2009年、NFLドラフト1巡目でボルチモア・レイブンズに指名されたマイケル・オアー選手のエピソードに基づくノンフィクションの映画化。

 

 

 

 

 

 

実話からくるリアリティは得難い。

 

散りばめられた宗教、政治、さらに貧困やスラムとの格差など、アメリカの縮図も織り込みながら、貧しい若者のサクセスストーリーを描く。

 

リー・アン・テューイ(サンドラ・ブロックさん)が凛々しく、その家族がまた優しい。

 

 

しかし、こうして陽の目をみる奇跡はほんのひとつまみに過ぎない。

現実はもっと熾烈で、さらに苛酷だ。

 

肌の色、生まれ、育ち、貧富、宗教、政治、etc…。

いろいろな軋轢に、ヒトは塗れている。

 

 

たしかに稀有な物語は希望に満ちている。

しかし、真に求められるべきは、満遍なく、あらゆる人に可能性が開かれた世界だと思うのだが( ̄▽ ̄;)

またまたアニメが面白い。

 

 

『ダンジョン飯』(テレビ朝日)、『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』(TOKYO MX)、『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』(TBS)、『WIND BREAKER』(TBS)、『HIGHSPEED Étoile』(TBS)、『ささやくように恋を唄う』(テレビ朝日)、『夜桜さんちの大作戦』(TBS)、『ザ・ファブル』(日本テレビ)などなど、ドラマと同じくらい見ているだろう。

 

今回から見始めた『僕のヒーローアカデミア 第7期』(日本テレビ)は、その人気の理由が分かった気がした。

 

『鬼滅の刃 柱稽古編』(フジテレビ)、『転生したらスライムだった件 第3期』(日本テレビ)も安定の面白さだった。

 

 

これに加え、TVerでも、可能な限り漁った。笑。

 

 

気になった3本を挙げる。

 

 

『烏は主を選ばない』(原作/阿部智里 監督/京極義昭   NHK)

 

 

その世界観がとても魅力的。

「金烏」という存在感が物語の骨格を支える。

なのに主人公は、いわくつきの出自を持つ若者、雪哉。面白い。

これからの期待を込めて。

 

 

『響け!ユーフォニアム3』(原作/武田綾乃   監督/石原立也 NHK)

 

 

ようやく完結?

〈1〉、〈2〉、映画版と見続けてきたから少し思い入れがはみ出してしまった。

登場人物が多彩で個性的で魅力的。

アニメだと、正直、主なキャストしか判別できず、物語を見失うこともしばしば。

まだるっこしく感じたり、青すぎると思ったりもしたけど、逆に言えばそこまで心を掴まれていたからだろう。

なんだかんだいって、かなり泣かされた。笑。

 

 

『怪獣8号』(原作/松本直也 監督/宮繁之、神谷友美 テレビ東京)

 

 

個人的、№1はこれしかない。

そのオープニングに度肝を抜かれた。

独特な世界観、幼い約束からはじまる物語に、熱い仲間、ひたむきな想い…。

もうワクワクしかない!

 

 

コッチはどんどん過熱してきた気がする( ̄▽ ̄;)

春クールも、地上波、TVerで見ることの可能なドラマはほぼ見た。

 

 

だが、前より好き嫌いは顕著になってきた( ̄▽ ̄;)

無理が過ぎたり、奇を衒ったり、あざとすぎる仕立ては、興冷めてしまいほぼストーリーを追うだけか、好きな俳優さんを堪能するだけ。笑。

 

 

それでも、朝ドラ『虎に翼』(脚本/吉田恵里佳 NHK)が久々に面白く、また『ちゅらさん』(脚本/岡田惠和 NHK 2001)の再放送も面白い。

 

今クールは、全体的に女優陣の活躍が目についた。

伊藤沙莉さんはもちろん、広瀬アリスさん、杉咲花さん、小芝風花さん、伊原六花さん、生見愛瑠さん、石原さとみさん、石橋静河さん、北香那さん、中村アンさん、井頭愛海さん、篠原涼子さん、玉城ティナさん、幸澤沙良さん、今田美桜さん、吉高由里子さん、松本まりかさん、田辺桃子さん、月島琉衣さん、etc…、多彩な才能が溢れていて眩しい限り。

 

 

『お迎え渋谷くん』(フジテレビ)、『からかい上手の高木さん』(TBS)、『好きなオトコと別れたい』(テレビ東京)、『おいハンサム!!2』(フジテレビ)などなど、コミック原作も相変わらずレベルが高い。

 

 

 

これまでブログで取り上げたドラマのほか、個人的に気になった3本を選んでみた。

 

 

 

