伝説のG.A.光永パンテーラ [4] | Ghost Riponの屋形(やかた)

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時速307.69キロの伝説

1981年11月17日、光永のパンテーラはJARI(日本自動車研究所・谷田部テストコース)
高速集回路で、最高速度記録に挑んだ。ある雑誌の企画である。
それは、誰も公認しない記録への挑戦だった。
ステアリングを握るのは、元日産ワークスドライバー高橋国光。
一対の光電管式速度測定器が置かれた、400メートルの区間を、パンテーラは
閃光のように駆け抜けていった。
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時速307・69キロ。

その日エンジンは不調だったという。「600馬力って本には書いといてくれよ」
光永は、嬉しさを隠さずに、僕にそういってはにかんでみせた。
だが直線があと1キロあれば、光永のパンテーラは、おそらくその日に時速322キロ
=200マイルに到達していた事だろう。
光永とパンテーラにとって、当日は完成試走のようなものだった。
次のステップは東名である。東名で走りのセッティングを煮詰め、翌年の春には、
もう一度テストコース上で時速200マイルに挑む・・・。
それが、光永の心に描かれていた計画の第二段階だった事だろう。
マシンはついに完成した。試走で実力の片鱗を見た。次は俺が乗って楽しむ番だ・・・・
そう思っていたことだろう。

12日後、11月28日の夜、僕は光永と夕食を共にし、翌日日曜に予定していた
雑誌の取材・撮影の打ち合わせをした。
光永のパンテーラの存在が公になるのは、その記事が最初になるはずだった。
公認だろうが、非公認だろうが、その記録をだした車がナンバープレートをつけた
世界最速のスポーツカーであることに変わりは無い。
打ち合わせを終えて外に出ると、パンテーラがそこにいた。

猛獣は、美しかった。

光永と彼の友人のメカニックの2年半に及ぶ努力によって、
700馬力を収めるエンジンルームはもちろんのこと、
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足回りや内装、イタリアンレッドの塗装に至るまで、
完璧にしたれられた宝石のように輝いていた。
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「乗れよ」光永は容赦なく踏んだ。
700馬力に鞭が入ると、それはスタートしてから5秒もかからずに120キロに達し、
さらに豪然と加速し続けた。
それまでに体験してきたいかなる物事も、その加速の前では単なる子供騙しだと思った。

「じゃ明日」

青山通りで僕をクルマから降ろすと、光永はそう言ってパンテーラと共に走り去り、
そして二度と戻ってこなかった。

午前1時40分過ぎ、家路に向かう途中の目黒区目黒通り・大鳥神社交差点の
金毘羅坂で、光永の運転するパンテーラは突如コントロールを失い、目黒学園前
の歩道橋脇に激突した。
目黒区下目黒4-10-6 ここで光永は死んだ。
中央分離帯に有るキャッツアイに、タイヤを引っ掛け、コントロールを失ったのだ・・・
パンテーラは衝撃でくの字に折れ、一瞬にして光永の命を奪った。
写真も残してはくれなかったのだ。
光永は、そのすべてを手にたずさえて逝ってしまった。

「日本人ってのは、どうしてあんなクズみたいなエンジンを喜んで買っていくんだ?」
アメリカの、さる有名なレーシングメカニックはそう言う。
「日本てのは、ゴミ溜めみたいなもんだな。しかし・・・」
ブルーの眼が、いっとき遠くを見つめるように細くなる。
「・・・そういえば1基だけ、スゲエのが行ってるな。ロッシの親父が組んだやつだよ。
あの男・・・なんて名前だっけな・・・」
「ゲーリー・アラン・ミツナガ。ゲーリ・アラン・ミツナガ?」
「ゲーリー。そう。日本でも有名なのか?つまりなんていうかその、あの男の話は
こっちの仲間内じゃ、要するに伝説みたいなもんなのさ。達者でやっているのかい?」
あれからもう、11年もたってしまった。


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補足
>Aブロックは3000馬力級のホットロッド用エンジンのベースになる。
この時点で、LS7がトップフューエルのエンジンに使われた例を知らない。
ほとんどがキース・ブラックなどの426ヘミ(A900)ベースだった。
ついでに、この手のレース用ブロックはファクトリーを出荷される時点で、
残留応力歪を、熱処理によって除かれていたから、「枯らし」をやる必要は無かった。

>Bブロックは主に800馬力級のやはりホットロッド用。
>CランクはNASCARストックカー用だから、
>要するに700馬力の目標値に対しては十分以上だった。
NASCARストックカーは、1974年からスモールブロックになっている。

それなり(かなり?)の脚色があるらしいですが、物語として面白いので載せました。
悪魔のZの発生起源は、ここかも知れない。
でも、あのZはGノーズの240だったようだが・・・
ま、伝説は伝説として語られていくのが、美しくて良いかもしれないね。

個人的に、パンテーラは、デザインはもちろん、悪そうで大好きな車ですね。
乗るなら、色は上の画像(赤/黒)パンテーラで、エンジンはツインターボが良いなw
Callaway パンテーラ Sledgehammerだな・・・
ホイールは、SSRかWorkで、スポーク色は黒かガンメタ。パナでも良いよ。
なんて妄想してみましたが、やはりサイズと軽さからナローポルシェに落ち着いてしまうな。
画像のナローは、930ベースのモドキなのは秘密です。
それにしても、軽量化して900kg台は、魅力的すぎます。

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