや、むしろ堆積した哀しみはその色を濃くするばかり。

 

 

 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

まず実話を基にしていることに驚く。

 

敗戦下の捕虜として、貨車移動やラーゲリ(収容所)での山本幡男(二宮和也さん)の言動はほぼ命懸けの行為といっていい。想像を絶する覚悟に支えられていたことだろう。

 

人間としての尊厳を奪われることの多い捕虜生活のなかで、山本の存在は、原幸彦(安田顕さん)、松田研三(松坂桃李さん)、新谷健雄(中島健人さん)、相沢光男(桐谷健太さん)たちの苛酷な時間に沁みていく。

 


山本モジミ(北川景子さん)たち家族が、その無事を願い待ち侘びる時間も丁寧に掬い上げられており、無事を知らせる葉書の喜びや、訃報を受け取った時の号泣に、観ていて胸が詰まるようだった。

 

松田の出征を見送るときの、母(朝加真由美さん)の滂沱の涙がまた哀しい。

 

寺尾聰さん、奥野瑛太さん、田辺桃子さん、渡辺真起子さん、、酒向芳さん、市毛良枝さんなどキャストも手厚い。

 

 

最後の、4人が遺書を分担、記憶して届けるという事実に心を鷲掴みにされる。

 

 

「…最後に勝つものは道義であり、誠であり、真心である…」

 

 

戦争の悲惨さはもちろん、生きる尊厳について考えさせられた( ̄▽ ̄;)

韓国映画『ブラインド』(脚本/チェ・ミンスク 監督/アン・サンフン 2011)の日本リメイク作品。

 

ドラマや映画での、韓国作品のリメイクはかなり増えた。

豊かな着想で、トリックや展開に粗さも目立つが、なによりも観る者を楽しませようとするエンタメ精神が凄い!

 

 

 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

この手のサスペンスは、スリルある展開や見ごたえのある演出の陰でリアリティが少しずつ削られていく(韓国系はさらにその傾向が濃い;゚Д゚)のが私的には残念。

 

それでも、浜中なつめ(吉岡里帆さん)が眼が見えない故の能力を駆使して、春馬(高杉真宙さん)、吉野刑事(大倉孝二さん)、木村刑事(田口トモロヲさん)に助けられながら、日下部(浅香航大さん)を追い詰めていく展開は悪くない。

 


酒向芳さん、松大航也さん、國村隼さん、渡辺大知さん、松田美由紀さんと脇を固めるキャストも多彩。
 

 

ただ、警察のミスありきの筋書きが最近多めで少し疲れてきた感はある( ̄▽ ̄;)

好きな脚本家さん、監督さん、俳優さんが勢揃いで驚いた。笑。

 

東日本大震災のボランティアで巡り合った男女が、それぞれの岐路を経て家族や友人たちの中で迷いながらも選び続け、自分らしい人生を求めていく姿を10年間にわたって描く。

 

 

 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

もちろん、あの震災の悲哀、喪失感は簡単に癒えはしない。

 

映画はそれを承知で、被災者の暮らしの再建を支えようとするボランティアの視点からそこに寄り添おうとする。

 

当事者の一人として、あの時のたくさんの皆様の温かい支援が蘇り胸が熱くなった。

 

 

瞳子(有村架純さん)と清隆(坂口健太郎さん)の生い立ちや境遇が一層物語に深みをもたらしている。
 

ハン・ユリ( 知英さん)、真二(岡山天音さん)なども、それぞれの道のりが伏線となっていて、最後まで様々なドラマが動いていく。
 

萩原聖人さん、光石研さん、南果歩さんなど、物語を支えるキャストも抜群。

 

 

正直なところを言えば、確率的に言うとあまりに奇跡的で偶々のことが起き過ぎている気もするが、ま、それがドラマだし、この時間枠で10年を駆け抜けるには仕方がない気もする。笑。

 

それに、瞳子が父である清隆に告げずに勝手に身を引く辺りとか、真二の八つ当たりとか、男女模様のモヤモヤめいたところは少し苦手。

 