『9ボーダー』(脚本/金子ありさ TBS)

 

 

まず、三姉妹(川口春奈さん、木南晴夏さん、畑芽育さん)が素敵。

さらに、オトコたち(松下洸平さん、井之脇海さん、木戸大聖さん、齋藤潤さん、高橋克実さん)もみんな魅力的。

仕立てが少しやり過ぎてる気もするが、それぞれの心の動きに寄り添った、恋+自分探しの物語は悪くない。

 

 

『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の2番目の憂鬱』(脚本/橋部敦子 テレビ朝日)

 

 

星太郎(高橋一生さん)、ひかり(本田翼さん)、航(橋爪功さん)のやり取りが絶妙。ふみか(宮本茉由さん)や母親(原田美枝子さん)が絡んできてさらに楽しい。ドラマの核心ってこういうことなんじゃないのかな。

 

 

『滅相もない』(脚本/加藤拓也 TBS)

 

 

個人的にツボ作!

 

キャストが魅力的で、それぞれの抱えた背景がやたら狭いのに普遍的な感じが絶妙。

ドラマと演劇と映画の「あわい」に浮かぶ味わいがクセになる。

 

 

 

→「2024春アニメ編」に続く。

(原作/フローリアン・ゼレール 脚本/フローリアン・ゼレール、クリストファー・ハンプトン)

 

 

 

 

 

 

(ネタバレあります。御注意を!)

 

 

予備知識無しに観ていると、途中から???となる。

 

雰囲気的に(だってアンソニー・ホプキンスさんだし( ̄▽ ̄;)、サスペンス系?怖い系?とか考えていると、次第に整合性が取れなくなっていく。

 

 

しかし、それこそがリアル。

 

6年前に亡くなった母が認知症だった。

発症し、脳梗塞で倒れるまでの数年間、彼女との時間は、まさに???だった。

整合性とか理屈とか常識とかは通用しない。

 

「だれかが家に侵入している」

「大事なものが盗まれた」

「お気に入りの服が隠された」…etc。

そのたびに高速を4時間走って駆け付けるが、いくら話してもわかってもらえず、悔し涙をSAでしずめてから帰ったこともあった。

 

いまなら彼女の脳内で何が起きていたのかが分かるし、もう少し優しく受け止めてあげられたかもしれないと思える。

でもあのときはあれで精一杯だった。

 

2年先に亡くなった父は最後まで頭は明晰だった。

今振り返れば、10年近いふたりの看取りは悔やむことばかりだったけど、母の認知症との向き合い方の難しさは筆舌に尽くし難い。

 

 

まずは、アンソニー(アンソニー・ホプキンスさん)がとにかく凄い。

そして「認知症」の脳内を映像化した脚色が素晴らしい。

 

 

この映画で、母がどう感じていたのかがあらためて分かった気がする。

いくつもの場面が彼女の記憶と重なり、自然と頬が濡れていた。

 

 

これからの時代、さらに増えていく(私自身も含め)だろう「認知症」は、本人とともにそれを支える家族にとってもとてもつらい時間となる。

 

しかし「わかる」ことが辛さを和らげてくれる。

 

その意味で、この映画はたくさんの人の心を救うだろう。

お昼の「イッキ見テレビ!」枠の再放送してて、見出したら気になって最終回まで録画してそれこそ「イッキ見」してしまった。笑。

 

 

 

 

こうしてみると、なんと贅沢なキャストだろう。

メインキャストはもちろん、脇を固める配役までそうそうたる顔ぶれ。

 

まさに眼福!笑。

 

 

命の瀬戸際を綱渡りする筋立ては流石に無理難題が重なり過ぎるきらいはあるが、それぞれの状況とそこまでの心情を丁寧に描き、細部もぬかりなく、油断していると私なんか一瞬で泣かされてしまう(;゚Д゚)

 

そして苛酷な救急医療現場のリアルがその美しさを支える。

 

 

最後の白石恵(新垣結衣さん)と藍沢耕作(山下智久さん)のナレーションがいい。

 

白石

〈先の見えない暗闇に一人たたずみ、時に心が折れそうになる。この先に光がなかったら?歩いた方向はまるで逆で光から遠ざかる結果だったら?〉

藍沢

〈そんな時は思い出してほしい。一人ではつらい暗闇を共に歩ける仲間の存在を。求めるのは光そのものじゃない。光を一緒に探すことのできる仲間だ。それさえあれば歩き続けることができる。駄目なら向きをまた変えて歩きだせばいい。仲間と共に。〉

 

 

60数年、ほぼひとりで闇の中で足掻き、這い回ってきた私にはこの言葉の意味するものこそが眩しくてたまらない。