一昨日の初雪、昨日の積雪となり、今朝もその流れで自然と雪景色の朝であった。
冬道の事故は今時期が多い。
慣れない雪道が原因なのだが・・・・
オヤジはいつものように、同じ道を同じ時間帯で走っていた。
気持ち、路面がアイスバーン化して、時折、タイヤの空転を感じていた。
そしてある場所に到達した。
そこは本州から来た大学生がいつも通う道で、大学からは下り坂で、毎年、数台がスリップを起こして、何台もの車がお釈迦になっている難所でもあった。
オヤジは毎年その場所を通るので、当然、タントカスタムのスピードを落としながら下って行った。
速度は50km/hも出ていなかったであろう。
その瞬間!!
急にタントカスタムの尻が左に流れ、対抗車線に飛び出した。
対向車はいなかったので、とっさにカウンターステアを切り、アクセルはオフ。
イニDの藤原拓海並みの人間ABSでマシンガン・ポンピングブレーキを繰り返した。
目の前には対向車線のガードレールのロープがみるみる迫ってくる。
が、最後の最後まで右足でブレーキを連打するオヤジ。
すると、その行為が功をなしたのか、タントの頭は急に元来た車線に向いて、今度はオヤジ側に車線に滑り出していった。
その時オヤジは先日、ネットで読んだ記事を思い出した。
サーキットを走っていて、初心者がスピンを起こしたら大半の人間はあきらめてしまい、そのまま突っ込んでいくという。
衝撃力は速度に比例するので、サーキットでの事故は、車がバリアーにぶつかる直前まで、ブレーキをフルに踏んでないといけないのだ。
オヤジは何故かその話を思い出し、ハンドルは再びカウンターステア切り、自分の走行車線に戻ったタントカスタムのブレーキを、全集中で踏み続けていた。
そして歩道に乗り上げる衝撃に身構えた。
このタントは数年前に、たった50km/hで路面でスリップ。
道路のセンターにあるガートレールに沿って滑って、自分の車線の歩道に乗り上げて、全損を起こしたことがある。
通常なら買い替えなのだが、亡くなったかみさんが大切にした車だったので、オヤジは当然修理。
廃車から蘇った、オヤジにとっては、とっても大切な大切な車なのだ。
普段、アイスバーンの時に、わざとブレーキをフルロックをかけて、スピン直前に、ブレーキをリリースして、元に戻して、急制動をかけたりしている行為や、昨日読んだぶつかる直前までブレーキを踏み続ける事。そして、路面の状態。
多分、いろいろな条件が重なり合ったのだろう。
タントカスタムは奇跡的に、歩道にぶつかる直前で意思を取り戻し、きちんと元の車線に戻った!!
その瞬間!!
「うぉーーーーーっ!!」
オヤジの頭の中で、キリンがあのポルシェを抜き去った時のように、ファンファーレがなり響いた!!
バツクミラーにはついさっきまで起きていた行為が、しっかりと路面に残っていた。
そしてタントカスタムは、何事も無かったように、また走り続けた。