あと、やはり私の苦手な路線バスを待たせる演出も嫌い。

 

 

それでも、それらを全部加味したとしても、素晴らしいドラマだった。

 

そこまでの経緯はともかくとして、全てを受け止めながら生き抜いた果てのそれぞれの姿がこそが答えになっていると思えた。

 

 

個人的には、ハンちゃんの言動がピュアで美しい( ̄▽ ̄;)

原作は、史実を基にして書かれた同名小説『おしょりん』(作/藤岡陽子 ポプラ社)

「おしょりん」とは、田畑を覆う雪が昼に陽光で溶け、それが夜に冷え込んで再び固く凍った状態を指す福井の方言。

 おしょりんになれば回り道しないで好きなところへまっすぐ行けることから、いくつになっても、どんな時も、夢に向かって自由に突き進もうという想いが込められた。


 

 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

現在日本産メガネの95%を生産する福井県でメガネ作りにゼロから挑んだ増永五左衛門・幸八兄弟を通して、“ものづくり”に渾身の技術と魂を吹き込んだ職人と彼らを支える家族たちの姿を描く。

 

 

私自身、中学の頃からメガネをかけている。

高校の頃、格好つけてサングラスで街を徘徊してたら、視力はさらに悪化(左0.02、右0.05くらい)した。

 

 

福井のが眼鏡産地であることは知っていたがその歴史は初めて知った。

 

増永五左衛門(小泉孝太郎さん)、むめ(北乃きいさん)夫妻、五左衛門の弟でむめの初恋の人幸八(森崎ウィンさん)たちが綱渡りのようにしてその夢を繋いでいく姿に感動した。

 

駿河太郎さん、高橋愛さん、秋田汐梨さん、磯野貴理子さん、津田寛治さん、榎木孝明さん、東てる美さん、佐野史郎さん、かたせ梨乃さんとキャストも手厚い。
 

 

雪が「おしょりん」状態になることは津軽でもよくあったが、私の世代(1960~)ではもう普通に「堅雪」みたいな呼び方をしていた。

 

たしかに田畑一面に積もった雪の上を近道して横切ることは楽しかったが、少し寒さが緩み出すと突然割れて落っこちる(次第に表面だけが堅く締まるのだが中は空洞化していくから)ことになる。

 

ま、それもスリルがあって面白いんだけど  ̄▽ ̄;)

匿名掲示板「2ちゃんねる」への実際の投稿から始まった都市伝説「きさらぎ駅」を基にしての実写映画化。

 

基本、ホラー、スリラー、ゾンビ、恐怖系を好んでは観ない。

怖いのが苦手というより、逆に怖くないから冷静に客観視してしまうからである。

さらに、その性質上、論理的破綻をクリアできないことが多く、途中で興味をなくすことがほとんど(;゚Д゚)

 

期待の若手俳優、恒松祐里さんの初主演作。

 


 

 

(ネタバレ含みます。御注意!)

 

 

ほぼ想定の範囲を超えないし、異世界異常の納得感(もともと求めるのが無理だけど。笑)もやや甘い。

 

それでも、眼線感覚カメラワークの多用による臨場感や不気味さを煽る様々な演出、春奈(恒松祐里さん)、明日香(本田望結さん)、純子(佐藤江梨子さん)たちキャストの熱演でラストまで観終えた。

 

 

純子の狙いは悪くないけど、あの電車の乗客全員がずっと「きさらぎ駅」に閉じ込めら続けてれいるのだとしたら、明日香だけじゃなくみんなで脱出する可能性(同時に光の扉を抜けてみるとか)を試さないのはどうなんだろう。

 

 

個人的には、純子の姪の凛(瀧七海さん)が春奈と出会ってからのその先の方が面白そうだなと思っていたら、今年『きさらぎ駅 Re:』(脚本/宮本武史 監督/永江二朗)が公開されたらしい。笑。

 

 

 

うーん、でも映画館では観ないだろうな( ̄▽ ̄;)